読む日々

テーマばらばらの読書日記

すべては消えゆくのだから

2011-06-02 | 
「すべては消えゆくのだから」ローランス・タルデュー 著/赤星絵里 訳


 フランスの小説。恋愛小説というくくりではありますが、もっと深いお話。でもものすごく短いです。

2005年、56歳のヴァンサンの元へ15年前に別れた妻ジュヌヴィエーヴから手紙が届きます。
「私はもうすぐ死ぬの、会いにきて、もう一度だけ」

向かう車中の中で15年前の出来事が次々と浮かび、そして物語りは15年前のジュヌヴィエーヴの日記を通して語られます。

15年前、熱烈に愛しあっていた夫婦を突然襲った、最愛の娘の失踪事件。
見つかるのかもしれない、という期待があるだけに、亡くなったと分かるよりはるかにつらい。
そのつらさを共有できず、お互いがお互いより自分がつらいんだ、と感じてしまい、別れを選択します。

死を目前にした妻は、最後の時を夫と共有する事を望みます。


もうもう、超号泣でした。
また、失踪する娘が8歳だったりする。
学校を出てから行方不明になり、1時間後には捜査が始まっているのに見つからない。
想像しただけで発狂しそうですよ。

その辺りがまた 日記形式なので、母親のつらさに自分が入りこんで感じてしまって。
もう切なくて。

子供って何て大事なものなんだろう。って改めて感じました。


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