読む日々

テーマばらばらの読書日記

こちらの事情

2011-06-25 | 
森 浩美「こちらの事情」


 図書館開いてなくて(しつこい)ブックオフで買った本。この方の本はあまりないけど外れがないので。
で、期待通り面白かった


「家族の言い訳」の続編のつもり、とのこと。「家族の言い訳」も読んでます。
・・・このブログ、始める前かなあ??自分のブログ内検索機能とかないんだっけ。書いたかどうかわからない。

「家族の言い訳」より少し年齢層高めの主人公達、とあとがきに書いてある。そうだっけ?ヤバい、覚えてない。
面白かった、って事だけは覚えてるけど。

8編の短編すべてが「家族」のまつわるお話で、いっぱい泣いちゃった


①晴天の万国旗・・・数々の試験問題に使われてるらしい。小5の息子がリレーの選手に選ばれたものの補欠より遅いとクラスメイトから不満が出て「運動会行かない」と言いだす。母は自分が小学生の頃、やはり運動会で逃げようとして逃げなかった体験を語る。母の両親、兄弟の愛が凄いな。

②葡萄の木・・・・・反抗期のムスメを待てあまし気味の父親。両親・姉弟で葡萄狩りに行く。小3の息子が1本の葡萄の木から生る実は家族だから、離れ離れは可哀想、と同じ木の葡萄ばかり採ることから、娘と父の距離も縮まるお話。中学生女子は、どこのお家も大変そうです。いや、男子もだろうけど。

③甘噛み・・・・・・犬を連れて旅行に来た母子。でも母は実の母ではなく、実母の妹で、つまり叔母。9歳で引き取られ、納得がいかず暴れまくった娘の過去を現在の犬の甘えっぷりと対比させて書いている。娘が立ち直るきっかけとなった母(叔母)の真剣さに涙・・。でもありがちな展開だったかな。

④短い通知表・・・・家族でお互い年末に通知表をつけあっていた家族。ある日、妻が突然亡くなり、その後迎えた初の年末。大掃除で、妻の引き出しからノートを見つける。そこで自分への評価を時たま記していたのをみつけ号泣する夫。切ないなあ。
でも仲良し夫婦で羨ましい。

⑤福は内・・・・・・投資で失敗、仕事も不調、ついでに夫婦仲もいまひとつ、な男が、出張の帰りに実家による。少しでも援助してもらいたい、という胸の内は明かさずに帰るのだが、後日母より豆まきの豆と300万入った預金通帳が送られてくる。母の愛はすごい。涙、涙。

⑥靴ひもの結び方・・・息子とキャッチボールするのが夢だった男。10年前、妻は男の子を死産してしまい、それから夫婦仲は冷え切っていた。ある日脚の悪い男の子と知り合い、その子に息子を投影してはまりこんでいく男。その子を野球チームに入れてあげられた日、男の子の母親と3人でファミレスにいるところを娘が見かけてしまう。自宅に戻り、「私じゃダメだったんじゃん。弟の分と思って2人分頑張ってきたのに」と感情を爆発させる娘。そのおかげで家族全員が思いをぶつけあい再生できそうになるお話。辛いけど、よかったね、という読後感。

⑦妻のパジャマ・・・息子も娘も結婚して独立した家。ある日妻に離婚を切り出される夫。動揺していたが翌日妻がぎっくり腰になる。入院した妻の着替えを探したり買ったりするうちに、交際中や新婚時代を思い出し、その気持ちが妻にも通じ・・というお話。子供が巣立った後の夫婦って、いい関係のところはいいけど、そうじゃないところはキツイですね。うちもヤバイと思う

⑧荷物の順番・・・号泣でした。実家の母を施設に入れることになり、兄姉にわだかまりを抱く主人公。施設に連れていく役割を仰せつかり、母と話しあう場面がすごい。母は「手は2つしかない。妻子を手に入れたら、それをしっかりつかむために前のモノは離さなきゃ。荷物には順番がある。親は子供が幸せなのが一番の幸せ」と。翌日施設に着き、母をおぶいながら「おふくろはお荷物なんかじゃない・・おふくろはおふくろだ」と話す息子に「いい子だね」と語りかけながら頭をなでる母。
書いてて涙が出てきた


とにかく、大満足でした。
満足度100