読む日々

テーマばらばらの読書日記

九月に

2011-06-15 | 
「九月に」上下巻 ロザムンド・ピルチャー 作/中村妙子 訳


 大好きなロザムンド・ピルチャーの長編にチャレンジ。
スコットランドを舞台に、地主?のバルメリノー卿一家と、近くに住むエアド一家のそれぞれが主人公とも言うべき
とっても深い物語でした。

登場人物がたくさんいて、ややこしいんだけど、自分でも覚えておきたいから記録しておきます。


エアド家・・・・・・ヴァイオレット(母。一人でコリーヒル荘で暮らす・78歳)
          エドマンド(息子。社長で、世界のあちこちを回る・50歳)
          ヴァージニア(息子の妻。33歳。夫と息子とバルネード荘で暮らす)
          ヘンリー(エドマンドとヴァージニアの息子・8歳)
          アレクサ(エドマンドと亡き前妻、キャロラインの間の娘・ロンドンで母方の祖母遺した家で暮らす・21歳)

          エディ(エドマンドが生まれた時からエアド家に仕えるナニー・68歳)

バルメリノー家・・アーチー(現当主。エドマンドとは幼馴染。軍隊生活で片脚を失くし義足。クロイ館に住む・50歳?)
イザベル(アーチーの妻・47~48歳?)
         ルシラ(アーチーとイザベルの娘。18歳位?ヨーロッパ中を放浪していた)
         ヘイミシュ(アーチーとイザベルの息子。12歳?寄宿学校にいる)
         パンドラ(アーチーの妹。18歳で駆け落ちし、以来20年間故郷に戻っていない)

同じ村の結構新しい住人の家の娘の21歳の誕生日(9月16日)に、大がかりなダンスパーティーをやろうとの企画を5月にしてから、そのパーティーの翌日までの物語。

その間、様々な家族の問題が出ては消え、最後は大団円?を迎えます。
中心にいるのはヴァイオレットかな。私はヴァージニアが好きだけど。
でも、全員が主役、と呼べる位、中味が濃かったです。

スコットランドの景色の描写や、料理を生業とするアレクサが作り出す物をはじめとするお料理の数々の描写がすごい。
行きたい、食べたい、という感情が後から後から湧いてきます。

エドマンドとヴァージニアが夫婦の危機を乗り越える話、歳の割に幼いアレクサと少し大人なノエルの恋。
そして20年ぶりに帰ってきたパンドラの秘密など、様々なストーリーが違和感なく収まっていて、とても面白くて一気に読んでしまいました!

8歳のヘンリーが寄宿学校へ送られる辺りは、我が子と同じ歳なだけに「ありえない」と憤慨し、ヴァージニアの気持ちとまったく一体となって、涙を流しながら読んじゃってました


満足度は文句なしに100