読む日々

テーマばらばらの読書日記

送り火

2011-06-27 | 
重松清「送り火」

21日に書いてupするの忘れてた

 久々に重松節を味わいたくて借りました。期待通り、泣けました

富士見線沿線に住む人々をテーマにしたちょっぴり切ないお話が9つ。
「家族」がテーマのお話が多いですね、やっぱり。富士見線って実在?フィクション??どっちなんでしょう。

以下、覚書

・フジミ荘奇憚・・・若い女の子にいれあげた挙句捨てられ、更にそのことが発覚して妻子にも捨てられ、そこから転落し始めた男が築40年のアパートに越し、そこに住む5人の老婆との関わりの中で、再生していくお話。老婆は実は猫?

・ハードラック・ウーマン・・・雑誌に記事を書いているフリーランスの女性。ネタ探しに困り果て、ホームで見かけた老婆を「地蔵」に仕立てあげ、拝むと願いが叶う、と書いてしまった事で起こる顛末と老婆の正体。

・かげぜん・・・6歳の息子を髄膜炎で亡くした夫婦。哀しみを乗り越えて次子を妊娠するまでのお話。こういうのはつらい

・漂流記・・・・公園デビューした女性の公園漂流記。私は働いているせいか、あんまりピンと来ないなあ。こんな公園とか「公園デビュー」とか、実際あるのも聞いたことないし。

・よーそろ・・・自殺しそうな人を瞬時に見抜ける駅員さん。その人助けには新人の頃のつらい体験と、尊敬する先輩の存在が。
その先輩が成り済まして書いているブログを紹介し、それで救われていく小学生。

・シド・ヴィシャスから遠く離れて・・昔パンクロックに心酔して投稿からライターになり、パンクの衰退と共にフツーのおじさんになった主人公が、当時売れていたバンドのボーカルの男と再会し、ライターの記事で人生を変えられたと思いこんでる男と出会って生き様を振り返る話。家族を守ろうとした時の本気がすごくよかった。

・送り火・・・・団地で一人で暮らす母を心配し、同居を勧める娘。団地の隣は遊園地。でも娘は団地に越して数年で父を過労死で亡くしたことで、遊園地にはいい思い出がなく・・・。夜、母の元に泊まった娘は、夜の遊園地で幼い頃の自分に出会う。両親の、娘を愛する気持ちに涙。

・家路・・・・だんだんかみ合わなくなった夫婦。夫は家を出て会社の隣の駅でウィークリーマンションを借りる。その「笹原駅」(なんか前にも何かでこの駅を舞台にしたたお話を読んだ事があるから実在なのか)で、数年前ベンチで過労死した男の幽霊と出会い、夫婦関係を顧みる話。かみ合わなくなってきたという雰囲気がうちとソックリで微妙。

・もういくつ寝ると・・・両親の為に富士山の見える霊園を買いに行く娘。夫と理解し合えない様子がこれまたウチとそっくり
母親のいう「家族」は夫と自分と娘の3人であり、もし孫がいてもそれは家族ではない、とのセリフが哀しくて。ヒトは子供を育てあげたら使命は終わるのかな。動物だからね、本来はそうなんだろうけど。そう思うと短いよなあ。この主人公もアパートから平屋の借家、戸建、と両親が家を大きくしていっても、最後の家に娘が住んだのは数年なわけだし。寂しいなあ。


満足度90

くまのパディントン

2011-06-27 | 絵本
「くまのパディントン」マイケル・ボンド作 ペギー・フォートナム画 松岡享子 訳





 先週は図書館5時閉館で行けなかったので(だからシツコイ)しばらく蔵書を読むことに。
まずはパディントンシリーズから。

小学生の時に読んで、あまりの楽しさにドツボにはまり、中学卒業まで機会を見ては借りて読んでいた本。
中学校の図書室にはさすがに置いてなくて、近くの公民館図書室までわざわざ借りに行ってました。(図書館は学区外でしかもものすごーーーく遠かった)

で、さらに働き出してから、趣味の本屋通いをしていて発見、見つけるたびに1冊ずつ集めました。
いつか我が子が読むかもと期待して。

小学校中級以上~が対象です。ウチの息子には無理っぽいけどね。


久々に読んだら、やっぱり楽しい。
大人になってから読むと、ブラウン夫妻の気持ちに近づいている自分に気付いた。
子供の頃は自分がクマになったか、ジュディの目線で読んでいたんだなあ。
児童書は奥が深い

しばらく ゆっくり楽しもう。