読む日々

テーマばらばらの読書日記

君が降る日

2011-06-20 | 
島本理生「君が降る日」


3つのお話がはいってました。どれも、少し切なくて、そしてちょっと懐かしい感じがしました。
若いころって、こうだよねぇ・・という気持ちがして。

作者、若いです。1983年生まれ!!はぁ~。そうですか、って感じ。
でもすっごくいい小説でした

特に「君が降る日」は、登場人物達の心理の過程がすんなり理解できるし、私としては主人公達よりもよっぽど歳の近い
お母さん達の気持ちも違和感なくて。若いのに凄い作家さんだなあ、と思いました。

このお話は、長く付き合った彼を事故で失くす女の子が主人公。
そして運転していた、恋人の友達と、恋人の家族との関わりの中で、その友達が抱えていた物に惹かれ、でも抱えきれずに
結局サヨナラするまでのお話です。

この「友達」の描写が・・・私的にツボでした。外見も中身も。
実際身近にいたら、超面倒臭いのかもしれないけど。

残念な結末だったけど、その後、は、ないのかなあ。


あとは「冬の動物園」は、中学の頃から付き合ってた男に振られた女性が、高校生の言い寄られ、成長するまでのお話。
子供な女性と大人な高校生。おもしろかった。

「野ばら」は、友達と認識していた、でも微妙な関係の男友達と、決定的に友達になるまでのお話。
これ、すごいなあ。人を好きになるって、何なんでしょうね。特に若い頃っていうのは。
祐君が、大人び過ぎていて切ないなあ。


また読んでみたい作家さんです。
満足度90