京都府宮津市、日本三景のひとつ 天橋立を眼下に見下ろせる
『成相山 成相寺(なりあいさん なりあいじ)』
今年初めての西国三十三所観音霊場巡り、日本海側の山寺と言うことで冬場は敬遠。
暖かくなるのを待っていました。ちょっと待ち過ぎて真夏日でしたけど・・・
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待っていてヨカッタかも、凍結が恐ろしいような道を走ってやっと辿り着けます。
境内に続く道にゲートが設けられており、そこで入山料500円を払うと直ぐに駐車場。
下調べで、クルマで行った場合は山門が見られない。見る場合は、少し下山する
必要があるとのことでしたので、そのつもりだったのにすっかりその事を忘れて
しまって・・・よって山門の写真はありません。(-。-;)
またこのお寺、見どころ・逸話、伝説がいろいろある所です。
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「五重の塔」と「底なしの池」
ゲートの側にあります。五重の塔は1998年に完成したまだ新しい塔ですが、
鎌倉時代の様式を再現したもので美しい塔でした。
底なしの池…昔この池には大蛇が住んでおり、寺の小僧を呑み込んでいたため、
和尚は火薬を仕込んだわら人形を飲ませて退治したという伝説が残っている。
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本堂への階段の途中に立派な鐘楼があります。「撞(つ)かずの鐘(かね)」って
呼ばれているようですが、その由来は・・・
お寺の新しい鐘を鋳造するために近郷近在に浄財の寄進を何度も募ったところ、
裕福そうな女房が「子供は沢山居るが、お寺に寄付するお金はない」と断った。
やがて鐘鋳造の日、大勢の見物人の中に例の女房も乳呑児を抱えて見物していた。
そして銅湯となったルツボの中に、誤って乳呑児を落としてしまった。
完成した鐘を撞くとその音は赤子の泣き声、母を呼ぶ悲しい声に聞こえたという。
聞いている人々はあまりの哀れさに子供の成仏を願って、以後、一切この鐘を
撞くのを止め「撞かずの鐘」になったと伝えられる。
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撞き棒はあるのですが、何やら文字がいっぱい書かれていました。
この鐘楼の向いには約620年前に造られたという大変古いお地藏さん
「一願一言地蔵」があります。
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その奥には「観音堂」。
ここには西国三十三ヶ所の本尊全てが祀られています。
「一願一言地蔵」は、ただ一つの願いを一言でお願いすれば、どんなことでも
必ず叶えて下さるとか。また安楽ポックリの往生も叶うと伝えられています。
・・・人生唯一の願いがポックリ往生だったら悲しい気がしますが (・_・、)
石段を登りきると「本堂」に。
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もともと、本堂は現在より山の上に建てられていたようですが、山崩れのため
現在地へ移転したとのこと。現本堂は安永3年(1774)の建築だそうです。
五間四方の入母屋造、正面を千鳥破風、軒唐破風で、それを飾る木彫はかなり
手の込んだ複雑なもので、鐘楼も同じような装飾が施されていました。
ただ、ここも千社札がいっぱい貼られている。折角の建築美も台無しです!
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はい、ここで寺名の由来を・・・ 一人の僧が雪深い草庵に篭って修業中、
食糧も絶え餓死寸前となりました。死を予感した憎が救いを本尊に祈ったところ、
堂の外に傷ついた鹿が倒れていた。僧として、肉食の禁戒を破る事に思い悩んだが
命には変えられず、決心して鹿の腿をそいで鍋に入れて煮て食べました。やがて
雪も消え、堂内を見ると本尊の腿が切り取られ鍋の中に木屑が散っていたとさ。
僧は観昔様が身代リとなって助けてくれた事を悟り、木屑を拾って腿につけると
元の通りになりました。此れよりこの寺を願う事成り合う寺、成合(相)寺と
名付けられたとな。
堂内の厨子に安置された御本尊の木造聖観世音菩薩は、平安期のもので、秘仏。
33年に一度の御開帳。身代わり観音または美人観音とも呼ばれています。
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内陣は撮影禁止だったのですが、貼り紙に気付かずに・・・ま、この程度なら
許されるでしょう。
この内陣での見どころは、「左甚五郎作 真向きの龍」※これは撮影可でした。
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龍と目を合わせながら横に移動しても、ずっと視線は合ったまま・・・というものです。
どうでしょうね、その真意のほどは実際にお確かめください。(^_^ゞ
なお、本堂内陣へ上がるのに車椅子用のリフトが備えられていました。
バリアフリーが完璧とは言い難いですが、こういう姿勢は良いことですね。
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本堂の右側には「十王堂」があり、そこに撫で仏「賓頭盧尊者」様が。
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病んでいる部位をなでると除病の功徳があるといわれているのですが・・・
上半身しか出ていない、膝の悪い人はどうすれば?こんな賓頭盧さんは初めてかも。
お堂の中には「孔雀明王」と
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「閻魔大王」が祀られています。
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本堂の奥には「熊野権現社」成相寺鎮守堂ですが、ここでは最古の建築物のようで
トタン屋根の小屋ですっぽり被われています。
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本堂前の手水鉢は、国の重要文化財「鉄湯舟」です。
今は名水が出る手水鉢として利用されているのですが、かつてはここにお湯を張り、
かかり湯をしたと考えられています。後に薬湯で怪我や病気の人を治療したとも。
本堂左側には石仏群が・・・
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「身代わり地蔵」とありますが、その由緒は??
本堂を後にし、スロープの緩やかな左手より降りて行くと第二駐車場に戻ります。
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例の底なしの池には「弁天堂」が建てられ、弁財天が祀られています。
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「五重の塔」
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「底なしの池」
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○宗派:橋立真言宗 ○開基:真応上人
○御本尊:聖観世音菩薩 ○創建:慶雲元(704)年
御詠歌「波の音 松のひびきも 成相の 風ふきわたす 天の橋立」
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2013.5/26、成相寺にて。
『成相山 成相寺(なりあいさん なりあいじ)』
今年初めての西国三十三所観音霊場巡り、日本海側の山寺と言うことで冬場は敬遠。
暖かくなるのを待っていました。ちょっと待ち過ぎて真夏日でしたけど・・・
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待っていてヨカッタかも、凍結が恐ろしいような道を走ってやっと辿り着けます。
境内に続く道にゲートが設けられており、そこで入山料500円を払うと直ぐに駐車場。
下調べで、クルマで行った場合は山門が見られない。見る場合は、少し下山する
必要があるとのことでしたので、そのつもりだったのにすっかりその事を忘れて
しまって・・・よって山門の写真はありません。(-。-;)
またこのお寺、見どころ・逸話、伝説がいろいろある所です。
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「五重の塔」と「底なしの池」
ゲートの側にあります。五重の塔は1998年に完成したまだ新しい塔ですが、
鎌倉時代の様式を再現したもので美しい塔でした。
底なしの池…昔この池には大蛇が住んでおり、寺の小僧を呑み込んでいたため、
和尚は火薬を仕込んだわら人形を飲ませて退治したという伝説が残っている。
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本堂への階段の途中に立派な鐘楼があります。「撞(つ)かずの鐘(かね)」って
呼ばれているようですが、その由来は・・・
お寺の新しい鐘を鋳造するために近郷近在に浄財の寄進を何度も募ったところ、
裕福そうな女房が「子供は沢山居るが、お寺に寄付するお金はない」と断った。
やがて鐘鋳造の日、大勢の見物人の中に例の女房も乳呑児を抱えて見物していた。
そして銅湯となったルツボの中に、誤って乳呑児を落としてしまった。
完成した鐘を撞くとその音は赤子の泣き声、母を呼ぶ悲しい声に聞こえたという。
聞いている人々はあまりの哀れさに子供の成仏を願って、以後、一切この鐘を
撞くのを止め「撞かずの鐘」になったと伝えられる。
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撞き棒はあるのですが、何やら文字がいっぱい書かれていました。
この鐘楼の向いには約620年前に造られたという大変古いお地藏さん
「一願一言地蔵」があります。
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その奥には「観音堂」。
ここには西国三十三ヶ所の本尊全てが祀られています。
「一願一言地蔵」は、ただ一つの願いを一言でお願いすれば、どんなことでも
必ず叶えて下さるとか。また安楽ポックリの往生も叶うと伝えられています。
・・・人生唯一の願いがポックリ往生だったら悲しい気がしますが (・_・、)
石段を登りきると「本堂」に。
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もともと、本堂は現在より山の上に建てられていたようですが、山崩れのため
現在地へ移転したとのこと。現本堂は安永3年(1774)の建築だそうです。
五間四方の入母屋造、正面を千鳥破風、軒唐破風で、それを飾る木彫はかなり
手の込んだ複雑なもので、鐘楼も同じような装飾が施されていました。
ただ、ここも千社札がいっぱい貼られている。折角の建築美も台無しです!
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はい、ここで寺名の由来を・・・ 一人の僧が雪深い草庵に篭って修業中、
食糧も絶え餓死寸前となりました。死を予感した憎が救いを本尊に祈ったところ、
堂の外に傷ついた鹿が倒れていた。僧として、肉食の禁戒を破る事に思い悩んだが
命には変えられず、決心して鹿の腿をそいで鍋に入れて煮て食べました。やがて
雪も消え、堂内を見ると本尊の腿が切り取られ鍋の中に木屑が散っていたとさ。
僧は観昔様が身代リとなって助けてくれた事を悟り、木屑を拾って腿につけると
元の通りになりました。此れよりこの寺を願う事成り合う寺、成合(相)寺と
名付けられたとな。
堂内の厨子に安置された御本尊の木造聖観世音菩薩は、平安期のもので、秘仏。
33年に一度の御開帳。身代わり観音または美人観音とも呼ばれています。
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内陣は撮影禁止だったのですが、貼り紙に気付かずに・・・ま、この程度なら
許されるでしょう。
この内陣での見どころは、「左甚五郎作 真向きの龍」※これは撮影可でした。
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龍と目を合わせながら横に移動しても、ずっと視線は合ったまま・・・というものです。
どうでしょうね、その真意のほどは実際にお確かめください。(^_^ゞ
なお、本堂内陣へ上がるのに車椅子用のリフトが備えられていました。
バリアフリーが完璧とは言い難いですが、こういう姿勢は良いことですね。
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本堂の右側には「十王堂」があり、そこに撫で仏「賓頭盧尊者」様が。
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病んでいる部位をなでると除病の功徳があるといわれているのですが・・・
上半身しか出ていない、膝の悪い人はどうすれば?こんな賓頭盧さんは初めてかも。
お堂の中には「孔雀明王」と
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「閻魔大王」が祀られています。
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本堂の奥には「熊野権現社」成相寺鎮守堂ですが、ここでは最古の建築物のようで
トタン屋根の小屋ですっぽり被われています。
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本堂前の手水鉢は、国の重要文化財「鉄湯舟」です。
今は名水が出る手水鉢として利用されているのですが、かつてはここにお湯を張り、
かかり湯をしたと考えられています。後に薬湯で怪我や病気の人を治療したとも。
本堂左側には石仏群が・・・
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「身代わり地蔵」とありますが、その由緒は??
本堂を後にし、スロープの緩やかな左手より降りて行くと第二駐車場に戻ります。
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例の底なしの池には「弁天堂」が建てられ、弁財天が祀られています。
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「五重の塔」
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「底なしの池」
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○宗派:橋立真言宗 ○開基:真応上人
○御本尊:聖観世音菩薩 ○創建:慶雲元(704)年
御詠歌「波の音 松のひびきも 成相の 風ふきわたす 天の橋立」
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2013.5/26、成相寺にて。