カッパのロードスター

幌を開ければFeelin`good。カッパーレッドの
路渡☆くんとの楽しいドライブ日誌。

期間限定

2014-05-15 17:50:25 | 京都徘徊記
年に一度の一般公開の期間にしか見られない、この建物。このアングル♪
来た甲斐がありました。



中世ヨーロッパの古城を想わすような双塔を配した赤煉瓦の建物。
明治45年(1912)に出来た蹴上浄水場 第一高区配水池、流入弁室の建物なんです。
これって現役?煉瓦の壁に囲まれた配水池は今でも使われているようです。
明治の遺構として保存しているだけでなく、現役というのも京都らしい?(^_^ゞ




大きな建物じゃないけれど、細部に渡って西洋風。明治に生きた先人たちの
気概を感じます。

琵琶湖疏水事業は日本の近代史においてとても重大な出来事。当時、我が国の
重要な工事はまだ、すべて外国人技師の設計監督に委ねていた時代。疎水事業は
すべて日本人の手によって行った我が国最初の大土木事業だったのです。
当時、京都市が年間予算の十数倍という膨大な費用を投入した大事業・・・
その背景には、明治維新によって東京に首都を移され寂れた京都を盛り返す
ための京都市民の意地があったのでしょうね、地方都市とは呼ばれたくないと。
何せそれまで、今でもですが日本史上、最も長く続いている都ですからね。

この蹴上界隈は電気、水道、電車・・・日本の近代化を真っ先に推進した
京都の先進性をいちばん感じることができるエリアかも知れません。







設計者は、田邊朔郎(たなべさくろう)・日比忠彦とも言われています。
田辺朔郎は当時の京都府知事・北垣国道(きたがきくにみち)に採用された
琵琶湖疏水の主任技師。選ばれた時は工部大学校(現東大)を卒業したばかりの
21歳、青年技師でした。後に京都帝国大学(現京大)教授にもなっています。
ここでの日本初の水力発電の実用化も彼によるものですし、関門トンネルの
提言や北海道官設鉄道の計画・建設、大阪市営地下鉄に関与するなど
隧道のオーソリティ? 日比忠彦は、こちらも東京帝国大学卒で京都帝国大学の
教授に就任。日本最初期の鉄筋コンクリート建築の権威でした。
ちなみにこの建物が竣工した年は田辺朔郎は51歳、日比忠彦39歳の時です。





さすがに100年以上経つ煉瓦造りの塀や建物も汚れ、老朽化が目につきます。
そこで今年度より改良工事に入るそうです。3年間の予定。
煉瓦の壁は残したまま、内部に新しい配水池を造り、この建物は曳家工法で
一時的に別の場所に移動させるようです。ついでに補修もされるでしょうね。
とりあえず、これからも歴史的建造物として保存されるようで良かったです。



この周辺には京都の近代化を偲ばせる疎水関連の遺構が点在しています。
南禅寺の水路閣、ねじりまんぽ(三条通から南禅寺に抜ける隧道)、その上には
インクライン。旧蹴上第二発電所や片山東熊設計の九条山浄水場ポンプ室など。
またいずれゆっくり見て回りたいところです。
中でもこの蹴上浄水場 第一高区配水池の建物は期間限定ですから貴重です。


「期間限定」と言えば・・・この日、ランチにと、先日行ったお気に入りの
上海家庭料理のお店。GW特別メニューでした。







家内はエビチリソースセット、私はこの前と同じ黒酢の酢豚セット。
店内たいへん混雑していて2階の座敷に通されましたが、中国訛りの店員さん
たちも大わらわ・・・客の方が「それはあちらの方が先」なんて順番を指示。
それはイイんですが・・・料理の量が少ない!小鉢もひとつ省かれています。
しかも値段も上がっています。これも期間限定ならイイのですが・・・
昔はよくありました。今もあるかもしれませんが、祇園祭の期間に喫茶店に
入ると、値段は倍!1時間の時間制限、過ぎると追い出されるってことが。

実はこのお店は京男さんもおすすめだったのですが、ちょうどこの期間に
京男さんも行かれたようで・・・この状況をブログに書かれていました。
おことわりして、その比較写真を拝借。

左>以前。右>先日。酢豚の命、豚肉が小さくてカラッカラ。全然ジューシー
じゃないと不満を・・・タマネギばっかりやん!

もし、期間限定・ゴールデンウィーク期間中のみだとしても、このメニューには
呆れてしまう。こういうことを平気でするお店の経営方針って、どうなんだろ。





2014.5/4、蹴上浄水場にて。