カッパのロードスター

幌を開ければFeelin`good。カッパーレッドの
路渡☆くんとの楽しいドライブ日誌。

蟬丸神社、三社完結。

2016-01-18 12:01:52 | しゃじ
さて、最後は12月にも訪ねた「関蟬丸神社 下社」です。
旧称:関清水大明神蝉丸宮。主祭神は豊玉姫命、創祀は弘仁13(822)年。

三社の中ではここが一番大きいかも。それでも一般からすると
小さい方です。しかも荒れ方、傷み方が酷いです・・・

国道161号線沿いで、参道には京阪電車の踏切があります。

「関蝉丸神社」と「音曲藝道祖神」の標石が並んでいます。

石灯籠には「関清水大明神」「蝉丸宮」と彫られている。



狛犬さんは、踏切り番?

境内の中を電車が走り抜けてる感じ・・・

これが「関清水神社」



〈神楽殿〉

社記によると
琵琶の名手で、後撰集の歌人でもある蝉丸が鎮座地の逢坂山に住む
ようになり、没後に上・下両社へ合祀された。
その後、蝉丸伝承は時代と共に全国各地へ広まり、歌舞音曲の神として
信仰されるようになり、次第に音曲を始めとする諸芸に関係する人々の
信仰が厚くなった。江戸時代には諸国の説教者(雑芸人)を統轄し、
免許を受ける人々が全国的規模で増加した。
とあります。

ここで前回の続き、蝉丸さんの謎。
琵琶法師たちが職業集団としてまとまっていく過程で、始祖と仰いだのは
蝉丸ではなく、仁明天皇の第四皇子である“人康(さねやす)親王”で
あった。と小松和彦氏(日本の文化人類学者・民俗学者)は『能のなかの
異界・逢坂山』で述べられています。

人康親王は28歳の時に病で盲目となり山科に隠遁し、盲人たちを集めて
音曲を楽しみとした・・・何かダブりますよね。
親王亡きあと、その霊を祀りその社を四宮と呼んだ・・・事実、山科の
地名として残っています。
「平家物語」では山科の四宮河原に醍醐天皇の第四皇子蝉丸が居たと
語られる。ところが山科四宮の地名の由来は仁明天皇の第四皇子である
人康親王なので、どうもこの二人が混同されているように思えます。
それにしても54代仁明天皇と60代醍醐天皇の同じ第四皇子、似たような
境遇の人物が居たものですね・・・ここらが疑問。
「今昔物語」での蝉丸の方が信憑性がある気がします。

ま、蝉丸人物像の考察、推測はここらにしておいて、蝉丸が諸国の
芸能民たちに歌舞音曲の神として信仰されたのは事実のようですから。







三社とも管理状態は良いとは言えませんね、特に下社は傷みが激しい。


〈本殿内の狛犬〉
三社を通して狛犬が目につきました、一体何対あっただろうか・・・
この下社の本殿内にあった狛犬は彩色がなされた立派なもの。

向かって左は口を閉じた吽像で角がある狛犬。右には口を開けた
阿像、角無しの獅子になっています。
これは典型的な日本独自の「狛犬」。阿吽形式の狛犬・獅子像です。

神社では必ずと言ってもいいほどよく見る狛犬、二つとして同じものは
無いはずなので、探索ネタにすると面白いだろうな。時代や地域に
よってかなりディープだと思われますが・・・










ほとんど人の姿を見ることは無かったですが、お詣りされる方も
居られるようですね。(^_^ゞ






三社の中で唯一の重要文化財じゃないかな?「時雨灯籠」。
鎌倉時代の特色をもった貴重な石灯籠のようです。


〈お地蔵さん〉


句碑がいくつもあったので・・・


これやこのゆくもかへるも別れつゝ しるもしらぬも逢坂の関 蝉丸
逢坂の関のしみづに影見へて いまやひくらし望月の駒 貫之


逢坂の 流れはし 初桜 椿
木の間もる 月あをし 杉十五丈 子規


蝉丸の 学びの宮ぞ 春の風
近松も 小町もめでし 山桜 淳


裏山に小町塚があるというので、行ってみました。


〈小町塚〉
六歌仙のひとり、絶世の美女 小野小町の塚としては・・・w
小町塚と右から横書きにされた下には
花濃以呂は宇つりにけりないたづらに わず身世にふるながめせしまに
と彫られているようですが、ほとんど読めず。(^_^ゞ

小町の墓は全国各地にあり、wikiでも8、9ヵ所あげられていますが
ここは記されていません。
晩年にこの辺りに住んでいたという伝承があり、この近くにある
月心寺内には、小野小町百歳像が置かれているそうです。


〈小町塚から見た境内〉


こんな小さな荒れた神社ですが、掘り起こせばいわく因縁?話題が
出てくるものですね。
まだまだ尽くせませんが、これにて完結とします。(^_^ゞ


2016.1/6、関蝉丸神社 下社にて。


10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆ピィさん、ありがとうございます。 (路渡カッパ)
2016-01-20 16:26:31
地名の由来、電車の駅名だけでも調べると面白いでしょうね。
御陵なんて、まんまですけどね。(^_^ゞ
ちなみに神戸の三宮は、生田神社の三の宮からきているようですね。
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☆アネッティワールドさん、ありがとうございます。 (路渡カッパ)
2016-01-20 16:20:27
音大の声楽に行った高校の同級生が、美空ひばりは上手い!って
それから、そうなんだと思うようになって・・・
美空ひばり館には行ったことが無いのですが。
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Unknown (ピィ)
2016-01-20 15:13:24
へえ~、四宮の地名はそんな昔からあって、そういう由来なんですね。
土地の名前の由来もじっくり調べると色々あって面白いですね。
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Unknown (アネッティワールド)
2016-01-20 14:52:28
若い頃は美空ひばりを生意気そうな人!って
思ってましたが、
40過ぎたころかな?
「うまい!」って思うようになりました。
嵐山の美空ひばり館に何度も行きました。
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☆7駆さん、ありがとうございます。 (路渡カッパ)
2016-01-19 12:20:35
彩色してある狛犬も珍しいですよね。
ここでは色んな狛犬が見られて、興味が沸きました。
屋根はなんとかしないとね・・・
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☆京男さん、こんにちは。 (路渡カッパ)
2016-01-19 12:17:41
かつてはかなり繁栄した時期もあったようですが
時流に乗れなかったのかな?
それにしてもここまでになるまでに直さないとね。
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狛犬 (7駆)
2016-01-19 09:37:06
あまり見かけない姿。
ちょっと変わってる?

それにしても屋根が痛々しい
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音曲 (京男)
2016-01-19 07:52:47
おはようございます。
音曲の神社が荒れているのが痛ましい。
いまの日本は、芸術家にとって活動しにくい国になっていますね。
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☆アネッティワールドさん、ありがとうございます。 (路渡カッパ)
2016-01-18 17:06:31
私らの時代で言えば、岡林信康はフォークの神様って呼ばれてましたけどね・・・(^_^ゞ
蝉丸さんも琵琶を抱えたシンガーソングライターみたいな?
スターだったからこそ、色んな伝説、伝承が残ったのでしょうね。
戦後の音楽界の神、やはり美空ひばりが一番に浮かびますが。
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Unknown (アネッティワールド)
2016-01-18 14:55:14
歌舞音曲、今の芸能活動しているアーティスト?
アイドル歌手的な人?

蝉丸は今でいうところの
SMAPとかゲスの極み乙女とか?の
神にあたる存在だったのでしょうか?

戦後の音楽界の神にあたる人って誰になるんだろう?

ちょっと飛躍しちゃいすぎましたm(__)m



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