愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

噛み殺されても仕方ない

2011-10-27 22:48:23 | シェラとルイの日々
☆シェラの足が復活した!



 「シェラちゃん、ちゃんと歩けるようになってますね」
 今朝、同じマンションのわんこ仲間の奥さんからそういわれ、なるほどと気づいた。一時期に比べると、シェラの足取りがかなりしっかりしてきた。夏のころは、なんとも危なっかしい歩き方だった。身近のぼくらが見えなくなっていても他人様の目にはきちんと映っているようだ。
 シェラの歩く足取りの復活が「ルイ効果」だったらうれしいかぎりである。
 
 ルイの本格的な散歩は今日で3日目、仔犬の特権でご近所の方々になかなかの人気者となっている。ルイの姿を見つけると、朝のわんこ散歩の方々が笑顔で集まってくれる。わんこたちも新米の赤ん坊わんこに興味津々でにおいを嗅ぎにくる。
 しかし、すぐ横でシェラがにらんでいるから気の弱いわんこは遠慮しているし、気の強いわんことなると、シェラとのトラブルを避けてあちらの飼主さんがルイに近づけないようにしている。

 ルイのほうはチヤホヤされるから有頂天になってみんなに愛嬌を振りまく。シェラはそれをじっと眺めていて、ルイが離れていくと唸り、一定の距離が開くと烈しく吠える。ルイがよその人に連れ去られるのを心配しているように見えるのだが、本当のところはわからない。

 シェラとルイの関係のその後だが、シェラがルイをわが家に置くことには承知したらしいが、仲間として認めたかどうかはまだはっきりしない。とはいえ、日を追って変化の兆しを見せているのはたしかである。

☆シェラが根負けするかもしれない

 ぼくの住んでいるマンションは、構内でわんこを歩かせて移動することを禁じている。抱いて連れ出すか、カートやクレートなどに入れて運ばなくてはならない。わが家で使っているのはクレートを台車にビスで固定したものであり、別々に買い求めて自作した。もう10年使っている。

 このクレートに、ルイがシェラと一緒に入りたがるので昨日から入れてみた。むぎが中へ入るのを拒みはしなかったが、いざ、入れてみると予想どおり嫌がって吠えた。
 ルイがなにかちょっかいをかけているわけではないが、身体が密着しているのを嫌っているらしい。ルイはシェラの背中のほうに追いやられておとなしくしているのに吠えられたままである。
 


 クレートから出て歩きはじめると、喜んでしつこく跳びついてくるルイにシェラはあまり反応しなくなった。いわば、やりたいようにやらせている。
 上の写真のように、地位の低いわんこが上位のわんこの背中に前足をかけるなどという行為は、わんこ社会では噛み殺されても仕方のない狼藉である。老いたとはいえ、いまのシェラならまだ簡単にやってのけることができる。

 怒りもせずにルイの無作法ぶりを容認して歩いているから「仲間として認めた」と思いたいところだが、それはどうやら早計らしい。帰りのクレートの中では、次の写真のようにシェラがルイをまとめて叱っている。


 
 きっとルイはパピィの特権で許され、シェラが躾けているといったあたりではないだろうか。ただ、シェラにいくら怒られてもルイはぜんぜんめげないし、怖がりもしない。
 これもまたパピィの特権だろうか? いずれシェラが根負けしてしまうような気がしてならない。

 とはいえ、こんなルイの傍若無人ぶりがシェラの萎えかけていた足を復活させてくれたのならおおいに喜ぶべきだろう。


シェラはやっぱりママなのか

2011-10-22 23:50:41 | シェラとルイの日々
☆シェラに怯まないルイ 


 昼ごろまで雨が降っていた土曜日だったが、午後になって日差しを得た。ランチを兼ねて二子玉川のショッピングモールでひとしきり遊んだあと、家人の仕事の都合で夕方のひととき、ぼくがシェラとルイの面倒をみることになった。
 家の近くの大型スーパーの前に広がる公園は午前中の雨に洗われて一見きれいになっている。シェラはまだ濡れている草の上を歩いていた。雨上がりということで、ルイにもリードをつけ舗装された歩道を歩かせた。
 
 クルマで移動中は、シェラのストレスを考え、ルイは折り畳みの簡易クレートに入れてある。しかし、散歩のときにもうシェラを追っていなかったので安心してリアシートにふたりを並べた。
 ルイのリードは短くして、シェラに直接届かないようにはしておいたつもりだった。それでも用意している最中にルイはシェラの頭の上に乗っていったりしている。だが、シェラは困惑の表情ではあっても吠えて威嚇したりしなかった。
 
 スーパーでわんこ用のガムとルイのためのシャンプーを買ってクルマへ戻ると家人から電話があった。用事が終わったので迎えにきてほしいと……。ほんの十分ほどの距離である。リアシートのシェラとルイたちをそのままで、クルマを駐車場から出して、家人の店へ向かった。
 うしろでシェラが、呼吸を荒くして弱々しく吠える。ルイが何か悪さをしているのはわかるが、リードの長さからいってシェラにじゅうぶん届くはずがない。

☆迷惑だからなんとかして! 


 信号で停車したときに振り向いてぼくは思わず吹き出してしまった。ルイが寝転んで、シェラの胸の下に顔を突っ込み甘えているではないか。明らかにシェラは困惑していた。
 家人が出てくるのを待ちながら見ていると、どうやら、ルイはシェラのオッパイを探しているように見えてしまうが、こればかっかりはルイに訊いてみないとわからない。
 
 ただ、明らかに仔犬が母犬に甘えてじゃれている風情である。
 シェラも、ルイが自分に邪心がないのがわかるのか、怒りはせず、ただ、迷惑だからなんとかしてとぼくに訴えていた。
 
 そうか、ルイがシェラの首に跳びつくのは、単に母犬へじゃれているつもりだったのか。それがようやくわかった。
 むぎも目の前のシェラを母犬と思い、まさに死ぬ直前まで頼っていた。ルイと同じくらいのころのむぎは、寝ているシェラの尻尾の先っぽに顎を乗せてシェラの反応をうかがい、日を追って少しずつ上に上がっていって、あとはいつも横に張りつくようになった。
 
☆ルイもシェラを頼ってる 

 むぎはクルマの中では、シェラのお腹の下に入り込み、シェラの前脚の間から顔を出し、シェラもまた、それを許していた。そんな姿勢を1時間でも2時間でも続け、シェラはずっと座った姿勢を崩せずにいたものだ。
 
 さすがに、ルイがむぎに代わってお腹の下に入り込める体力の余裕がすでにシェラにはないが、もう少しルイのほうが落ち着いてくれば、シェラの母性に頼れる部分が多少は残っているかもしれない。
 
 シェラには迷惑だろうが、それが刺激になって元気を維持してくれるといいのにとぼくは勝手なことを考えてしまう。


おかげで老いぼれてるヒマがない!

2011-10-19 23:43:39 | シェラとルイの日々


☆毎日変わるシェラのコンディション

 今年になってからのシェラの急激な衰え方には息を呑むことがある。春の終わりまではゆっくりした歩みだった老化の進行が突然加速した。加速しながら、その速度が鈍ったり、あるいは元気を取り戻したりと、老化がまっしぐらに進んでいるわけではない。

 シェラの自覚も痛いほど感じる。散歩に出かけて歩き出すとその日のシェラの体調が奈辺にあるかをぼくも知ることができる。どちらの方角へどれほど歩くかであらかたのコンディションがわかる。
 
 ひとつだけ変わらないのは、散歩ルートの片道をシェラは決して長く歩こうとしないことだ。体調がよくて、もっと周囲のにおい嗅ぎで情報収集しようとするときも、マンションのエントランスを中心に東西それそぞれにせいぜい100メートル以内から出ない距離である。
 
 この距離であれば、もし、シェラに異変が生じて……たとえば、先日のように、突然、倒れてしまったとしても、なんとかぼくなりに対処できる。
 夕方、家人が散歩に連れていっているときだったとしたら……。そのときどきの状況に応じて彼女が対処すればいい。そのためには、やっぱりルイは連れていないほうがいい。

☆どうやって二匹を散歩させようか

 問題は、11月から解禁されるルイの散歩デビュー以後、どうやって二匹を連れ出すかである。当面、シェラと一緒の散歩が無理なのはよくわかった。もしかするとずっとダメかもしれない。

 朝は、ぼくがいつもより早めに起きてシェラとルイを別々に散歩に連れていく。シェラは従来どおりの散歩にする。次のルイは、時間がないから距離を短くして運動量で稼ぐしかない。つまり、ジョギングがてらの散歩になる。ぼくの健康のためにもいいだろう。
 
 あとは、ぼくの体力がどこまで耐えられるかにかかっている。まだ、半年や1年はなんとかなるが、ぼく自身の老いのほうも足早に進んでいる。そんな散歩を長くは続けることに自信がない。それだけに、成長したルイが勝手な動きをしないように躾けなくてはなるまい。
 
 もっとも、ぼくの衰えよりもはるかに速くシェラの老いが進み、シェラとぼくとの散歩の様子も変わってくるだろう。動作が鈍る分、散歩の時間はいまよりも余計にかかってしまうかもしれない。当然、若いルイと一緒はとても無理である。
 そうしたら、家人が連れていくルイの夕方はトイレ散歩程度ですませておき、夜、会社から戻って夕飯後にぼくが本格的な散歩に連れていくという方法もある。去年の春のころはむぎのダイエットのために夜の散歩をやっていたのを思い出す。

☆悩んでいる余裕はない

 ただでさえ運動させなくてはならない若いコーギーに、もう、運動とは縁遠くなりつつある老犬の散歩はどだい最初から困難だった。そんなことを考えずに、むぎを喪った悲しみに目が曇ってこんな簡単な予測さえできなかった。
 
 しかし、もう遅い。すでにルイはわが家の子になってすくすくと育っている。あとは、老犬シェラを守ることにひたすら腐心して行動し、若いルイに可能なかぎりつきあってやることだ。これを書いている足許をルイが疾走している。シェラはだいぶ前に寝室に引っ込み、おとなしく寝ている。
 
 かくのごとく悩みは深いが、ぼく自身も自分の身に迫った老いに追われているという紛れもない事実は無視できないはずだ。しかし、老犬と幼犬の間でなかなか難しい舵取りを迫られて、ぼくはうかうか老いぼれてなんかいるヒマはない。

 これも天国のむぎのおかげだ。むぎ、ありがとう!


ルイの一大事とシェラの豹変ぶり

2011-10-08 23:55:07 | シェラとルイの日々


☆ルイ用のリードを求めて 

 三連休の初日、ランチを兼ねて世田谷・二子玉川にあるドッググッズのお店へ向かった。目的は屋内用のルイのリードを買うためである。
 ルイをケージから出すと、すぐにシェラのところへいってしまう。シェラは嫌がり、吠えついて追い払おうとする。ルイにしてみるとそれが遊びになるらしく、喜んで全力疾走で走り回るのでヒヤヒヤする。
 
 昨日、ジュリーさんからのコメントで、貴重なアドバイスをいただいた。わが家にしてみると目からウロコのアドバイスである。
 ケージから出すときはリードをつけ、老犬にしつこくなりそうなときは飼主がリードで制御しなくてはならないというなんとも適切なご助言である。まだ、本格的な散歩は、三回目のワクチンの投与が完了する11月からと思っていたので、ルイ用のリードを用意していなかった。
 
 ほかにもクルマで移動するときにルイを入れておくクレートも必要だった。むぎのように、シェラのお尻を枕にして寝ることができほど、シェラがルイを受け容れてくれるとはかぎらないし、一緒にリアシートに乗っていることを認めてもらうには相応の時間がかかるだろうからドライブ用の何らかのアイテムが必要だった。

☆ルイを落として拾い上げたら 

 玉川高島屋S・Cガーデンアイランドには、二軒のドッググッズのショップがある。ルイのためのグッズの買物を「JOKER」ですませたあと、もう一軒の「DOG DEPT」へ移動した。ここにはドッグカフェが併設されている。

 シェラは、クルマに積んだままになっているわんこカートへ乗せ、ルイは抱いていったのだが、DOG DEPTで異変が起きた。
 ルイを膝に乗せて水を飲ませているとき、誤ってルイを床に落としてしまった。背中から落ちたルイを慌てて抱き上げたとき、木製テーブルの裏側でルイの頭をぶつけてしまった。 
 ようやくぼくの膝に乗せたルイの目が虚ろである。半眼で、意識がホワ~ンとしているのがわかる。
 家人が慌てた。
 「ルイが変よ!」
 ぼくもルイの異変には気がついていた。どうなっているかもわかる。脳震盪を起こしているのだ。ぼくも中学生のとき、柔道部で経験していた。
 朦朧とした意識の中で、それでもルイは少し水を飲んだ。見上げた根性である。
 
 帰りのクルマの中で、ルイは簡易型のクレートに入ってリアシートのシェラの横に置いてあった。ホームセンターやスーパーマーケットで買物をしている間の時間を含めると、けっこうな時間をシェラとルイは隣同士でいたことになる。
 その成果が帰宅して顕著になった。リビングルームに寄りつかなかったシェラが、迷いながらもリビングへ入ってくるようなった。
 ジュリーさんの助言に従って買ったリードをして遊ばせていたからだろうか、空のケージに二度ばかり近づき、においを嗅いでいた。

☆シェラにもぼくらにも必要な刺激 

 むぎがわが家にやってきたときもそうだったが、最初の一週間がシェラの惑いの日々であるらしい。むぎのときはここから心を開き、二匹は急速に距離を縮め、すぐに母と子の関係になってしまった。
 17歳にならんとするシェラにむぎのときの再現を望むのは酷だろう。おとなしかったむぎと違ってルイはすぐにシェラに跳びついていく。だから、ジュリーさんのアドバイスにもあったとおり飼主が制御してやらなくてはならないわけだ。
 
 これから二匹がどんな関係を築いていくのか、シェラを極力怒らせないよう、また、ストレスを与えないよう細心の注意を払いながらじっくり見つめていきたい。
 ジュリーさんのコメントによれば、若いわんこがそばにいるだけで、老犬も寝てばかりいるよりはいい刺激になるという。
 ぼくたち老夫婦も、常に緊張感を強いられるわけだからやっぱりシェラ同様に少しは老いの速度が鈍ってくれる効果を期待できるかもしれない。



 シェラとむぎを送ったら、もう二度とわんこは飼うまいと心に決めていたというのに、むぎのシェラよりも早い死によって、ぼくたちは狼狽し、哀しみから脱け出せず、ルイを迎えている。ルイは、いわばむぎからの贈物ですらある。そのルイがいてくれるおかげでぼくたちの老化防止に役立っていると心から思えるそんな日がやがてやってくるのを信じていきたい。
 
 それにしても、脳震盪を起こして虚ろになったルイの顔をぼくはずっと忘れずにいることだろう。かわいそうなことをしてしまったけど、いじらしいほど可愛かった。


愛人であり、恋人であり…

2011-10-06 22:26:27 | シェラとルイの日々


☆油断のできないルイ 
 脱力したようにして倒れたシェラに大事はなくてひと安心できたものの、シェラと新入りのルイとの関係が解決できたわけではない悩みが残った。
 シェラがルイを受け容れないまま一週間を迎えようとしている。ぼくたちが想像した以上にうまく運ばないシェラとルイの関係に胸を痛めていた。
 
 ルイがリビングルームの一隅に置いたケージの中にいるというだけで、シェラはリビングに入ってこない。以前は開け放ったベランダの前で外気を感じながらのんびり寝ていたいうのに、いまは寝室や玄関付近からこようとしないのである。
 シェラの姿を見るとルイが吠えるのがいやなのだ。キッチンの前にある水の入った容器のところまでくるのさえ、ルイから見える位置なのでひと騒動である。
 
 ルイもわが家に慣れたのだろう、だいぶおとなしくなってきて、会社から戻ったぼくがいてもケージから出してくれとせがむ頻度が減った。日々、聞き分けのいいわんこになっているが、いつまた豹変するか油断できない。なんせ、ケージの中であまりにおとなしくしているので、体調でも崩したのかと心配になってケージから出すと、たちまちやんちゃなわんこに変わってしまうからだ。

☆シェラよ、何を見ているのだ? 
 今日は、いつもより早めに帰れたので、夕食後、おとなしくしているルイをケージから出して遊んでやった。奥の部屋に避難していたシェラが顔を出してぼくとルイが綱引き遊びをしているのを眺めていた。 
 そんなシェラに気づいたルイは大喜び。シェラの許へかっとんでいった。たちまち、シェラに吠えつかれ、また全力疾走でリビングへ戻り、ひと回り走ると再びシェラの許へ……。そして、むろん、また吠えられられる。
 ルイにしてみればなんとも楽しい遊びだが、やられるシェラにとってはたまったもんじゃない。イラついているのがよくわかる。ただの威嚇ではなく、だんだん本気で怒りだした。

 適当なところでルイを捕まえ、ケージに収めると、シェラがそっとやってきてたっぷりと水を飲んだ。ルイとぼくの遊ぶ姿を見ていたわけではなく、水が飲みたくてのぞいていたようだ。気の毒なことをしてしまった。


 しかし、ぼくはもう悩んではいなかった。
 今日、いただいているジュリーさんとREONAさんのコメントのおかげである。レスコメにも書いたが、これからのち、シェラが寝てばかりの刺激のない生活よりもチビを怒ることで元気が湧いてくれば、それが生きる活力になってくれるだろうから。それを教えてくださったジュリーさんのコメントだった。
 REONAさんの「食べること=生きること」というフレーズも、ぼくの心に安心を植えつけてくれた。この食欲こそがシェラの生きる意欲の表れだと気づかせていただいた。

☆かけがえのないぼくのシェラ 
 この駄文を書くに当たり、自分の部屋へ入るために寝室の横を通った。ベッドの上でシェラが寝ていた(写真=上)。ぼくは寝ているシェラの横に座り、しばらく身体をやさしく撫でてやった。
 頬に自分の頬を重ね、「愛してるよ」といった。ぼくにとって、シェラは16年前に出逢ったときからずっと愛人のような存在のままである。「愛してる」という歯の浮くような言葉をごく自然に囁ける。
 
 むぎは恋人のような存在だった。抱きしめる度に、「なんて可愛いんだ」といってきた。数えきれないほど、抱きしめ、「世界一可愛い子だ」といってきた。
 男の子のルイに対しては、愛人や恋人のような感情を抱けるないという寂しさがある。それでも、頼もしい子になってくれることだろう。