暴れ過ぎて、「ああ、疲れた……」と座り込む
☆不覚にも大風邪をひいて…
今週のはじめから風邪を引いてしまって精彩ないことおびただしい。といっても、風邪を引いたのはぼくであって、ルイのほうはますます悪ガキ度を高めている。
精彩には欠けるが、毎朝、ルイの散歩をすませて、会社へは出ている。休みたくても世間の多くが年度はじめ(ぼくの会社は7月が年度はじめだけど)のせいか、何かと用事がある。
早めに帰ろうと思っているけど、やっぱりいつもどおり6時過ぎに会社を出る繰り返しである。夜のおつきあいと重要でないミーティングは来週に延期してもらった。おかげで、来週はかなり予定が詰まってしまった。
家に戻ると、着替えてから食事をし、ルイの遊びにつきあってやるけど、長続きしない。せいぜい30分、長くても1時間で睡魔に襲われてくる。風呂へ入れればいいほうで、ベッドへ直行のほうが多い。
風邪薬眠気を誘うのだが、ふだん、睡眠時間が足りていない分、こういうときにツケがド~ンとくるのかもしれない。おかげで今週は睡眠をたっぷりと取っている。
ルイのやんちゃは相変わらずだが、少しずつおとなしくなっているように思える。家人は、「とんでもない!」と即座に否定するが、精神的な成長にともなってやんちゃぶりもほんのわずかずつだけど確実に変化の兆しを感じる。
体力、知能、学習能力ともに成長を遂げた結果、勢いに任せた暴れん坊から、やってはいけないこと、やると損すること、とーちゃんにはかなわないことなどを覚えつつある。ひと言でいうと服従心が見えはじめている。
こんなかっこうでごまかしながらほんとうの狙いは別にある
☆ルイが苦手にするものがわかった
月曜日だったか、家人が、「ルイの苦手がわかったわよ。輪ゴムを怖がるの」というので、さっそく指に輪ゴムを巻いて見せると目を細めて逃げていく。ぼくも家人も輪ゴムでルイを撃ったことはない。これはてっきり、せがれがルイを輪ゴムでからかったに違いないと思った。しかし、大風が吹き荒れた水曜日に早退してやってきたせがれは、「そんなことするわけないだろう」とキッパリと否定した。
ゴムでパーンとやられたら痛いーーそれを洞察できるだけ成長したということであろう。
一方で、体力がアップしたために暴虐ぶりまでひどくなったことがある。一瞬にしてソファーの背もたれを破き、中綿まで引っ張り出してしまった。家人が目を外したほんのわずかな間だったという。
かつて、シェラがかなり高価だった革製のソファーをダメにしたことがある。シェラの晩年の何年間かのしわざである。そこに寝ようとする旅に、ちょうど地面に穴を掘るイメージで引っかいていた。さすが革製だけあって破れることはなかったが、革がたるんでしまい、当然、傷まみれになってしまった。
次に買った現在の安物のソファーは布製だったからかシェラの狼藉は陰を潜めた。ここでシェラが寝ているのを見たことがない。いまとなっては、ぼくが毎晩のように爆睡している安息の場所であるというのに、ルイが一瞬にして廃棄物に変えてしまった。とうてい修復は不可能なほどの破壊を受け、近々、粗大ゴミでおさらばとなった。
パソコンに向かっているぼくに自分のおもちゃをくわえて攻撃してくる
☆精根尽き果てるまで遊ばせてやりたい
知恵が付いたためにいたずらも狡猾になりつつある。粗大ゴミにしてしまったソファーには厚手の布を掛けて破れが箇所が見えないようしてあるが、ルイはさらにメタメタに破り、中のアンコを引っ張り出してやろうと虎視眈々と狙っている。何気ないそぶりでソファーに上がり込み、ぼくや家人が油断した隙に一気にソファーに襲いかかろうというわけだ。現に一度、目の前でそれをやった。
もうひとつ、いまだ無傷のひとり掛け用のソファーも危機に瀕している。背もたれについているボタンのような飾りを食いちぎってやろうと狙っているのである。このソファーにも何食わぬ顔で座り、ぼくたちの目が逸れる瞬間を待っている(写真2枚目)。
何か悪さをして、家人から怒られ、ぼくから「こらぁ~!」と怒鳴られるのがうれしくてしょうがないらしい。それをわかっていながら、いまなおぼくは、いたずらするルイに、「こるらぁぁぁ~~~~~!」と怒ってやる。瞬間、スイッチが入ったルイが走り出すのはいうまでもない。
ぼくの風邪を本復させ、そんな遊びでルイが精魂尽き果てるまで遊べるようにしてやらなくてはと思っている。
とはいえ、いまこの瞬間も最後の写真のようにルイの「遊ぼうぜ!」攻撃にさらされ続けたままである。