次のお寺は天皇寺です。
天王寺ではありません。
天皇に関するお寺かというと
まったくその通り。
崇徳天皇に関する
お寺なのであります。
81番の白峯寺で
荼毘に付されたとされる
「崇徳上皇」の遺体が
国からの指令が出るまで
安置されたのがこのお寺です。
この寺にはあまり近くに
バス駐車場がありません。
10分ほど歩いていくことになります。
しかしこの八十八カ所のお寺も
大変ですねえ。
バスの駐車場も整備しないと
いけないからねえ。
住宅街の中のお寺なら
こんな風に離れたところに
バス停があったりするんだよねえ。
まあ、もう雨も降ってないから
のんびり歩いていきましょか。
あ、これは予讃線の駅です。
「八十場(やそば)」と言います。
で、この八十場というのが
何のことかといいますと、
崇徳上皇の遺体を浸した
水のわく場所のことを言います。
次の79番天皇寺の近くに
この水場があるそうです。
見れるかなあ、
参拝の途中に近くを通らないかなあ
と期待しつつ歩いていきます。
静かな住宅街を、
巡礼者たちが静かに歩いていきます・・・
が、一人だけ「カポッ、カポッ」と
にぎやかに音を立てて
歩いている人がいます。
うう~doironでした。
長靴がねえ~こんな音を立てるのです。
横を歩いている白い帽子の人に、
にらまれつつ歩いていきます。
後でその女性に聞いたら
「きっと釣りが趣味の人なんやろなあ」
と思ったそうです。
「え~、巨大な石鯛が釣れますように」
とか
「伊勢海老が間違って釣れますように」
なあんていう祈願は起こしませんからね。
こうして一人だけにぎやかに
歩いて進んでいきますと、
正面に鳥居が見えてきました。
立派な三輪鳥居です。
ここが天皇寺です。
お寺の山門ではなく鳥居なのは、
白峰宮とその別当寺として
天皇寺があるからだそうです。
このお寺はまた書きますけど
保元の乱で敗れて
讃岐に流され、
失意のうちに46歳で
崩御された崇徳上皇ゆかりのお寺です。
境内のすぐ西には
今も駅の名前になっている
「八十場」の泉があり、
夏に亡くなった崇徳上皇の遺体は
この水場の水に浸され、
荼毘に付されるまでの20日は
まるで生きているようだった
といわれています。
また、この水場は神話の時代に
悪魚の毒に当たった
八十八人の兵士の命を
助けたといういわれを持ち、
空海はこの地を訪れ
水源のそばの霊木で
三体の尊像を刻んで
堂宇を立てたのが始まりなんだそうです。
だから、絵にかくのも
この鳥居がよさそうですねえ。
写真を数枚とってきたので、
それをもとに絵を描くことにしました。
静かな景色の中に
赤の鳥居は生えますねえ。
鳥居の柱の下の白い部分は
生きている人のためのものだと、
先達さんが説明されていました。
中に入って、
ここでも本堂と太子堂で
お経をあげます。
しかし、この日はとても風が強い。
ろうそくをつけるにしても
線香をつけるにしても
なかなか火が付きません。
みなさん建物の陰で
小さくなって火をつけてはりました。
こんなことを考えたら、
火つけ用のライターは
ガスボンベ風のやつのほうが
いいみたいですねえ。
今度来るときには
そういうライターを
用意しておきましょう。
おっ、ここが崇徳慰霊のための
白峰宮ですねえ。
さあ、ではこの西にあるという
八十場を見に行きましょう、
と思いましたが、
もうお参りを済ませると
先達さんはすぐにバスのほうに
向かっていきます。
え~、いかないの?
と思いましたが、
やはり仕方ないですねえ。
下手に外れて道迷ってもいけませんしねえ。
あきらめてまた「カポッ、カポッ」と
長靴を鳴らしながら帰っていきました。
次は78番郷照寺。
弘法大師空海の札所八十八か所で
唯一の周波である、
一遍上人の「時宗」を宗派とする
お寺である。
当初の予定では、
明日お参りとなるお寺ですが、
交通状況が順調なのと
名所も眺めずにせっせとお参りする
乗客のおかげで
前倒しで行くことになりました。
続く