年が明けました。だからと申してワタクシ的には何という程のこともないってことは,ここ数年来の通例なのでありますけれども,さはさりながら対外的・世間的にみますれば,とにもかくにもここは一応の区切りでございますからして,昨日も今日もそして明日も,一日一生,心機一転,皆々様におかれましては日々御清栄のこととお慶び申し上げ,いや益々の御多幸を心より祈念しております。 (頑張らない人も,頑張りたくない人も,ソレナリニ。。。)
と,そんだけでエントリーを閉じてしまうのも何ですから,年の初めの自転車ネタをチョットだけ記しておきましょうか。
年をとるのはステキなことです,そうじゃないですか?
忘れっぽいのはステキなことです,そうじゃないですか!
と,毅然として歌ったのは,若かりし頃の中島みゆきであった。さすがは生まれついての歌姫,当時まだ30才ソコソコだったと思うが,よくもまぁそんな風に達観できたものだと改めて感心する。しかり。今まさに我が意を得たり,というわけで,そこでは現在の私がそのまま歌われているのでアリマス。年を経るごとに我が体幹体躯が目に見えて衰退・劣化してゆく。我が脳内記憶装置がドンドンと収縮・劣化してゆく。そして,それらと歩調を合わせるようにして,我が自転車もジワリジワリと変質・劣化してゆくという次第であります。
愛車のMTB(Giant XtC850)も今年で8年目になる。平均して年間5~6千km程度は走っており,加えて結構ぞんざいな走りをしているとは思うのだけれども,いまだ完全に機能不全・停止となるまでには至らず,何とかかろうじて持ち耐えている。当盆地内にあるマエストロの店でオーバー・ホールをしたのは約3年前のことで,それによって一旦は息を吹き返したのだが,以後ふたたびジワリジワリと衰退の道を歩んできた,というか,デサンダントdescendanteにオフ・ロードを走りつづけてきた。
そろそろ引退させてやりたいな,という気持ちは正直ある。けれど,新しい自転車を買おうにも先立つモノがない。八方工面すれば何とかなるかも知らんが,たかだか自転車ごとき(!)にそれほどまでして金を掛けるのもイカガナモノカという意識が自らの根底にあることも確かだ。ボロは着ててもココロの錦(またかぃ!) はっきり申して自転車屋サンの,そして自転車マーケットの敵なンであります。
で,しばらく悩んだあげく,結論としては新しいタイヤを購入することにした。これまでにもMTB用タイヤは何度か交換しているが,メインはブロック・タイヤ,サブはスリック・タイヤを常用していた。現在は,ブロックがRAZER-MX(2.3インチ),スリックがツーキニスト(1.75インチ)というのを使用している(いずれもPanaracer製)。このうち,ブロック・タイヤの方がかなり摩耗劣化してきているので,新しいタイヤを思い切って導入することに決めた。
選んだのはシュワルベSchwalbeのセミスリック・タイヤSammy Slick(26×2.10)というやつである。このタイヤは比較的人気のある製品らしく,実際,私自身もこれまでに他人が使っているのを何度か目撃していたが,個人的にはその「見た目」が何だかハズカシイ感じがして,よもや自分がそんなモノを使うことは決してあるまいと思っていた。そのブツを敢えて購入したのである。どんな風の吹き回しか(宗旨替え?)。あるいは60の手習いか(新規チャレンジ?)。ま,要するに,年を取るのはステキなことです,って訳なのかな。すべては神の思し召しのままに,ってことなのかな。
購入に際しては,自らの乏しい蓄えを削るのであるから少しでも安い所を探さねばならん!ということで丹念にネット・サーチした結果,Wiggleの売価が最安だったので,去年のクリスマスにポチッと注文した。それが何と一昨日の1月2日にはもう届いた。いやぁ,実に早いなぁ。やはり年末のほぼ同時期にネット注文した別商品(自転車関係にあらず)がクロネコメール便で1月3日になってやっと届いたのだが,仙台からの発送とイギリスからの発送がほぼ同着だなんて,一体どういう配送システムじゃ。 クロイワ某,いや間違えた,クロネコ某は何をしておる!!
それはさておき。とりあえず昨日,タイヤを交換装着して試走に出掛け,まずは近所の羽根林道を登ってみた。自宅から林道入口まで2kmほどのアプローチは扇状地の緩い坂になっているのだが,その道を誰かに背中を押されるような感覚でスイーッと漕ぎ進んでゆく。ああ,とっても軽いなぁ,とリアルに感じた。そして,林道に入ってからの急坂も,これまでに度々おこなってきた修行のようなキツイ登坂に比べると,何だか気持ちの悪いくらいにスイスイ登ってゆけるのだ(当社比)。ゲキザカの誉れ高い羽根林道の勾配がチョッピリ物足りなくなってきた程だった(ウソですけど)。そう,タイヤを交換したのは実に正解であった。
さあて,これでこの先,もう少しは気持ちよく生きられそうだ。この邪悪に満ちた現代クルマ社会のなかで,逃げるように逸れるように,もう少しだけは生きてゆけそうだ。 ガンバッペ,フグズマ!