２０２２／０５／０４ 「抱きしめたい」

「抱きしめたい」

パム　（ナンシー・アレン）
ロージー　パムの友人。ビートルズのファン
グレース　パムの友人。ビートルズのファン
ジャニス　パムの友人。ビートルズに反発

ラリー　葬儀屋の息子
トニー　ポール似の友人。ビートルズ嫌い
ピーター　番組の入場券を持つ少年
リチャード　ビートルズ博士
エディ　パムの恋人

起：パムらはビートルズに会う為、ＮＹのホテルに潜入する。
承：警官に追い出されたりして苦戦する。
転：それぞれが番組の入場券を得る。
結：生でビートルズを見て感激する。

　人気絶頂のビートルズが、エド・サリバンショーに出演する為、米国を訪れる。
ファンである女性客はレコード店に殺到。
だが、恋人エディと駆け落ちする予定のパムは冷めた様子。
ジャニスは、ビートルズだけがチヤホヤされる事に反発。
ロージーとグレースは、ビートルズに会いたいと興奮気味。
グレースがホテルに潜入すると言い出し、パムも同行させられる。
　パムらは、葬儀屋の息子ラリーに協力を求める。
葬儀屋のリムジンを使い、ホテル客を装うのだ。
そんな中、ラジオでクイズに正解すると番組の入場券を得られると知り、
ロージーが慌てる。
だが、ビートルズの写真を撮りたいと言うグレースの意見を優先する事に。
　パムらはＮＹに到着。ホテルの前にはファンが殺到しており、警察が警備している。
同行したトニーがポール似だった為、ファンが本物と誤解して殺到。
その間にパムら３人はホテルに潜入するが、警官に見付かって逃げ回る。

　パムはエディにもらった指輪を落として２人とはぐれ、部屋から出られなくなる。
ルームサービスのワゴンに隠れて部屋を脱出。
ワゴンが続いて入ったのはビートルズの部屋だった。
ビートルズはいなかったが、感激したパムは、置かれたギターに触わりまくる。
残された食べ残しに触れ、食器をかばんに入れ、ブラシに残った毛髪にも興奮。
誰かが戻ってきたのでベッドの下に隠れるが、
入ってきたのがビートルズだと気付いて興奮は最高潮に。
　やがてパムは見付かり、盗んだものは取り上げられる。
だがそこまでやったファンとして特別待遇を受け、関係者から番組の入場券をもらう。
パムはマスコミに紹介され、ファンは彼女にサインを求める。
かけつけたエディは、この騒ぎにあきれ、連れ帰ろうとするが、
パムはビートルズが見たいと言って立ち去る。

　ロージーはビートルズの部屋にたどり着くが、既に退室したと知って失望する。
そこにいた男リチャードは、廊下のカーペットを剥がしており、
ビートルズがその上を歩いたとして持ち帰る気だ。
警察に見付かり、ロージーはホテルのリチャードの部屋へ逃げ込む。
　ロージーは意気投合するが、リチャードが勝手に部屋に居座っていると判明。
警官が乱入し、摘まみ出されてしまう。
　ロージーは最後のクイズに正解し、番組の入場券を手に入れる。
エレベーターに閉じ込められてしまうが、そこにはリチャードもいた。
リチャードは入場券が手に入ったと知って興奮。強引にエレベータから脱出する。

　グレースは番組のスタジオに侵入しようとするが、警備員に追い出される。
警備員に頼み込むと、５０ドル渡せば裏口から入れると言う。
　グレースは、ビートルズが使ったシーツと称して端切れを売るが、
量販店のものだとばれて、金を取り戻されてしまう。
　グレースは番組だけでも見ようとホテルの部屋に潜入。
だが、男性客が娼婦を呼び、クローゼットから出られなくなる。
クローゼットを飛び出したグレースは、
奥さんにばらすと脅して、男性客から金を奪い取る。

　ジャニスは、コネで番組の入場券を手に入れたと言うピーター少年と知り合う。
入場券は父親が持っており、長髪を切ればもらえると言う。
ピーターは父親に捕まり、床屋へ連れていかれる。
乱入したトニーが病人を装って倒れ、
父親が救急車を呼ぶ間に、入場券をいただいて退散する。

　ロージーらがスタジオに到着。ジャニスやパムとも合流する。
　グレースは裏口から入るが、ラリーが交通違反で警察に捕まる。
グレースは警官に５０ドルを渡してラリーを助け、入場は諦める。
　トニーは番組の放送を妨害しようとしていた。
ジャニスはそれに気付いて止めようとする。
トニーはアンテナを破壊しようとするが、落雷で斧が壊れてしまう。
　番組にビートルズが現れ、観客席のファンたちは絶叫。
ロージーは失神。パムは感涙する。
ジャニスらもスタジオに戻り、結局ビートルズの演奏を見届ける。
　スタジオに入れなかったグレースは失望していたが、ラリーとのデートを約束する。
スタジオを退散したビートルズは、迎えのリムジンと誤解してラリーの車に乗り込む。
ファンが殺到するが、リムジンは走り去り、
グレースは念願の写真撮影を成し遂げるのだった。

　と言う訳で、ロバート・ゼメキスの監督デビュー作。
ビートルズが米国へ来た時の大騒ぎを描く話。
エドサリバンショーに出演する為、ビートルズが米国を訪れ、ホテルに泊まる事に。
熱狂的なファンたちは、一目会おうとホテルの周囲に殺到する。
主人公である４人組の娘たちは、２人が熱狂的なファン、
１人はむしろビートルズだけがチヤホヤされる状況に反発。
最後の１人ナンシー・アレンは、ビートルズは好きだけど、熱狂と言うほどではない。
この４人が、ホテルの周囲で悪戦苦闘。
意外にも一番接近できたのがアレンで、偶然ビートルズの部屋に侵入してしまう。
途端に宗旨替えして、ブラシの毛を集めたり、
ビートルズが使ったらしきカップを集めたり。
そこに描かれるのは、まさに近年ストーカーと揶揄される熱狂的ファンの姿だった。
警官に見付かって追い出されるが、ファンたちには英雄のように称えられる。
最初の内、アレン以外の３人の区別がつかなかったが
観ている内に、それぞれの目的が少しずつ違う事がわかってきて面白い。
アレンは「キャリー」や「殺しのドレス」とかとは違う雰囲気で、可愛らしい感じ。