平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

これだけは揃えたい水彩絵の具

2013-07-02 05:12:42 | 芸術
 前回に続くと書きましたが、リンゴの着彩を続けてしまうと、途中の段階の参考作品がなくなってしまいます。途中でも、一枚の絵として鑑賞に耐えられる完成度。それに立体感や空間や鮮度の高い美しい色彩。これらを観てもらうために、あえて途中で止めることにしました。本画は置いてあるリンゴを見て行います。

 ということで、今回は水彩に使う顔料の話です。透明水彩絵の具はホルベインが安いのですが、特に赤系統に物足らなさがあるので、高価なウインザーニュートンで補います。

 ホルベインは30色のセットが便利。この中で、ヴィリジャンと書いてあるグリーンは絶対に使いません。自然界にはない色だからです。もっとも、工業製品のどぎついグリーンには使うことはありますが、植物には絶対に使ってはいけません。ひと塗りで下品になります。

 ウインザーニュートンですが、特にバラやリンゴを描く時に、この色でなくてはならないと痛感します。例えば、識別番号576 ローズドーレ、587 ローズマダージェニュイン、448 オペラローズ、489 パーマネントマジェンタ、502 パーマネントローズ、などの赤系統。ローズドーレとローズマダージェニュインはとても透明度が高いので、上塗りしてごまかそうとしても無駄となります < `∀´ >。

 グリーン系ほかでは、460 ペリレーングリーン、638 テールベルト、190 コバルトターコイズ、140 セルリアンブルー、672 ウルトラマリーンヴァイオレットなどなど。

 ブルー系は少ないですが、これは風景画に必要なもので、花やリンゴを描くときは下塗り程度にしか使わないのでホルベインでも大丈夫です。風景画で凝りたい人は揃えればよいでしょう。

 また、グリーンもオーレオリンとブルー系との混色で幅が出ますし、透明水彩だからパレット上で混色してはいけないという事はありません。それから、絵の具は仕切りのあるパレットの枠に適当に絞り出しておきますが、乾燥しないように枠の奥に表面積が小さくなるようにします。受験生は毎日使うので大型のパレットにどっぷりと出して使いますが、僕はプラスチックのパレットに少しだけ出して使っています。パレットが汚れてきたら、水道で流しながら、汚れた部分だけ洗います。絵の具は無闇に流さないように。

 筆は水彩用のものよりも、高価ですが日本画の筆が良いです。彩色と削用(さくよう)と面相が中小2本ずつ。それに平筆か刷毛があれば大抵のものは描けます。筆をつなげた連筆も便利ですが、高価なので日本画向きです。水彩では特に必要ありません。

 今は知りませんが、昔のデザイン科は大きな筆一本で描いていました。僕たち日本画がデザインの着彩に影響を与えて、日本画の筆を用いる生徒も出て来ました。今はどうですかね。しかし、大きな筆で全てを描くという発想自体が馬鹿げています。全員、疑問を持つということを知らないのでしょうか。

 なお、試聴会まで間があるし、実物を観てもらう手段としてレンタルを行うことにしました。往復の送料で一週間単位とします。いちいち僕の所に戻されるのは面倒なので、SNSメンバー間は順番を決めて、連絡を取りながら行なってください。

    エフライム工房 平御幸
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リンゴの着彩(水彩)

2013-06-29 06:32:57 | 芸術
 リンゴは美術系大学の入試では一般的な課題で、芸大の日本画でも着彩かデッサンのどちらかで出てきます。しかし、予備校の参考作品に見られる入試用のリンゴの着彩は、いわゆる厚塗りで、色彩に透明感がありません。

 一般に、入試でも透明水彩が使われるのですが、下地が見える透明水彩は使い方が難しく、重ね塗りの過程でミスがあれば、そのミスが最期まで尾を引く事になります。それで、透明水彩を厚塗りすることで、あるいは不透明なホワイトを混ぜることで、少々の失敗を取り返せるような技法が好まれるのです。だから、予備校の参考作品には輝きがなく、鈍重で色彩のデリカシーのないものばかりとなっているのです。

 僕もホワイトは使いますが、それは明るいけど彩度が低い部分や、意図的に濁った色を用いる場合に限られます。ホワイトを薄く使うと引っ込む。この習性を知っていれば、空間や立体感の表現に幅が出るのです。

 ということで、まずは鉛筆でデッサンですが、あとで色を塗ることを考慮して、鉛筆でのトーンは必要最小限にとどめています。この段階で鉛筆で描き込み過ぎると、鉛筆を消すための厚塗りとなり、輝かしい色彩は望めなくなるからです。


今回は眠かったこともあり、少し大きくなった orz
でも縮小コピーがあるからケンチャナヨ


 鉛筆デッサンが出来たら、最初にレモンイエローで明るい部分の下塗りをします。透明水彩の赤系統は、下地がイエローなら鮮やかな赤になるのです。ただ、イエローが強すぎると、消防車や消火器のような真っ赤になりますから、濃度には注意が必要です。



 次に、リンゴの芯の周辺などの緑色を少し塗り、影や遠くの部分などの彩度の低い所に、紫を少々塗っておきます。先に塗ったイエローと紫が重なると、いわゆる補色同士の組み合わせなので濁ります。これを効果的に使うにはデッサン力が必要です。なお、紫と緑を混ぜると黒っぽくなるので、これを陰影に効果的に使うと上品になります。白い花の花脈などに効果的です。



 下塗りが乾いたら、ヴァーミリアンやローズマダーや、クリムゾンレーキなどでトーンや模様などを少しずつ描いて行きます。この時に、塗る感じではなく、絵の具を置くように、あるいは絵の具でデッサンをする感じが掴めれば大きな破綻はありません。続く。




スキャナーで取り込んだもの(他の画像はビデオカメラでの写真モード)

 なお、画像をアップしてから驚いたのですが、gooのプログラムのせいか、実物とは全く違うドギツイ色彩になってしまいました。本物(右)は色の濃さは画像の1/3くらいです↓。それでも微妙な色彩は全部飛んでいますが。↑黒枠を付けると勝手な画像処理は行われない模様。色の薄い画像は濃くするみたい。余計ニダwww。



 ということで、エフライム工房に画像を置きました→こちら
http://www.geocities.jp/atelier_efraym/ringo-01.jpg

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コスモスの取り込み

2013-06-18 20:06:05 | 芸術
 名古屋の試聴会で披露したコスモスの絵の取り込みをしています。まずはスキャナーで、補正なしとsRGB 鮮やか最大補正 の2枚です。


補正なし


sRGB 鮮やか最大補正


 モニターによって色合いが違って見えるし、同じ三菱でも22インチより27インチの方が実際の色に近く見えました。やはり、液晶の方式がIPSの、27インチの方が再現性に優れています。

 この後にデジカメで写してみて、より自然な方をプリントしてみようかと思います。切手にするには編集が大変ですが、切手も考えています。

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新春クラシックスペシャル2013 巨匠フェドセーエフ

2012-12-28 23:17:03 | 芸術
 1月3日にテレビ朝日で放送予定の、『新春クラシックスペシャル2013 巨匠フェドセーエフ』。早朝4時25分~5時50分の放送ですが、チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』が演奏されます。

 この番組ではかつて、旧ソ連時代最後に、フェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団の演奏で放送されたことがあります。このモスクワ放送交響楽団が改名したのが、今回のチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラです。昔のメンバーがまだ残っているかもしれません。

 昔の放送では、ボロディンの『ダッタン人の踊り』が秀逸で、後にも先にもこの演奏を超えるものを聴いたことがありません。また、チャイコフスキーの『花のワルツ』も良かったですね。生憎、ベータのビデオテープからダビングしたカセットテープがメタルだったので磁性体が剥離し、ドロップアウトやノイズが出てしまいます orz。

 フェドセーエフの指揮は、一言で言うと重厚で、いかにもロシア的な力強さに満ちています。反面、メロディを細やかに歌うので、情緒深く繊細でもあります。オーケストラの特徴としては、管楽器と打楽器のレベルが高く、難曲である今回の『悲愴』も期待できます。

 ただ、フェドセーエフの年齢が80歳との事なので、それがちょっと心配です。テンポが遅くなりすぎなければ良いのですが。なお、元旦の教育テレビではウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート2013が放送されますが、プログラムの中にワーグナーの楽劇『ローエングリン』から第三幕序奏が見えます。ローエングリンは白鳥の騎士。真央ファンには目出度いですね。

 というわけで、フェドセーエフの録画をヨロピク。

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ドボルザーク 交響曲第8番

2012-10-20 00:35:31 | 芸術
 バラの本画も何とか完成しそうなので、余裕を漕いでクラシックのマイブームを紹介します。ドボルザーク作曲『交響曲第8番 ト長調 作品88』。

 この曲は、終楽章の主題が「コガネムシは金持ちだ」の旋律に似ていると、芸大寮で吹きこまれた悩ましい曲。コガネムシの呪縛から解き放たれるには、名演奏でイメージを刷新しなくてはなりません。とは言っても、手持ちはMXTVで放送された、カラヤンとウイーン・フィル盤しかありません。 

 ウイーン・フィルのメンバーは、カール・ベーム来日公演から10年近く経ており、より成熟した全盛期の趣があります。カラヤンは晩年で、FM誌でも振り間違いが目立つようになってきたと評価されている頃です。確かに、フィナーレの辺りでは指揮と演奏が若干ずれています。でも、この時期のウイーン・フィルなら、誰が振っても崩れるようなことはなかったと思います。

 僕がこの曲で一番好きなのは、第三楽章のワルツです。愛する人と一緒に踊りたいワルツという選択肢があれば、迷わずに一番に推すと思います。情熱的で美しく、そして優雅で情感たっぷり。DVDに焼いたので見てもらった人もいますが、アマゾンの評価も良いので、安心して推奨できます。

 ワルツは難しいと思っている人は多いですが、ズン・チャッ・チャの三拍子という固定観念がダメなのです。クラシックの三拍子は、乗馬の三拍子から来ているので、基本的には二拍子なのです。馬が首を前後させる二拍子に、足の運びの三拍子が加わった感じです。

 だから、ワルツでリズムを取るときは、手を波のように前後に動かす二拍子か、円を描くような二拍子に、最後だけチャチャとアクセントを加えると良いのです。「ズン・チャッ・チャ」ではなく、「ズン チャチャ」の二拍子の感じ。これで三拍子のワルツとなります。あとは緩急のテンポに乗るだけです。

 競馬で、最後の直線で騎手が追う時に、手綱を持った手は前後の二拍子。でも、ムチは馬の足の運びに合わせるので、自然に三拍子になります。芝が深くて体全体で追わなくてはならない欧州の競馬では、このアクションが見せ場となります。腰まで前後させて馬のスタミナを引き出すのですから、リズム感が悪いと馬に負担をかけてしまいます。

 芸大のコンニャク体操で、足と腕を二拍子と三拍子で別々に取るという訓練がありました。あるいは、左右の腕で片方が二拍子、片方が三拍子とか。最初は別々でも、2×3で6拍目には同じになります。

 ベームの来日公演のDVDでも、アンコールで『美しく青きドナウ』が演奏されていますが、さすがにウインナワルツの本場です。ただ、ヨハン・シュトラウス自体が音楽家としてはイマイチなので、どうしてもアンコール向きの位置に座ることになります。子供のいる家庭向きですね。時として子供が邪魔なカップルは、やっぱりドボルザークです。

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フルートの名曲

2012-05-10 04:50:19 | 芸術
 名古屋の試聴会が本決まりとなりました。場所は昨年と同じです。詳しい内容は、21日の金環日食が終わったあとで掲載します。

5月26日 土曜日 13:00~16:00

 時間は午後になっていますが、会場は午前から使えるので、搬入が終わったら午前の部が開催です。時間の都合で午前の時間帯しか来られない方は、申し出て頂けば、モニターするスピーカーや曲を優先的に割り振ります。午後は基本的にプログラム(未定)通りです。

 使用するスピーカーは、マグネシウム振動板のスーパーミカエル、ガブリエル、スーパーガブリエルがメインですが、今年のテーマである反転攻勢から、読者設計制作のバスレフも披露されます。それから女性読者制作の試みのミカエル。ウリのケルビムジュニアも参加するかも。いずれにしても、バスレフは、太陽の磁極が北半球だけ反転したのと変にシンクロします。

 パワーアンプの予備にヤマハのB-2を予定していたのですが、昨日の午後に、名古屋のスーパーミカエルに使っていたフィリップスのアンプが壊れたと連絡あり。「そろそろ壊れる頃だと思っていたニダよ ホルホル」と言うわけで、先立ってB-2とプリアンプのC-6を名古屋に送ることになりました。重いのでギックリ腰に注意汁。

 さて、随分前に紹介したNHK FMの『フルートの名曲』ですが、ようやく当時のFM FANが入手できて、放送した番組とプログラムが判明しました。曲は全部記憶と一緒だったのですが、最初の曲は演奏者が違いました orz。

1990年10月8日 午前7:15 マイクラシック <フルートの名曲(1)>
❶フォーレ/幻想曲 Fl:ジェームズ・ゴールウェイ 指シャルル・デュトワ/ロイヤルフィル ©B R32C 1173

❷イベール/間奏曲 Fl:ペーター・ルーカス・グラーフ G:コンラート・ラゴスニヒ ©K K32Y230

❸フリードリヒ大王/フルート協奏曲第4番ニ長調から 第2楽章 Fl:ジャン・ピエール・ランパル ジャン・ピエール・ヴァレス/パリ室内管弦楽団 ©Cs 32D C873

❹グルック/歌劇「オルフェウス」から 精霊の踊り Fl:ウォルフガング・シュルツ Pf:ヘルムート・ドイチュ ©To C E25-5693
❺ビゼー/「アルルの女」 第2組曲より Fl:ウォルフガング・シュルツ Hp:マリア・グラーフ  ©To C E25-5693

❻ドップラー/ハンガリー田園幻想曲 Fl:パトリック・ガロワ 指ジャック・メルシェ/ルクセンブルグ放送管弦楽団 ©V VD C1147
❼広瀬良平/午後のパストラル Fl: パトリック・ガロワ 指エマヌエル・クリヴィン/南西ドイツ室内管弦楽団 ©V VD C1147

❽ジュナン/ヴェニスの謝肉祭 Fl:ウォルフガング・シュルツ Pf:ヘルムート・ドイチュ ©To C E25-5693

話 : 小林洋子

 この中で手に入らないのは、2曲目、3曲目、4曲目、5曲目、8曲目、の5曲ですが、テープの残りが少なくて途中で切れたヴェニスの謝肉祭を除き、シュルツの吹いた中で、4曲目の精霊の踊りと、5曲目のアルルの女・間奏曲は是非とも聴いてもらいたい演奏です。手に入らないので代替としてラリュー盤を推薦していますが、記憶がフラッシュバックして、SNSでもラリューをシュルツと間違ったりするほどです。オリジナル盤は、ポピュラー・フルート名曲集(THE BEST OF POPULAR FLUTE MUSIC)というみたいですが、こちらのサイトの下の方で紹介されています。

 手に入らない中で、気になるのは3曲目のフリードリヒ大王の曲です。いろいろと探してみたのですが、見つかるのはフルートソナタばかりで、協奏曲の第4番は見つかりません。レーベルは米ロンドンのようで、アメリカなら見つかるかもしれません。アメリカのアマゾンなどで入手できる人は以下のキーワードで探してみてください。プレミア価格でなければ費用は持ちます。ただし、演奏者はランパルに限ります。

Frederick II
jean-pierre rampal
Flute Concerto No.4 in D
ドイツ語 Flötenkonzerte

 この曲は大したことはないのですが、放送内容と同じオムニバスのCDを自家用に作ろうと思っているので、ないと気持ち悪いのです。大半の人は聴いてがっかりすると思いますが、おっとりした曲をいまだに覚えているということは、それなりに個性があるということでしょうか。シュルツの方は、もしかして何処ぞの図書館にあるかもしれず、読者の皆さんの情報に期待します。

 僕がランパルと間違えて記憶していたフォーレの幻想曲。ジェームズ・ゴールウェイのフルートは脂っこく、肺活量が無駄に大きいせいか、息継ぎをしないで次の小節に入るというクセがあります。親日家のせいか演歌調です。僕はこれが嫌いで、それでゴールウェイのCDは持っていなかったのです。ところが、この曲だけは練習曲という性格のためか、それこそお手本のような演奏になっています。それでいて情感たっぷり。「他の曲もこのように吹けよ」と小一時間。CDは手に入ったので、そのうち紹介できるかもしれません。

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ハフナーセレナーデの羇旅(きりょ)

2012-01-14 02:25:47 | 芸術
 モーツァルトの最高傑作の一つである、セレナーデ第7番K.250「ハフナー」は、ハフナー家の結婚式のために書かれた事から、ことさらに楽しい音楽とされてきました。でも、僕が感じるのは「羇旅」という、『万葉集』のテーマの一つに近いものです。決して、楽しい婚礼を盛り上げるためだけの音楽ではありません。

 羇旅というのは、旅のことを指す言葉ですが、羇(き)は羈とも書き、羈の中に馬があることから、馬に関する言葉だと推理できます。意味は「手綱で繋ぎ留める」ですから、旅でも馬を休める必要のある長旅を指すのだろうと思います。生涯の1/3を旅に費やしたモーツァルトは、羇旅の歌を歌わないわけがありません。

 当時の旅行はクッションの悪い馬車ですから、その過酷さは、僕が経験した蒸気機関車による長旅(板敷きの椅子)の比ではありません。しかも、盗賊を避けるために夜は疾走しなくてはなりません。ただでさえ悪い道を、田舎のバスの何倍も揺られて通ったのです。

 しかし、モーツァルトは旅が嫌いだったのでしょうか?僕は、モーツァルトの音楽の中から、最悪のことすら楽しめる感性を見るのです。例えば、ハフナーの第一曲目は4/4拍子で始まりますが、馬車を引く馬がスタート時に歩くときも4/4拍子ではないのでしょうか。

 1小節目と2小節目が馬車のスタートの合図。そこからファゴットとオーボエによる馬のいななきが続き、徐々にスピードを上げて行きます。そして、スピードが乗ると共に石畳の振動が伝わってきます。街から離れるときはちょっとセンチになるけれど、旅先では待っている人を思うと心が浮き立ってくる。

 そんな楽しい旅も、ジェットコースターのような上り下りの連続でスリル満点。天国に昇ったかと思うと地獄に真っ逆さまのような音符の連続。僕が一番好きな第六曲目は、馬がギャロップで走る順調な旅。少し尖った山並みが続く車窓の景色は、澄み切った高原の空気の中に牧畜の農家が点在する。

 山の端の空が浅葱色に変わって行く、なんて神々しく美しい景気だろう。ふと目線を近くに移すと(89小節目)、農家の結婚式が間近に迫ってくる。可愛い娘さんと新郎が着飾って祝福されている。これから訪れるザルツブルクのハフナー家の豪華な結婚式とは違うけど、どうか二人と村の人に幸多かれと願う。でも、もう旅の先へ急がなくてはならない。急げ急げ、到着を待ち焦がれている人がいるのだから。


全音楽譜出版社より、第六曲目アンダンテ 
赤で囲んだ89小節目 この2小節後から一番美しい旋律が続く


 モーツァルトの音楽は、どんなときでも「人」が存在します。常に人に関心を持ち、善悪を超えた所で人という存在を愛する魂。人に無関心な人は、モーツァルトの真の価値に気が付くことはないでしょう。人から神になるための人生。一番大事なのは人に関心を持つこと。そこから、本当の苦しみが生まれ、その苦しみを克服する強い魂が形成されるのです。

 古典派以降の作曲家は、モーツァルトに比べれば自分のことにしか関心のないナルシシストに感じます。美しいものに感動できるのは美しい心を持った人だけ。そのような人は、僕とも違ったモーツァルトを発見して、人生と魂の糧にするでしょう。

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力を抜くこと~ヨッフムのハフナー

2012-01-13 14:10:52 | 芸術
 元旦に書いた、学生時代に聴いたモーツァルトの交響曲第35番ハフナー。1974年3月18日放送のトスカニーニ指揮をシューリヒトと間違って書いていて、コソーリ修正。シューリヒト盤に遭遇してゲットした読者は、ラッキーだったのか不運だったのか?

 同年同月26日放送のオイゲン・ヨッフム指揮はCDが手に入ったので、早速聴いてみて、おそらくこれだろうと判断。当時はモノラルのラジオだったので、迫力満点のバックロードホーンで聴くのと全く印象は異なります。でも、演奏スタイルから間違っていないような。

 ハフナー交響曲というと、僕の脳にはワルター指揮の盤がプリンティングされているのですが、ワルターのはちょっと荒くて不満に思っていました。ヨッフムの第二楽章は、力が抜けたと言うか、とても滑らかで繊細です。録音自体は余り良くなく、中低音が強調された、ややボン付いた感じで、低音不足の小型システム向きになっています。

 第二楽章はヨッフムの滑らかさ。第三楽章のトリオはワルターの方が美しいですね。一長一短ですが、当時才気にあふれて力んでいた僕には、ヨッフムの演奏のほうが向いていると神様は判断されたのでしょう。ちなみに、前に紹介したボスコフスキー指揮のハフナーセレナーデは、白亜のマルスを描く数カ月前に録音されたものでした。

 力を抜くというのは、芸大の体育の時間にコンニャク体操で教わっていたのですが、それを絵の中で実践するのは難しいことでした。右から見ると怒った顔。左から見ると笑っている顔。このような不思議な絵は、モーツァルトの音楽という霊感の光の中で生まれたのです。時間がなくて、コスチュームは目の前のトックリのセーターで誤魔化しという黒歴史もありますが、この絵が友人に刺激を与えてレオナルドの模写をやらせたのです。


35年前の写真なので色が抜け落ちているけど、オリジナルは肌色がリアル

 ということで、今回のヨッフムほかはSNSの方で希望者に分けています。お金のある人は日本の経済に貢献するためにCDを買うのは良いことです。しかし、絶版で手に入らないものは、コピーして聴いてもらうしかありません。貴重なCDが復刻されるように、みんながもっと音楽に関心を持つ世の中になって欲しいと願っています。次回は、ハフナーセレナーデの美しさの我的分析にしようかな。

SNS連絡事項 精霊の踊りの演奏者がシュルツではなくてラリューだったので、申し込んだ人は再確認よろしく。

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白亜のマルス

2011-10-26 12:40:26 | 芸術
 花王の株が11時現在で5%の暴落。日経の平均より4%も悪い、明らかな売り銘柄となっています。何が投資家を落胆させたんでしょう(棒)。不買はやはり効果満点です。ちなみに、現在の不買人口は最低でも200万人を超えていると思います。購買に関わる年齢層の女性は4000万人ですから、昨日の分析の5%と一致しています。

 昨日の市況の掲示板で、分かりやすい分析がありました。キャプチャーして紹介します。


右側が切れているので右クリックで画像を表示

 この中で、在庫が26.5%、原材料の貯蔵が21.1%増えています。在庫が増えたので生産が滞り、原材料がだぶついていると分析されています。これから見ると、現在は5%程度の落ち込みがすぐに20%~25%へと拡大すると予想されます。その場合の不買人口は最大1000万人を超えます。というか、実質的に今現在で1000万人を超えているのでしょう。花王は大変なことになりますよ。

 ところで、白亜のマルスが掲載された『美術手帖』が届きました。見開きの二面を使った新宿美術学院の広告に、懐かしいマルスの石膏デッサンが使われています。ちゃんと一番とあるでしょう。この年の新美の油絵科は、芸大の過半数を独占したほど勢いがありました。その中で日本画(当時はデッサン科所属)の僕がトップですから、先生も仲間もみんな驚きました。




石膏デッサン マルス 出来るだけ離れた遠くから見ること(形が浮かび上がってくる)

 というのも、それまでの僕はマルスのデッサンとは正反対の泥臭く描き込む毎日でした。油絵科の先生の教えを無視するような描き方をしていたので、全員が僕に騙されたのです。このコンクールは2日制でしたが、昼に地下食堂の皿洗いを頼まれていたので、僕の製作時間は他の生徒よりも合計1時間も短いのです。ですから、全く無駄なく描くことが完成の絶対条件です。僕はそれをやり遂げたのです。ちなみに、この時の油絵の方も日本画の辻さんが一番でした。油絵科よりも日本画のほうが感性が豊かなんですね。

 平常の僕は、描き込みすぎるくらい描き込んで、いわば試行錯誤の実験をしていたのです。しかし、他の生徒は先生に褒められるように描き、冒険も実験もない毎日でした。この差がコンクールという、いつもの3日より時間の短い場で差として出たのです。もっとも、描き込むことのできない生徒はダメなんですけどね。先生がストップをかけるくらいに描き過ぎるタイプ。このほうが伸びるのです。

 白亜のマルスですが、光と影が織り成す陰影の流れが、まるで音楽が聞こえてくるようなリズムで描かれています。細部には手直しをしたい所は散見されますが、ほとんど測らないでフリーハンドで描いた心地よさ。一度でも石膏デッサンをしたことのある人なら、フリーハンドでスラスラと描く難しさは理解できると思います。その上で、トーンや空間や光の流れを描いているのです。

 このデッサンはクロッキーの延長にあり、ピカソやレオナルドの線描と同じように自由に手が動いているのです。当時は、モザイクが集まったような、面張りと揶揄されたデッサンが主流でした。それを壊してフリーハンドの自由さを与えたのが僕なのです。ですから、僕の革命は今の学生にも影響を与え続けているのです。

 僕は教えるのが上手だったので、同じ日本画だけでなく、デザインや油絵科の学生にも教えていました。難しく教える先生は失格なのです。本人がよく分かっていないから難しく教える。生徒の方も難しく考えるタイプは伸びません。屁理屈ではなく、極めて合理的に観察して、極めて合理的な技術で描くのがデッサンなのです。モーツァルトの楽譜のようにシンプルで美しく。

 ということで、難しく考えて行動力が無くなるタイプは反省汁。難しく考えるタイプはビクビクして、すぐに無駄に落ち込むから…。落鮎のように、水が流れる方に考えが進めば良いのです。みんなはきっと努力家だから、逆らって登る鯉の滝登りが好きなんですねぇ。ウリのように、頭の中の80%が遊びでできていれば、「遊び=自由」が理解できるのです。

参考 石膏デッサン マルス 画像検索

      エフライム工房 平御幸
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最後の音楽

2011-10-10 22:37:52 | 芸術
 以前に紹介したジューズ・ハープ(Jew's harp=口琴)ですが、その分布を見ると、滅亡した古代イスラエルの民の足跡と確かに重なります。祭司コーヘンの異体であるハンやフンからフン族のハンガリー。これは北回りのイスラエルです。ロシア北方のヤクートやサハ共和国、あるいは北海道のアイヌに至るルートです。対して、南回りのイスラエルからは、インドからフィリピン台湾に拡散し、日本でも平安時代の遺跡から出土しています→氷川神社東遺跡出土

 口琴は弾くものと糸で引っ張るものの二種類ありますが、金属製か木製かにかかわらず、音に独特のうねりを生じるためか、つい聴き入ってしまう麻薬的な効果があります。おそらく、脳の働きに影響を与える揺らぎがあるのだと思います。脳波の波長が下がるのでしょう。

 口琴が何かを表現しているとすれば、自然の音や動物の鳴き声などです。しかし、日本人が持つ口琴に対するマイナーなイメージとは裏腹に、本場ではマスターが認定され、またコンサートや集団合奏などの音楽会もあるのです。僕はそれらの幾つかの動画を見て、地球上に残された最後の音楽ではないかと思うようになりました。アフリカの音楽もカリブ海の音楽も、世界的にメジャーになって久しいですからね。残るは極寒のヤクートやサハです。

 ということで幾つか紹介しますが、僕が気に入っているのは無声映画に効果音として使っている動画です。またマスタークラスの演奏者による名人芸も良いですが、PAを使っているので音はイマイチですね。なお、ミニミカエルを作っているのですが、疲れのためか集中力がなくて補強板の位置に間違い orz。パソコンが余りに重いから、昨晩はハードディスクの数を半分に減らすためにデータ移動。サクサク動くようになったので、リスモ携帯にモーツァルトを転送するニダ。

無声映画
Ольга Подлужная (хомус) группа Страна 03 (Дарбука)
http://www.youtube.com/watch?v=o-BFmPDuGuQ&feature=player_embedded

Jew's harp vargan homus hand-made Варган хомус ручной работы
http://www.youtube.com/watch?v=JQhCnhdCeW8&feature=related

Pimpadooing
http://www.youtube.com/watch?v=JQhCnhdCeW8&feature=related

Ayarkhaan
http://www.youtube.com/watch?v=Wg4Fwbo7tkg&feature=related

Айархаан на ЫhЫАХ
http://www.youtube.com/watch?v=USnNxc8Ccgo&feature=related

歌入り
"Айархаан"- Sayan Ring- клип 1
http://www.youtube.com/watch?v=DRwX-wh4i6o&feature=related

Ханты-мансийский варган - супертетушка

http://www.youtube.com/watch?v=w1Czj_mZGMI&feature=related

Khomus player Fiodorova Natalia
http://www.youtube.com/watch?v=i_u1mNQRCxM&feature=related

Рекорд игры на хомусе в Якутске
http://www.youtube.com/watch?v=ifRPooB_00g&feature=related

無声映画の動画を発見したヤクートのサイト

http://eyakutia.com/
http://eyakutia.com/tag/music/


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世紀の名演奏

2011-07-02 02:08:05 | 芸術
 6月14日のミカエル改良型は、古い読者である蒲郡の真央らぶさんの所に届けられました。でもSNSで、留守の間にお婆ちゃんが民謡をかけているとの日記。そのお婆ちゃんの評価ですが、「音が凄く柔らかい。初めてこの曲が柔らかく聞こえた」とありました ホルホル。

 年を取ると耳が悪くなるものですが、うちの大家さんもそうですが、ナジェか僕が作るスピーカーをベタ褒めします。余り褒められるので、仕方なく作ることを口約束。弟子に言わせれば、「注文してから何ヶ月も待たされるあのスピーカー工場」らしいですが、大家さんのところに届くのは何時になるやら。

 蒲郡のお婆ちゃんが褒めたミカエルは、女性でも動かすことができるように軽く作ってあります。側板は13ミリ厚の桐の集成材で軽く、音道も12ミリと薄くなっています。僕の読者は女性が多いので、必然的に軽く作らなくてはなりません。でも、音は妥協できませんから、僕が聴いて良い音だと判断したものだけ届けるようにしています。

 いわゆるオーディオというものは趣味の世界ですが、僕は旦那の趣味が奥さんを喜ばせないとダメだと思っています。世界平和の根幹は家庭の平和なのですから、奥さんを納得させられない音では、いくら金をかけようが良い音ではないのです。だから、僕のスピーカーが家庭内の幸福に寄与することが、僕に取っての最大の幸福となるのです。

 このような考えを突き詰めていけば、スピーカーはやがて外に出て、学校や老人ホームや施設で活躍するようになります。もちろん、震災の避難先の施設も該当します。この目的のために、前回に書いたロボットさん型のガブリエルは適しているのです。ロボットさん型スピーカーと聞いて、すぐに小学校などでの上映会を連想した人は霊格が高いのです。

 ロボット型のスピーカーというと、長岡鉄男氏がザルドスという電球が光るタイプを製作しています。大パワーの時に豆電球が光るように設計されているのです。ザルドスとは、ショーン・コネリー主演の1974年のイギリスのSF映画ですが、氏はこの映画の中に登場する巨大な顔に似せているのです。何とも遊び心が豊かと言うか…。

 最近落札した別冊FM FANの中に、このザルドスの制作記事がありました。懐かしいですね。僕は、丸型のフレームを持つフルレンジとホーントゥイーターで、ラピュタのロボットさんの顔を表現したいと思っていました。これに、ロボットさんのようにピカピカ光るインジケーターを加えたいと思っていたので、ザルドスは実に参考になります。

 海外製の高価なオーディオシステムを構築して悦に入るというのは、長岡氏もそう思っていたようが、僕もオーディオの本質を外れた成金趣味だと思っています。だって、分解して中身を見たら、高価なことの理由が見つからないのですから。よく分からない馬鹿がネームヴァリューだけで海外製品を有難がるのです。ちゃんと中身を調べて、高価であることの必然性を検証しろと…。JBLなんかでも使っているコンデンサーは酷いものでした。

 名古屋での試聴会の時に、僕が作ったアンプが長岡氏絶賛の日立のHMA9500Ⅱに引けを取りませんでした。僕が「僕のアンプのほうが柔らかいと思う」と呟いたときに、少なくない人数の頷きがあったような気がします。もっとも、2時間経てば、HMA9500Ⅱは本領発期して、演奏者の位置関係や聴衆のざわめきなど、得も言われぬ微妙な表現を醸しだしたと思います。僕のアンプでは、電源が弱いのでそこまで至らないのです。

 ここからは、試聴会前日の僕のアンプでのスーパーケルビム。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(84年録音)を松戸の読者と聴いたのですが、酒が入っていたこともあってこれが絶品で、まさに世紀の名演奏と言うにふさわしい。第一楽章の12分頃のピアノ~ピアニッシモが続くパートで、アンネ・ゾフィー・ムターの弾くヴァイオリンが実に繊細で瑞々しい。

 ムターといえば、二の腕が太くなって力任せにバッハのヴァイオリン協奏曲を弾くというおばさんのイメージしか無かったので、実に新鮮な驚き。若い時のムターは美人でチャーミングじゃないですか。どこでどう間違ったのだろうと小一時間 orz。それはともかくとして、この盤はカラヤンとベルリン・フィルの黄金のコンビにムターも加わった逸品。

 ムターは指揮者として弾き振りもこなし、指揮をするようになってから音楽の解釈もいっそう深くなったようですね。モーツァルトを俳句にたとえて、行間を読む必要があると述べているのは興味深いです。行間を読む必要があるのは、僕の古代史でも同じですけど。

      エフライム工房 平御幸
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異次元のマリア・エステル・グスマン

2011-05-21 22:55:54 | 芸術
 コンサートに行ってきました。やはり異次元の天才ギタリストでした。

 ギターとは思えない音。時にはリュートのように、時には東南アジアの弦楽器のように、多彩に変化する音色。しかし、そのような技巧は彼女の本質ではなく、あくまでも音楽に豊かさを加える余裕です。

 演奏前だけではなく、演奏中にも調律を変え、納得が行かなければ演奏を中断にして楽屋裏でチューニング。この厳しさから奏でられる音は極限まで柔らかく、そして音楽に深みを与えています。僕は彼女のシャコンヌを「アダムとイブの時代から存在するようだ」と評したことがありますが、真の芸術だけが醸し出す、時間を超越した空間が出現します。

 今日はバッハのBWV1034が良かったけど、アンコールで弾いた『アルハンブラ宮殿の思い出』も最高でした。日本で出した『タレガ賛歌』に収録されているものは、宮殿のイスラム式モザイクに池の光が当たる光景だとしたら、今回のはそれに木漏れ日や風によるさざ波が作る、光の乱反射が加わった光景を連想させる出来栄えです。絵画にたとえるならモネの傑作しかありません。

 彼女の演奏は、余りにも繊細で柔らかいために、既製の録音機では収録は無理だと感じました。マイクやマイクアンプの設計から始めて、超高感度で歪のない収録システムを開発する必要があります。CDには1/10も音が入っていないと思います。最後に、彼女の代表作『エモシオン』にサインしてもらってホルホルでした。

 なお、明日はオークスなのでマルセリーナからハブルバブル、グルヴェイグなど、ディープの子供に注目です。穴だと、母がセンスオブアートのアカンサスかな。

      エフライム工房 平御幸
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マリア・エステル・グスマンのチャリティーコンサート

2011-05-20 20:56:52 | 芸術
 ブログの原稿は適当なところで分けているのですが、昨年末で締めたブログ19が無くなっていました。RAMディスクに保管したものがディスク破損でパー。別のところにコピーはないか、あるいはサルベージ出来ないかで丸一日。結局、メモリーカードに保存していたものが見つかってホッ。ここのところ忙し過ぎで、バックアップ体制がお留守でした。

 ところで、古代史の冒頭で書いているのですが、僕はスペインの女性ギタリスト、マリア・エステル・グスマンの大ファンです。マリア・エステルは親日家として知られ、度々来日演奏を行っているのですが、未だに生エステルの機会はありませんでした。ところが、SNSの方で、彼女が震災のチャリティーコンサートを開くという情報があり、二日前に前売りの予約に混ぜてもらいました。今日は別の読者からも情報を頂いたので掲載します。

「東日本大震災支援コンサート」
5月14日 神戸芸術シューマンホール(神戸市)
21日 東京・大田区民プラザ
22日 ギター文化館(茨城県石岡市)
29日 横浜・磯子区民文化センター杉田劇場

 僕は明日の大田区民プラザに行きますが、この辺に行くには交通の便が悪いので大変です。まあ、だからホールが空いていたのでしょうけれど。横浜経由が近そうです。

 なお、前回に追加で紹介したバックハウスのCDですが、デジタルリマスターという手法でアナログ音源をいじったせいか、僕の印象よりも音がきつくなっています。アナログ時代のものは、ノイズがあっても余りいじらないほうが自然で良いのです。ということで、余り音量を大きくしないで聴く必要があります。もっとも、弟子も含めて大半の読者は、視聴するときの音が小さいだろうとは思います。

      エフライム工房 平御幸
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ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番』

2011-05-18 23:46:24 | 芸術
 帰ってきてから、ケルビムジュニアの板取を修正し、ようやく裁断を頼むことが出来ました。町田のハンズは天井が低いので、120cmよりも長い板は縦に切れません。それで、120cmで一度裁ってから細かくするような板取が必要です。ジュニアに必要なソニー製の青いユニットは、何と二組も手に入りました。これで、見本としてケルビム三兄弟(三姉妹)勢揃いの写真が撮れます ホルホル。

 スーパーケルビムを作った理由の一つにピアノの再生がありました。しかし、あえてどの曲をイメージしたかを問われれば、それはベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番&第4番』という事になります。その中でも特に第3番ですね。

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲と言えば、絢爛豪華な第5番『皇帝』が有名です。僕も好きな曲の一つですが、あえてベストスリーにあげるなら、モーツァルト『ピアノ協奏曲第20番』、ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番』、チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』という事になります。ラフマニノフの2番は、僕の中では評価が低いのです。

 ラフマニノフの2番は、作曲家自身が弾いたCDを持っています。でも、1970年以降の有名なピアニストによる演奏の方が断然良いです。というのも、作曲家によって生み出された曲は、誕生するやいなや、演奏者や聴衆によって作曲者が考えもしなかった進化を余儀なくされる運命にあります。これは、大作曲家のベートーヴェンの曲でも同じです。

 ベートーヴェンの数ある名曲も、楽器の進化や新解釈や演奏者のインスピレーションの賜物で、生み出された時とは全く違う曲になっているはずです。音楽の世界では、楽譜に忠実という言葉は虚しいのです。楽譜に忠実でありたいという願望は必要ですが、絶対に無理なのです。

 何故かというと、特にモーツァルトの曲は顕著ですが、名曲は思い出している時が一番美しいからです。要するに、音楽は記憶の中で、自己の体験や想像力によって美化されるのです。その美化がプロの指揮者や演奏家の手にかかれば進化なのです。だから、美化されない曲は駄作なのです。

 手元にある(今日買ってきた)ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番』は、1971年のケンプ盤(マゼール指揮、ベルリン放送交響楽団)で、無骨で陰鬱な古臭い演奏です。これが、当時の代表的なベートーヴェン像なのです。しかし、僕が愛聴するのは繊細で優しいベートーヴェンです。読者に貸しているので手元にないのですが、図書館で借りてコピーしたものです。

 スーパーケルビムで再生したベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番』は、一度で読者のお気に入りに指定されました。それで、この隠れた名曲を、弟子や他の読者にも味わってもらいたいと考えました。僕の手持ちは一枚だけだったので、ブレンデルやいろいろな演奏を聴いてから推奨盤を紹介したいと思います(来週あたりに続くはず、きっと)。

19日 追加
 僕が聴いていたのは、バックハウスのピアノで、イッセルシュテット指揮 ウイーンフィルの1960年録音盤でした。コピーしたCDにプリントしたときのスキャン画像が残っていました。僕は先入観を持たないように演奏者を調べないで聴くことがあり、今回は驚きでしたね。繊細で優しいという僕の評価は、まあ他所のブログや評論では見かけることはないでしょう。なお、現在入手できるのは三枚組の全集のようです。

      エフライム工房 平御幸
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カール・ベーム指揮ウィーン・フィル 1975年日本公演の放送

2011-02-05 07:43:23 | 芸術
カール・ベーム指揮ウィーン・フィル 1975年日本公演が、今日5日の午後、教育テレビで放送されます。

時間は14時から15時20分までです。
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