雨が心配された天皇賞は、馬場が急激に回復し、稍重でのレースとなりました。この馬場ならブエナビスタで間違いはないのですが、その勝ちっぷりはまさに圧巻でした。でも、この圧勝を引き出したのは、フランスの名手C・スミヨン騎手です。これぞ名手の手綱さばき。レースを見ていない読者は、動画サイトかNHKスポーツニュースで御覧ください。
ブエナビスタは今まで、後方から差す競馬ばかりで、勝っても僅差だし、差して届かないレースが何度かありました。松田博資調教師は業を煮やして、昨年のエリザベス女王杯後に、主戦騎手を安藤騎手から変更したほどです。しかし、横山騎手になっても僅差のレースは続きます。
今回の天皇賞、陣営に取ってラッキーだったのは、横山騎手が落馬負傷で乗れなくなったことに尽きます。これで、自身の言動により、ヨーロッパでの騎乗機会が少なくなった名手に依頼することが出来たのです。スミヨン騎手も、フランスでの騎乗をキャンセルして乗り込んできたくらいですから、その意気込みは半端ではありません。
スミヨン騎手と言えば、凱旋門賞やアメリカのブリーダーズカップという世界最高峰のレースの勝利者であり、ディープインパクトが凱旋門賞に挑戦したときは、ライバルのハリケーンランに乗っていました。ハリケーンランは、ディープを負かしたハーツクライがイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに挑戦したとき、最後の一踏ん張りの追い込みで、エレクトロキューショニストとハーツクライを競い落とした名馬です。あの時の人馬の執念は凄まじく、エレクトロキューショニストはまもなく死亡、ハーツクライとハリケーンランも調子を落としたほどです。
このように、スミヨン騎手は馬の力を120%も引き出す名手ですが、同時に馬に負担を掛けないで乗る名手でもあるのです。それが顕著だったのが今日の天皇賞で、ブエナビスタは負担がないので涼しい顔で走っていました。日本の騎手なら抑え過ぎてタメ殺ししているケースです。先週の菊花賞でも有力馬は軒並みタメ殺しの有様でしたから、日本の騎手が下手すぎるのもありますが、それにしてもスミヨンは名手です。デットーリとルメールとは違うタイプの天才ですね。
スミヨン騎手は言動に問題がありますが、研究熱心で知られ、今回もブエナビスタの潜在能力を引き出す好騎乗でした。インタビューでは僅差という言葉が聞こえていたので、彼なりに僅差の勝利のまま終わる馬ではないと睨んでいた感があります。名手というのは、凡人とは見えているものが違うので、新たな可能性を引き出すことができるのです。素晴らしい天皇賞でしたが、道悪なら台頭すると書いたオウケンサクラが4着だったのには少々驚きです。スミヨン騎手とブエナビスタに、次のジャパンカップも乗ってもらいたいですね。
エフライム工房 平御幸
ブエナビスタは今まで、後方から差す競馬ばかりで、勝っても僅差だし、差して届かないレースが何度かありました。松田博資調教師は業を煮やして、昨年のエリザベス女王杯後に、主戦騎手を安藤騎手から変更したほどです。しかし、横山騎手になっても僅差のレースは続きます。
今回の天皇賞、陣営に取ってラッキーだったのは、横山騎手が落馬負傷で乗れなくなったことに尽きます。これで、自身の言動により、ヨーロッパでの騎乗機会が少なくなった名手に依頼することが出来たのです。スミヨン騎手も、フランスでの騎乗をキャンセルして乗り込んできたくらいですから、その意気込みは半端ではありません。
スミヨン騎手と言えば、凱旋門賞やアメリカのブリーダーズカップという世界最高峰のレースの勝利者であり、ディープインパクトが凱旋門賞に挑戦したときは、ライバルのハリケーンランに乗っていました。ハリケーンランは、ディープを負かしたハーツクライがイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに挑戦したとき、最後の一踏ん張りの追い込みで、エレクトロキューショニストとハーツクライを競い落とした名馬です。あの時の人馬の執念は凄まじく、エレクトロキューショニストはまもなく死亡、ハーツクライとハリケーンランも調子を落としたほどです。
このように、スミヨン騎手は馬の力を120%も引き出す名手ですが、同時に馬に負担を掛けないで乗る名手でもあるのです。それが顕著だったのが今日の天皇賞で、ブエナビスタは負担がないので涼しい顔で走っていました。日本の騎手なら抑え過ぎてタメ殺ししているケースです。先週の菊花賞でも有力馬は軒並みタメ殺しの有様でしたから、日本の騎手が下手すぎるのもありますが、それにしてもスミヨンは名手です。デットーリとルメールとは違うタイプの天才ですね。
スミヨン騎手は言動に問題がありますが、研究熱心で知られ、今回もブエナビスタの潜在能力を引き出す好騎乗でした。インタビューでは僅差という言葉が聞こえていたので、彼なりに僅差の勝利のまま終わる馬ではないと睨んでいた感があります。名手というのは、凡人とは見えているものが違うので、新たな可能性を引き出すことができるのです。素晴らしい天皇賞でしたが、道悪なら台頭すると書いたオウケンサクラが4着だったのには少々驚きです。スミヨン騎手とブエナビスタに、次のジャパンカップも乗ってもらいたいですね。
エフライム工房 平御幸