以前に紹介したScythe(サイズ)社のPC用アンプに対抗して、ACアダプターで動作する、それでいて音の良いアンプを考えました。ポイントは、ACアダプターの直流電源(片側電源)から、プラスとマイナスの2電源を作る回路です。
<; `∀´> ナジェかというと、僕は片側電源のアンプは作った事がないからです。
オペアンプを使った超ローコストの安物は、片側電源アンプの代表です。出力に直流が出ないように、大きめの出力コンデンサーが必ず必要です(直流が流れるとスピーカーのコーンが飛び出してくる)。この出力コンデンサーが音を悪くするのです。また、回路を考える時は、音声波形の+側と-側を、上下のトランジスタ(FET)に受け持たせる方が簡単なのです。向かい合って鋸引きをするイメージです。
ACアダプターの直流電源から±2電源を作る回路ですが、Webでもなかなか見つかりません。諦めかけた頃に、外国のサイトを見つけました。ヴァーチャル・アース回路(Virtual Ground Circuit Collection)というらしいですが、何と韓国のサイトのようです。その中から、±のトランジスタ二組で定電圧を作る回路を真似てみたら、ACアダプターのDC19V(ノートPC用3A)から見事に±9.8Vが作れました(↓回路写真の上の部分)。二本のコンデンサーが接続される場所が、仮想的なアース(電圧ゼロポイント)となるのです。今回は韓国を少し見直しました。
アンプの回路は今までと同じ、差動2段のAクラス増幅+上下デバイスによる出力段です。電源電圧が低いので、2段目の抵抗を1.5KΩ程度とし、FET(2SK246)に流す電流を3.5mA程度にします。今回は反転入力回路とし、ヴォリュームは10KΩです。ヴォリューム位置でゲインが変わるのはケンチャナヨ。
電源スイッチとヴォリュームの間のピラミッドは、LED照明の集光囲い
内側がアルミのお弁当箱を流用、取り付けはウレタン両面テープ
ケースはタカチのMX4-13-15の黒を使いました。高さ35ミリ・幅130ミリ・奥行き150ミリです。中型の穴あき基板をカットして、ケース内側のスリットに収めます。今回は、見栄えをよくするために138ミリ幅のアクリルを使い、照明のLEDが透過して星座に見えるように工夫しました。一応は魚座ですが、見る角度で文字にも見えます。星座の点々は、黒いクラフトペーパーに針で穴を開け、前もって穴を開けたフロントパネルにスティック糊(失敗しても剥がしやすい)で貼り付けます。クラフトペーパーは、星座を印刷した型紙の上から針を刺すのがコツです。今回は少し、余計な穴を開けすぎた感があります。
出力のデバイスは、弟子のアンプと同じく、日立の2SK214/2SJ77という中出力MOS-FETを使いましたが、ヒートシンクを取り付けるスペースがないので、アルミ製のケース全体で冷やす方法をとりました。具体的には底面に穴を開けて、絶縁マイカ(雲母)と熱伝導グリスを介してネジ止めする訳ですが、ケースの表にネジ頭が来るので、電流漏れを考えて絶縁性のプラスチックネジを使いました。
2SK214のシリーズは、フランジがソース端子を兼ねているので、ここから電流ショートしやすいのです。NECの2SK2013/2SJ313の方が、プラスチックで覆われているので使いやすいですが、今回は電源電圧が低いので日立にしました。音は日立の方が繊細で、NECの方がナチュラルです。電源のコンデンサーが1000μF(マイクロファラッド)二本と小さいので、低音や爆発力は期待できませんが、オーケストラでも一応は大丈夫です。
細かな点ですが、アクリルは透明色付きが2ミリ厚しかなく、少々高級感に欠けたのが残念です。ケース付属のネジでは長さが足りなくなるので、ネジ飾りとネジは別に買い求めます。ヴォリームのつまみもシルバーしかなく、ここもアルミの黒塗装か黒いアクリルにしたいところです。オークションで、透明アクリルでつまみを作って出品している人がいます。黒を注文してみたいところです。でも僕は、ガラスで作ってみたいですね。電気窯を買う資金が足りないし、電気代もかかるので、今はまだ夢の中ですが…。
最後にコストですが、サイズ社のデジタルアンプと同じくらいの投資で、音質は滑らかさや繊細さで上回ります。使っているデバイスが高級なので、メーカーが作れば1万円は超すと思います。ケース自体が放熱器なので、ケースを触って少し暖かいくらいは大丈夫ですし、立てて使っても大丈夫です。
エフライム工房 平御幸
<; `∀´> ナジェかというと、僕は片側電源のアンプは作った事がないからです。
オペアンプを使った超ローコストの安物は、片側電源アンプの代表です。出力に直流が出ないように、大きめの出力コンデンサーが必ず必要です(直流が流れるとスピーカーのコーンが飛び出してくる)。この出力コンデンサーが音を悪くするのです。また、回路を考える時は、音声波形の+側と-側を、上下のトランジスタ(FET)に受け持たせる方が簡単なのです。向かい合って鋸引きをするイメージです。
ACアダプターの直流電源から±2電源を作る回路ですが、Webでもなかなか見つかりません。諦めかけた頃に、外国のサイトを見つけました。ヴァーチャル・アース回路(Virtual Ground Circuit Collection)というらしいですが、何と韓国のサイトのようです。その中から、±のトランジスタ二組で定電圧を作る回路を真似てみたら、ACアダプターのDC19V(ノートPC用3A)から見事に±9.8Vが作れました(↓回路写真の上の部分)。二本のコンデンサーが接続される場所が、仮想的なアース(電圧ゼロポイント)となるのです。今回は韓国を少し見直しました。
アンプの回路は今までと同じ、差動2段のAクラス増幅+上下デバイスによる出力段です。電源電圧が低いので、2段目の抵抗を1.5KΩ程度とし、FET(2SK246)に流す電流を3.5mA程度にします。今回は反転入力回路とし、ヴォリュームは10KΩです。ヴォリューム位置でゲインが変わるのはケンチャナヨ。
電源スイッチとヴォリュームの間のピラミッドは、LED照明の集光囲い
内側がアルミのお弁当箱を流用、取り付けはウレタン両面テープ
ケースはタカチのMX4-13-15の黒を使いました。高さ35ミリ・幅130ミリ・奥行き150ミリです。中型の穴あき基板をカットして、ケース内側のスリットに収めます。今回は、見栄えをよくするために138ミリ幅のアクリルを使い、照明のLEDが透過して星座に見えるように工夫しました。一応は魚座ですが、見る角度で文字にも見えます。星座の点々は、黒いクラフトペーパーに針で穴を開け、前もって穴を開けたフロントパネルにスティック糊(失敗しても剥がしやすい)で貼り付けます。クラフトペーパーは、星座を印刷した型紙の上から針を刺すのがコツです。今回は少し、余計な穴を開けすぎた感があります。
出力のデバイスは、弟子のアンプと同じく、日立の2SK214/2SJ77という中出力MOS-FETを使いましたが、ヒートシンクを取り付けるスペースがないので、アルミ製のケース全体で冷やす方法をとりました。具体的には底面に穴を開けて、絶縁マイカ(雲母)と熱伝導グリスを介してネジ止めする訳ですが、ケースの表にネジ頭が来るので、電流漏れを考えて絶縁性のプラスチックネジを使いました。
2SK214のシリーズは、フランジがソース端子を兼ねているので、ここから電流ショートしやすいのです。NECの2SK2013/2SJ313の方が、プラスチックで覆われているので使いやすいですが、今回は電源電圧が低いので日立にしました。音は日立の方が繊細で、NECの方がナチュラルです。電源のコンデンサーが1000μF(マイクロファラッド)二本と小さいので、低音や爆発力は期待できませんが、オーケストラでも一応は大丈夫です。
細かな点ですが、アクリルは透明色付きが2ミリ厚しかなく、少々高級感に欠けたのが残念です。ケース付属のネジでは長さが足りなくなるので、ネジ飾りとネジは別に買い求めます。ヴォリームのつまみもシルバーしかなく、ここもアルミの黒塗装か黒いアクリルにしたいところです。オークションで、透明アクリルでつまみを作って出品している人がいます。黒を注文してみたいところです。でも僕は、ガラスで作ってみたいですね。電気窯を買う資金が足りないし、電気代もかかるので、今はまだ夢の中ですが…。
最後にコストですが、サイズ社のデジタルアンプと同じくらいの投資で、音質は滑らかさや繊細さで上回ります。使っているデバイスが高級なので、メーカーが作れば1万円は超すと思います。ケース自体が放熱器なので、ケースを触って少し暖かいくらいは大丈夫ですし、立てて使っても大丈夫です。
エフライム工房 平御幸