平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

DENON PRA-2000 3台目修理~その11 音出し

2021-12-25 06:22:41 | アンプ製作と修理
前回から時間が経ちましたが、やはり電源のトランジスタが3個の故障でした。定電圧電源の中出力トランジスタは2SA968/2SC2238のコンプリですが、マイナス側の2SA968と、それにつながる2SA970も2個が死んでいました。TR3,TR6,TR8の3個です (_ _;)






右 2SA968  左 2SC2238

秋月で購入したツェナーダイオードアナライザ ZEN50を使って、D8のツェナーZ24Bもチェック。ちゃんと24Vを取り出していました。交換の必要なし。

何度もパーツを交換したので基板がフラックスで汚れました。フラックスクリーナーで清掃。この基板のフラックスは塗り過ぎなのでヒビが入ります。少し取り除いたほうが安心 (^_^;)



組み立ての最後はフロントパネルの取り付けですが、開閉式のヒンジがバカになっていて閉まらない。ヒンジを分解して清掃し、締め付けネジを清掃してから強めに締めたら直りました。単純な構造。


右端下のネジ穴がヒンジ締め付け用

電源電圧を測り、フラットアンプ基板に供給する±73Vも調整。あとは、各基板に電源供給するターミナルを差し込むだけですが、やはり煙を出さないか心配です。でもスイッチを入れても煙は出ず ヽ(^。^)ノ

と喜んだのもつかの間、岩窟の聖母の窪田式アンプをパワーアンプにして音出しを決行しましたが全く音が出ません。調べてみると、AUX(オキシャル)とプリ出力の結線が逆でした。しかし、直しても相変わらずまともに音が出ない orz

それで、はたと気が付いて、メインアンプにした岩窟の聖母の窪田式アンプを疑いました。完成したときよりも室温が下がっているので、接触不良が起こっているのかも (@@;)

ということで、メインをデルフォイの巫女のアンプに交換。こちらもLチャンネルの音が出にくくなることがあるのですが、スイッチをカチャカチャさせたら直りました。PRA-2000にはバランスが付いているので、LRの確認用に便利です。



ただ、セレクターがおかしい。チューナーを押せばフォノ3になる。逆にフォノを押せばオキシャルになったりする。コントロール用のマイコンがおかしいのか、結線がおかしいのか、切り替え用のリレーの誤作動なのか、そのうち調べてみないと (>_<")

予定より時間がかかりましたが、一応は音が出るまでになりました。パワーアンプも2台修理しなくてはならず、今回はここで止めておきます。ボロボロのボンネットも何とかしないと (; ̄ー ̄A アセアセ・・・
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DENON PRA-2000 3台目修理~その10 トランジスタ焼損

2021-12-21 01:50:23 | アンプ製作と修理
PRA-2000の電源基板のトランジスタが焼損したことから、トランジスタと抵抗とコンデンサーのチェックを行いました。同時に、問題箇所の回路図を作成して検証しやすくしてみましたが、今まで見たこともない回路なので余計にワケワカメ orz


この定電圧電源(安定化電源)の回路図はフラットアンプなどの高電圧用
30V前後の低電圧用は簡単な回路なので大丈夫そう


上の作成した回路図の中で、不良トランジスタは赤で示しましたが、モールドが割れたTR6が焼損でダイオード状態。TR7はベースが壊れてダイオードになっていました。トランジスタはダイオード接続にするとダイオードとしても動作するのです。TR8はベースとコレクタが短絡(ショート)状態。抵抗とセラミックコンデンサーなどは測定しても問題ナス (_ _;)

元々、整流ダイオードの足が腐食していたので交換はしたのですが、やはりトランジスタが幾つか巻き添えで不良になっていた模様です。怪しいパーツは交換する予定ですが、メイン基板が壊れていないことを祈るばかりです (T人T) ナムナム

なお、ツェナーダイオードの測定用に、秋月でツェナーダイオードアナライザ ZEN50を注文しました (;・∀・)
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DENON PRA-2000 3台目修理~その9 組み立て

2021-12-19 20:17:07 | アンプ製作と修理
PRA-2000の修理も組み立ての段階に入りましたが、電源入れたら電源基板のトランジスタ(TR6 2SA970)がバチッといって壊れました。何と、モールドが割れて中身の金属が見えています (TдT)


青の矢印のトランジスタが壊れている

幸い、ヒューズも飛んでないし、電源だけの調整のときは何事もなかったので、電源基板を調べているところです。やはり回路図は必要ということで、PRA-2000ZやPRA-6000の回路図を参考に、自分で回路図を書いているところです。発売時に45万円の高級機、PRA-6000の電源部はPRA2000と似ているのです。少し贅沢な作りですが。ちなみに2000Zは2000の改良版ですが、パーツは随分と劣っています。2000では採算が合わないからモデルチェンジ (^_^;)

といことで、今回は説明は最少で、画像を貼ることにしました。


コネクタは歯間ブラシMと接点クリーナーで磨く
歯間ブラシの毛が擦り切れるので注意



組み立てる前に敷いているキティちゃんの布も綺麗にしておく


電源基板の黒いアース線(シャーシーアース)をハンダ付け




このように重たい電源部から組み立てる






リアパネルに入出力基板を取り付ける


上下を仕切るアルミ板を取り付ける


イコライザー基板の取り付け


電源スイッチの取り付け


フラットアンプの赤と青の配線をハンダ付け


ボリュームを固定する


電源のランプは嵌め込み式


電源スイッチの固定


ここからの配線が大変 (_ _;)


ボトム側 何が何だかワケワカメ




コントロール基板とヘッドアンプ基板のアース線(黒)をつなぐ

ここからはツマミ類の清掃。油煙で物凄く汚れているので、アルミには使ってないけないと書かれているパイプクリーナーの原液に浸けてブラシでスリスリ (; ̄ー ̄A アセアセ・・・


これが


こうなって


綺麗になるが酸化して表面にアルミナ(サファイア)の膜ができる


ボリュームも


綺麗になる


タクトスイッチのボタンはガラスクリーナーで汚れを取る


また配線








パイロットランプを電源スイッチにハンダ付け
青い線はトランスから出ている交流



ボリューム付近の配線


リレー付近の配線


フラットアンプの配線


こちらもリレー付近の配線


配線完了

配線は記憶するのは無理なので、いろいろな角度から撮影しておくのが良いと反省。確認用の手持ちのもう一台がなかったら間違ってたかも (*_*;

電源基板の回路図を書かないと orz
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DENON PRA-2000 3台目修理~その8 リアパネル清掃

2021-12-15 22:08:37 | アンプ製作と修理
毒を食らわば皿までも。とうとう、フレームも完全分解して、清掃できるものは清掃することにしました。今回はリアパネル周辺と電源部の清掃と修理 (¯―¯٥)

リアパネルは外しにくい電源コードやコンセントが付いているので、できれば丸洗いしたい。ということで、ゴミ袋の上にリアパネルを置いて、ガラスクリーナーを噴霧。綿棒で細かい所をゴシゴシ。



同じように、トランスのある電源部のフレームも分解して清掃。トランスは外して、トランスの根本にかからないように、フレームとケーブルにガラスクリーナーを噴霧。随分ときれいになりました (^o^)





次は、リアパネルに固定される入出力基板の清掃。こちらはスイッチを外してから、内側はフラックスクリーナーを噴霧。外側はガラスクリーナーを噴霧。問題はスイッチの分解清掃です (゜o゜;

スイッチの爪を立てて、中身がこぼれないようにスライド基板を外します。基板にはスライド接点4個が嵌めてあり、この接点を動かすのが黒いプラスチックのパーツと、2つの金属球と小さいバネです。バネを2つの金属球でサンドイッチして、スライドさせるときの抵抗としているのです。抵抗がないとポジションが動いてしまう。


ここからが大変

ところが、ここからがお笑いの始まり。注意して金属球とバネを取り出すつもりが、一瞬にして弾けて全部行方不明。探してみたら金属球2個は見つかりましたがバネは見つからない 。・゚・(ノ∀`)・゚・。


バネがない ┌|∵|┘

他のパーツを清掃しているうちに、間違って金属球を1個、床に落としてしまった。探してみたらバネが見つかってラッキー。しかし、落とした金属球はいくら探せど見つからない。


金属球が1個に


補正すると穴や構造がわかりやすい

金属球の代用にハンダを溶かして球体にしようかと考えましたが、ふとアクセサリーの真鍮の鎖があるのを思い出しました。ハンズで随分前に買ったものです。探し出して、鎖を切ってみたら径が合いそう /(^o^)\



喜んで組み立てようとしたら、今度は1個しかない金属球をまた床に落として見つからない。仕方なく、真鍮の鎖からもう1個外して2個にして組み立てました。1個だと片金だから、これでいいのだ (;^ω^)




組み立て成功


入出力基板に取り付けて完成

次はリアパネルの電力線が切れたので修理。ヒューズボックスに単線がハンダ付けされているのですが、短くて余裕がないのが切れた原因。長い撚り線に交換。また、黄色いケーブルも切れたのでハンダ付け。





次回からはいよいよ組み立てです σ(^_^;)アセアセ...
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DENON PRA-2000 3台目修理~その7 ヘッドアンプ基板修理

2021-12-14 03:24:47 | アンプ製作と修理
PRA-2000はレコード再生に強く、CR式フォノイコライザーやヘッドアンプを搭載しています。また前後のアンプをバッファ(緩衝)アンプでつなぐ贅沢な回路を有しています。今回はヘッドアンプ基板修理と、リアパネルの分解をしました (~O~;)

例によって、電解コンデンサーの全交換と、ラムダコンデンサーの容量チェックとリレー交換。すでに電解コンデンサーの交換を終えて、リレーの交換の段階です。


大きくて黒いラムダコンデンサーは電源に使われる
高域が透明で繊細になる



反対側から

リレーは前々回と同じで、24Vのミニパワーリレーが使われています。


リレーをナイスに交換


ラムダコンデンサーは無極性だが極性を合わせて取り付けている説あり
外すときは向きを確認しておく
D9の整流ダイオードも交換




赤くて縦長の岡谷のVコンは、どうも入力に使われているポイ ( ̄  ̄ )ノ” ⌒*

ここまで来て、基板裏のフラックス(松ヤニ)や汚れをフラックスクリーナーで洗浄するために、ケースを分解することにしました。ケースも洗浄すれば見栄えも良くなるし。ところが、リアパネルに固定されている入出力基板が外れません。入力インピーダンスを50kΩと100Ωに切り替えるスイッチが付いているのですが、錆びてネジが回らない orz



ここはオレンジクリーナーを塗布して放置。その間に基板のカバーを外そうとしたけど、これも7個の爪が引っ込まない。本当に苦労して外しましたが、スイッチ固定のネジもオレンジオイルが滲み込んで回るようになりました (^o^)v


上段にインピーダンス切り替えスイッチがある



切り替えスイッチは分解清掃が必要だし、パネルは全部洗ったほうが良いので、ガラスクリーナーを買いに行かないと (_ _;)

ということで、次回は組み立てができればと思います ♪~( ̄。 ̄)
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DENON PRA-2000 3台目修理~その6 コントロール基板修理

2021-12-13 14:03:12 | アンプ製作と修理
PRA-2000はアナログですが、入力などはリレーをマイコンでコントロールして切り替えています。コントロール基板は電圧が低く、電解コンデンサーの耐圧も低い。それでも整流ダイオードが劣化していましたし、電解コンデンサーの交換は必要です (^_^;)

しかし、小さい電解コンデンサーは隠れていることがあり、スイッチ基板では切り替えスイッチを外さないと交換できない場合もあります。今回はスイッチを一つだけ外しました (^o^;)


どのハンダを取り除けば外れるのか分からない orz




C9の16V/10μFは日本ケミコン KMG 25V/10μFに交換

外したスイッチは洗浄してから元に戻しますが、外さなくて良いものはそのまま洗浄スプレーを噴霧してつまみをガチャガチャ。換気は大切で、部屋の中にスプレーの成分に反応する物があれば劣化します (_ _;)


洗浄して元に戻したスイッチとスイッチ基板

次はコントロール基板の電解コンデンサーと整流ダイオードの交換。特に難しいものはなく、オレンジ色の低インピーダンス型も、現在は低インピーダンス化が進んでいるとされるので、特に低インピーダンス型を使用しなくても大丈夫だと思います。




膨らんでいる電解コンデンサーは劣化している
パソコン自作派は妊娠と呼んでいる


次は切り替えスイッチの洗浄。これは分解清掃が必要ですが、分解する時に、4個あるスライドパーツを壊さないように外すのが大変。外したら洗浄スプレーをかけて綿棒で清掃します。組み立て直して基板にハンダ付け (; ̄ー ̄A アセアセ・・・


8本の爪を立てるのがシンドイ




接点の洗浄前


接点の洗浄後


基板裏のハンダ付け


基板表

最後に、小さいバランス基板から100kΩMN型のバランスを外し、できるだけ分解してから洗浄スプレーで清掃します。このバランスだけは基板が宙に浮いているので、シャフトの径と長さが合えば、自分で基板を作って(穴開き基板で可)、新品の好きなバランスに換装することが出来ます。アルプス電気 27mm角ミニデテントボリューム2連MN型 だったら基板も売っています (^^)


外したところ


分解


洗浄組み立て完了

ということで、残りはアンプのボトム側のバッファと入出力基板のみとなりました。整流ダイオードが無くなったので若松通商に多め発注。ジュベナイルフィリーズの儲けが飛んでいきました (ToT)/~~~
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DENON PRA-2000 3台目修理~その5 フラットアンプ修理

2021-12-11 22:20:37 | アンプ製作と修理
今回はボリュームの付いているフラットアンプの修理です。フラットアンプは終段のパワーMOSやパワートランジスタの付いていないアンプと同じ。強力電源と終段を付け加えればパワーアンプになります。



フラットアンプ基板も裏配線があるので写真を撮っておきます。リレーへの24V電源供給みたいです。



電解コンデンサーは80V/220μFと63V/220μFが2本ずつ。それらにラムダコンデンサーの1.3μFと1.0μFがパラってあります。電解コンデンサーの80Vは手に入らないのでMUZEの100Vに。63Vも同じMUZEの100Vにしました。背が少し高くなるけど問題なく収まります (@@;)

ラムダコンデンサーは音が良いのですが、容量抜けがあるので外してチェック。やはり、1.3が片方だけ1.1程度になっていました。貴重な手持ちの1.3と交換 (¯―¯٥)

例によって整流ダイオードが壊れそうだったので交換。ボリューム近くの岡谷のVコン、1.0μFは2本とも容量抜けはありませんでした。

この基板にもリレーは付いているのですが、リードリレーではなく24V動作のリレーです。正規品は手に入らないので互換品のナイスに交換。鉄製のケースを外してからリレー交換。ダストカバーでしょうかね ┌|∵|┘




左 松下 HB2YD-DC24V
右 NAiS HB2E-DC24V




リレーを交換したら基板裏の配線を元に戻します。



次はボリュームの分解清掃。ボルト2本を外してグリーンのカバーを剥がすと、重なっているボリュームケースがバラバラになります。こちらの記事のように、プッシュナットと呼ばれる留め金を外せば完全に分解できるのですが、万が一を考えて今回は自重。ちなみに、2.5mmのプッシュナットは150個入りを取り寄せました。いつでもボリュームの分解ができます (^m^;)

ボリュームの清掃は接点洗浄スプレーを噴霧して、ボリュームを回して汚れを落とします。接点復活剤は用途が違うので使ってはダメ。写真のように汚れていたので少し心配です (_ _;)









清掃したら組み立てて基板にハンダ付け。これでフラットアンプの修理は完了です。





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DENON PRA-2000 3台目修理~その4 リレー交換

2021-12-10 19:34:23 | アンプ製作と修理
DENON PRA-2000の修理で一番困るのがリレー交換。日立のリードリレーHA-212Sの代替になるものが少なく、それすらも生産中止で手に入りません。代替にはオムロンのLAB2N DC12が使われましたが、それも無くなって、サンユーのUPM-27312YNが代替候補 (>_<")


左 HA-212S
右 UPM-27312YN



上 UPM-27312YN
下 HA-212S


サンユー UPM-27312YNは14個をストックしているのですが、いざ交換という場面でピンの位置がHA-212Sと異なるのを発見。穴開き基板の1列(2.54mm)だけ長いので、ピンを内側に曲げて取り付けなくてはならない。これだとハンダ面に0.5mm程度しかピンが出てこないのです (_ _;)

1個につきピンは6本。7個だから42本のピンを曲げる。古いリレーを外したら綿棒とアルコールで基板を清掃。ところが、サンユーのは長い分、R132という470kΩの抵抗が邪魔になる。足の長い抵抗に付け替えて前処理終わり |Д´)ノ 》 ジャ、マタ


ここのリレーはオキシャルとチューナーと出力を切り替える



上の画像のように抵抗を交換して新しいリレーを取り付けることが出来たけど、7個全部を取り付けたのが下の画像。


4個の大きなラムダコンデンサーは容量チェックして大丈夫だった (^o^;)
下の4個のリレーはフォノ切り替え用



ミューズ、シルミック、ファインゴールドと、電解コンデンサーはオーディオ用高級品に交換
実は、安い汎用品は小さいので基板の取り付け穴に合わない欠点がある


最後に外していた基板裏の配線を元に戻して終了。やはり基板裏も汚いので、フラックスクリーナーでフラックス(松ヤニ)の残滓を洗い流さないと (~o~)


裏の配線は付けたままだとハンダ吸引やハンダ付けの邪魔になる
修理前に写真を撮っておかないと後で分からなくなる
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DENON PRA-2000 3台目修理~その3 イコライザー基板1

2021-12-02 17:55:53 | アンプ製作と修理
前回の続き (*_*;

まず、真っ黒になっていた電源基板のターミナルのピンを磨きました。洗浄液では落ちないので、目の細かい紙やすりを巻いて、テルマエ・ロマエに出てきた銭湯のベルトマッサージ機のようにスリスリ (^o^)



次に、ヒューズホルダーとシャシーアースも錆びていたので取り外し、銅箔を磨く薬剤を綿棒に浸けてゴシゴシ。シャシーとの間に抵抗があれば発振の元 (つд⊂)ゴシゴシ


ヒューズホルダーの取り付けネジも錆びている


シャシーアースもこんなに錆びている


銅箔脱脂脱錆剤 プリント基板作りで銅箔の脂や錆を取り除く時に使う


丸環の錆取り前


錆取り後


これでもキレイになった方

次はイコライザー(LPレコードの周波数補正回路)基板ですが、電源基板と同じように整流ダイオードの足が錆びてちぎれている (¯―¯٥)




これを10EHA20 SBD 200V/1Aに交換

整流ダイオードをショットキーダイオードに交換。次は安全のために入っているヒューズ抵抗を調べます。ところが、劣化でカラーバーの色もよくわからない。抵抗を測ったら明らかにおかしい。回路図はないお、さあどうする (;´Д`)


R135 16kΩになっていた


R136 26kΩになっていた

仕方ないので、手持ちのもう一台を開けて、抵抗値を計測して確認しました。やはり全く違う39Ωでした (>_<")


金属皮膜抵抗 1/4W 39Ωに交換

このように、回路図がない場合は、実働状態のアンプと比較しながら、電圧値や抵抗値を調べます。アンプ修理は場所を取るので、2台のアンプを開腹状態で置くのは大変です。続く (^_^;)
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DENON PRA-2000 3台目修理~その2 電源基板

2021-11-30 04:43:36 | アンプ製作と修理
海神無線に発注していた横型のチューブラーコンデンサーが届いたので、PRA-2000の電源基板の修理に取り掛かりました。とは言っても、回路図はないし、回路図のある後継機種のPRA-2000Zは少し違う。経験と勘頼りに (_ _;)

アンプ修理は電解コンデンサーの交換からと相場は決まっていますが、電解コンデンサーの容量抜けが発振の原因となります。また、電解コンデンサーは耐用年数が短くて、数千時間と言われてます。


右下の寝ているのがチューブラーコンデンサ
25V/1000μFだけど35Vしかなかった


実は、一番大きなニチコンの100V/1000μFも含めて、電解コンデンサーは随分と軽くなっていました。手持ちの同容量は少し小さいのですが、こちらのほうが重い。電解液が蒸発してしまったのだろうか?


ニチコンの100V/1000μFと定電圧電源のトランジスタ 2SA968/2SC2238

定電圧電源のトランジスタ 2SA968/2SC2238 は外して測定しましたが、増幅率を表すhFEがそれぞれ46と117で随分と違う。定電圧電源はトリマーで電圧調整するので、あまり増幅率はあっていないのが普通です (^_^;)


ヒートシンクから外してマイカと放熱グリスを交換

一番大きな電解コンデンサーは足が3本(1本は固定用)ですが、手持ちの100V/2200μFでも足の幅が狭い。それで工夫をして、固定用の穴に通してから基板裏で曲げてハンダ付け。強度もバッチリです d( ^ω゚ )バッチリ!!




固定用のランドを有効利用

次はオーディオ用ではない単電源の電解コンデンサーの交換。ここは安物のコンデンサーで良いのですが、サイズが小さすぎて貧相になります。無駄ですけど大きなオーディオ用のミューズやファインゴールドにしました (^o^)v






左端はオーディオ基板につながるので贅沢にシルミックⅡとファインゴールド

ここで、整流ダイオードが破損しているのを発見。日立製みたいですが、ガラスから出ている足が一本切れています (T0T)




足が腐食したのか切れていた

この整流ダイオードは型番がわからず、仕方ないので200V耐圧の1Aタイプを使うことにしました。しかし、取り付け穴が小さいので足の太いのは使えません。また、破損したのと同じタイプの整流ダイオードがもう1本見つかったので交換。こちらは穴が大きいので足の太いのにしました (^^ゞ





最後にトリマーを交換。付いていたのは4.7kΩですが、5kΩで大丈夫そうなので、抵抗値を合わせてから取り付け。これで電圧調整できない場合は小さいトランジスタの故障です。



コネクターのポストピンが真っ黒なので、これも磨かないと (; ̄ー ̄A アセアセ・・・
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DENON PRA-2000 3台目修理~その1 (;´Д`)

2021-11-19 11:48:10 | アンプ製作と修理
プリアンプのDENON PRA-2000が故障して、3月に慌ててジャンク品をパーツ取りとして購入。忙しくて解体途中で放り投げていたのですが、ようやく解体or修理に取り掛かることになりました。キャビネットの天板が剥がれている、いかにも保存の悪そうなもの (_ _;)



このような、錆びて他人が見向きもしないアンプは、前に日立のパワーアンプHMA-9500Ⅱを修理したことがあります。なぜかPRA-2000の故障と同時期にLチャンネル不調になったものです。

実際、中を開けてみたら、埃が積もり、蜘蛛の巣と親が出てくる始末。丸ごと精密機械用のクリーナーを噴射して洗い流したけど、そんな程度で汚れが落ちる代物じゃない。歯ブラシや、オレンジクリーナー(剥離剤)を使い、焼き付けてある文字には剥離剤がかからないように注意してゴシゴシ (つд⊂)ゴシゴシ

その後で解体作業に移りましたが、ツマミのイモネジが錆びているし、コネクタも錆びていて抜けない。解体するだけで一苦労でした (; ̄ー ̄A アセアセ・・・









PRA-2000は3台関わってますが、修理したのは2014年の松戸の読者のものだけ→アンプ修理いろいろ。現用機はリレー交換したものを購入したので修理記録はありません。2014年にちゃんと記録を残しておけばよかったと@(;・ェ・)@/反省…

今回は、部品取りはやめて修理することにしたので、徹底的に修理記録も残すことにしました。足りない部品は、海神無線の横型の電解コンデンサー。これは取り寄せるか、20日の柏のバレーボール(柏エンゼルクロス対リガーレ仙台)の観戦後に秋葉原に立ち寄るか。





幸い、このアンプに使われているリレーは、水銀を使う特殊なリードリレーで生産中止ですが、気長に集めていたのでストックはあります。おそらく、水銀接点は接触ノイズが出ないのだと思います。でも、水銀は金でさえアマルガムにするように、他の金属を侵すから耐久性は疑問 (~o~)


HA-212Sと書かれているのがリードリレー
日立やヤマハで多用されているが入手難
互換品もあるけど2種類14個ストック (^o^)v



ラムダコンデンサーの間にあるのもリレー
こちらはオレンジ色のリレーが互換品


ということで、早くても1ヶ月はかかると思いますが、数回に分けてリポートします m(_ _)m
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岡山アンプの完成(一応) (_ _;)

2021-11-17 14:31:32 | アンプ製作と修理
岡山の読者が作っていて、いろいろとトラブルのあった窪田式アンプ2003年版を引き継ぎ、ようやく音が出たのでスクリーンとパネルを取り付けました。今回はレオナルド・ダ・ヴィンチの岩窟の聖母(ルーブル美術館)です (;^ω^)



自分は入力の同軸ケーブルとセレクターを繋ぎ、ボリュームが100kΩになっていたので10kΩに変更。基板は特にいじってないのですが、出力に直流電圧が相当出る。2段目がトランジスタなので、熱暴走で出力が変化する。ゼロボルト調整用の3回転トリマーに敏感すぎる (@@;)



解決策は、18回転の多回転トリマーにするか、現在の抵抗値に近いトリマーにして調整幅を広げるか。今回は面倒なので、30mV程度なら良いことにしました。2段目がMOSなら5mV以内楽勝ですけど (>_<")

このアンプが届いたときは気が付かなかったのですが、よく見るとヒートシンクが前後逆です。終段MOSが取り付けられない (゚д゚)!

と、いろいろと再調整の必要はあるのですが、3段目の中出力MOSとソース抵抗はそのままで音出しをしてみました。高域はキレキレでヘッドフォン端子も問題ナス (^_^;)

それで、LEDパネルのスクリーンは岩窟の聖母。写真では青みが強くて色彩感に欠けますが、実物は華やかで天使の着る赤も綺麗です。



そこで気が付いたのですが、この絵は随分と改悪されています。特に、天使の翼は後世のもので間違いなし。受胎告知もそうですが、レオナルドは天使に翼を与える趣味はなかったと思います。解剖学的にも変ですから。


天使の頭周辺の岩や、翼の辺りが緻密さに欠ける
左の背景の水がマリアのコスチュームから左袖を伝って手首から降り注ぐ構図



こっちのほうが近い (^-^;
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CDP-X5000の修理

2021-09-23 19:01:33 | アンプ製作と修理
視聴会で使う予定だった読者のCDプレーヤー、ソニー CDP-X5000が出力端子故障で使えず、端子交換と、フロントパネルのタクトスイッチを交換することにしました。ストップのスイッチが不良ぽいということで、よく使うプレイと一時停止のスイッチとともに交換 (^_^;)

CDP-X5000はタクトスイッチの故障が多く、スイッチだけセットで売っているほどです。手持ちに7個あったので3つ交換。

CDP-X5000は手作り感があり、分解も楽です。トップパネルのキャップボルトを六角レンチで外し、スイッチから出ているケーブルとアースケーブルを外せばトップパネルも外れます。







スイッチ基板の配線は写真に撮ってからハンダを吸い取ります。スイッチの脚が曲げられているので、ハンダゴテの先端を使って立てます。




このようにスイッチが汚れている


タクトスイッチを外してフラックスクリーナーで脂を取る

スイッチ交換は特に難しいところはなく、外した配線を忘れないようにハンダ付け ^_^

問題はリアパネルの出力端子。被せてあるアースの金属部分が外れたので交換するしか無い。しかも、手持ちの取り外し部品に同じピンのものはない。ということで、独立型の高級端子にして、配線だけ出力端子基板にハンダ付けする方法を選択。面倒ですが確実な方法です (・。・;


このような一体型のRCAプラグは壊れたら面倒






修理中にブロックコンデンサーの片方が妊娠中なのを発見
少し膨らんでいるので数年後には交換が望ましい (ーー;)



一番困ったのはスペーサーが緩いこと
大アンプで使ったスピーカー端子のスペーサーを流用
アース線は1本で良いのでT字型にして、LRホットの線とともに基板にハンダ付け



完成 \(^o^)/

このような独立型は、ネジを締める右回りで抜き差しする。左に回すと緩んでしまう。組み立てる前に清掃して汚れを取る。ストッパーを外すとトップパネルのアクリルも外せる。レールの中にガイドが5つ入っているので失くさないように注意 (_ _;)

組み立て後に動作確認したらすべて大丈夫。レーザービームのレンズだけは磨いてないので、テスト音源入りのCDレンズクリーナーで磨けば機器のチェックにもなります (◎-◎)


後ろの『大英博物館』LDは全巻ゲット
そのうちパソコンに取り込まないと (;・∀・)
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ソニー 2SK79使用 窪田式アンプ基板の設計

2021-09-10 09:59:36 | アンプ製作と修理
前からずっと作りたかった、ソニーの中出力V-FETを2段目に用いる窪田式アンプ。急にやる夫になって基板を設計しています (; ・`ω・´)

この基板はミニアンプのアレンジですが、そもそもソニーの中出力V-FET、2SK79の使用を前提としたものでした。


2SK79 ヘッドホンアンプ
逆走アンプではなく正相アンプ ( ゚д゚ )彡そう!


V-FETは三極管の特性をしていると言われますが、電源電圧変動に弱いという特徴があります。電源電圧が変化すると、ドレイン電流も変化する。MOS-FETは電源電圧の変化で極端に電流値が変わることはない。要するに、V-FETを2段目に用いるということは、2段目までを定電圧電源化しないと不安定になる。


窪田氏によるソニーの中出力V-FET、2SK79の特性図
MOS-FETだと真横に伸びる線が縦に伸びている


このアンプの音は、日立のHMA-8500を改造したもので何度か披露しています。高域がキレキレでよく伸び、特にムターの弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が絶品。すすり泣くような繊細な音色は、秋の夜長にピッタリ (;^ω^)

ということで、作りかけの基板を掲載します。三端子レギュレータを実装する窪田式そのままです。改造アンプは贅沢なオールFET定電圧電源なので見劣りしますが、作りやすいというメリットがあります (*>_<*)ノ


基板の写真の上にIllustratorでパーツを置いたもの
ガラスエポキシ基板でエッチングする予定
窪田式アンプのケースに収まる
三段構成なのでパーツも少ない
アースはジャンパー線で


追加 正相アンプ基板 σ(^_^;)アセアセ...


NFB抵抗と発振防止コンデンサーの位置が違う

11日 パターン追加
少し細いかも (@@;)


逆相アンプのパターン


正相アンプのパターン
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中出力MOSの選別機の製作 (;^ω^)

2021-08-26 18:01:31 | アンプ製作と修理
窪田式アンプの製作で一番重要なパーツが、東芝の中出力MOS-FET、2SJ313/2SK2013です。以前は若松通商でコンプリメンタリー選別して売っていたこともあるのですが、今ではバラで買うのも大変。それで自分で選別することに。

この石は終段のパワーMOSとして使っているメーカーもあります。シングルなら20W程度は大丈夫。のはずですが、定電圧電源の素子として使ってみたら意外に壊れやすい。ゲート電圧を高くしないと動作しない。日立の中出力MOSはゲート電圧0.7Vで動作しますが、東芝は2V近くは必要で、しかもバラツキが大きい。実働状態で測定しないと、ペアやコンプリメンタリーが取れません。

使った基板は、ソニーの中出力V-FET、2SK79を二段目に使ったもので、特性が三極管に似ているものがV-FETで、五極管に似ているのがMOS-FETです。V-FETはゲート電圧がゼロの時に最大電流が流れるし、ゲート電圧もマイナスで使うので知らない人は壊してしまいます。MOSなら2SKのゲート電圧は+0.7~2Vですが、V-FETだと-12Vとかの逆印圧が必要。

V-FETは三極管の音がすると言われますが、確かにフルートなどではポーンという響きが心地よい。でも真空管よりは音が良いと思います。MOSは透明繊細でソプラノが瑞々しくてバロックなどの小編成が得意。でも、日立のHMA-9500Ⅱのように往復ビンタ100連発の圧倒的切れ味もある。FE206SSを使った20センチ3発の音は凄かった (*_*;

測定機ですが、終段のゲート-ソース間に3.3kΩの抵抗を入れ、終段のゲート電圧を1.9Vにします。2.3Vに上げたら2SJ313/2SK2013が壊れてドレイン-ソース間が導通した orz


ソケットから出ているケーブルは、紫ゲート、灰ソース、赤ドレイン
測定する項目は、0.22Ωの両端電圧、ゲート電圧、出力のゼロボルト
ゲート電圧は一度決めたら固定
0.22Ωの両端電圧だけ測定して計算で電流値を求める


ゲート電圧はプラス側とマイナス側を同じにします。誤差0.05%程度にはしないと。

測定するMOSは小型ヒートシンクに取り付け、三本足をICソケットで挟みます。東芝は足のアサインが左からゲート、ドレイン、ソースの順で、日立のゲート、ソース、ドレインとは異なるので、日立製のMOS測定は別の専用基板を作らなければなりません。そのために、真鍮製のスペーサーを多用して、ケーブルが取り外せるようになっています。


画像の小型ヒートシンクでは足がギリギリ
幅広で縦が短いタイプが使い良い


今回の測定機は、ゲート電圧一定でドレイン電流の違いで選別するものです。メーカー製アンプのデバイス選別では、特上1%誤差、上3%誤差、並5%誤差くらいだと思います。特上は100万円クラス。上は20万円クラス。並は10万円クラス。それ以下は10%誤差とか、メーカーによって違いますが。乱暴な修理屋は誤差を無視して修理していますから注意 (@@;)

27日 追記

3時間ほどMOSを測定した結果、2つのことがわかりました。一つは、前に作った、いい加減な測定器で選別したMOSがちゃんと選別されていたこと (;^ω^)

2つ目は、東芝MOS特有の不安定な石が混ざっていること。こちらは電流値が突然に2倍になるなど、実働状態でなくては発見できなかったものです。特に2SJ313に不安定なものが多い。作成した基板が調整できないとかのトラブルは、これが原因かも。交換品を送ります (_ _;)
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