裁判での証明は難しい!!
会社で働く場合で、大きな節目となるのが、「人事異動」である。特に、大きな会社の場合は、全国に支店を持ち、全国がその転勤の対象となることもある。「労働契約は、労働者がその労働力の使用を包括的にゆだねることを内容とする」ものであり、「使用者が業務上の必要から労働者に転勤を命じることは原則として許される」(昭42.7.12熊本地裁八代支部判決)とされており、働く際の契約で、使用者に人事異動の権限は与えられているものといえます。
ということは、就業地の限定とか職種の限定を決めて、私の場合は、この店でとか、運転手のみとか決める等の制約がない限りは、会社側で自由に決めれられることになる。
そこで、会社にその大きな権限を与えているところからして、全く労働者は、同意なく従わなければならないかというとそうではない。民法1条の3項の「権利濫用はこれを許さず」というのがある。そして、労働法の分野においては、判例の積み重ねがあり、権利濫用になる場合として、1、業務上の必要性もなく命じた場合、2、不当な動機・命令で命じた場合、3、労働者に通常甘受すべき程度をこえる著しい不利益を生ずる場合 がある。
特に、上司との関係が悪く、左遷された場合など、2に当たり、権利濫用で無効とはいえるです。そして、これがテレビドラマではないのですが、よくあるパターンと考えられます。しかし、これは、裁判になるとその証明はむつかしい。会社側にとっては、必要があってその地に異動させたという理由を、考え出すのは容易であると思われるからです。
安西愈弁護士は、次のようにまとめていらっしゃいます。※
1、業務上の必要性があるか
業務上の必要性は広く企業の合理的運営の観点からその必要性は認められる。
2.人選の合理性はあるか
余人をもって替え難いといった高度の合理性はいらない。
3.手続きの妥当性・労務管理上の配慮はなされているか。
本人の個人的事情は通常は考慮されないが、通常の労働者が甘受すべき程度を超える場合には配慮し、当該企業で定めている配置転換の順守(内示等)及び拒否者への説明・説得の手続きが必要といえる。
いずれにしても、その必要性・人選については、広く使用者に認められているものであり、労働者は主張はできるが、その証明が難しいというのが本当のところでしょう。
※採用から退職までの法律知識 安西愈 中央経済社
会社で働く場合で、大きな節目となるのが、「人事異動」である。特に、大きな会社の場合は、全国に支店を持ち、全国がその転勤の対象となることもある。「労働契約は、労働者がその労働力の使用を包括的にゆだねることを内容とする」ものであり、「使用者が業務上の必要から労働者に転勤を命じることは原則として許される」(昭42.7.12熊本地裁八代支部判決)とされており、働く際の契約で、使用者に人事異動の権限は与えられているものといえます。
ということは、就業地の限定とか職種の限定を決めて、私の場合は、この店でとか、運転手のみとか決める等の制約がない限りは、会社側で自由に決めれられることになる。
そこで、会社にその大きな権限を与えているところからして、全く労働者は、同意なく従わなければならないかというとそうではない。民法1条の3項の「権利濫用はこれを許さず」というのがある。そして、労働法の分野においては、判例の積み重ねがあり、権利濫用になる場合として、1、業務上の必要性もなく命じた場合、2、不当な動機・命令で命じた場合、3、労働者に通常甘受すべき程度をこえる著しい不利益を生ずる場合 がある。
特に、上司との関係が悪く、左遷された場合など、2に当たり、権利濫用で無効とはいえるです。そして、これがテレビドラマではないのですが、よくあるパターンと考えられます。しかし、これは、裁判になるとその証明はむつかしい。会社側にとっては、必要があってその地に異動させたという理由を、考え出すのは容易であると思われるからです。
安西愈弁護士は、次のようにまとめていらっしゃいます。※
1、業務上の必要性があるか
業務上の必要性は広く企業の合理的運営の観点からその必要性は認められる。
2.人選の合理性はあるか
余人をもって替え難いといった高度の合理性はいらない。
3.手続きの妥当性・労務管理上の配慮はなされているか。
本人の個人的事情は通常は考慮されないが、通常の労働者が甘受すべき程度を超える場合には配慮し、当該企業で定めている配置転換の順守(内示等)及び拒否者への説明・説得の手続きが必要といえる。
いずれにしても、その必要性・人選については、広く使用者に認められているものであり、労働者は主張はできるが、その証明が難しいというのが本当のところでしょう。
※採用から退職までの法律知識 安西愈 中央経済社