社労士受験の「合算対象期間」は「任意加入期間」からまずは覚えていきましょう。
老齢基礎年金を受けとる資格がある人は、25年の保険料納付期間などがなければなりません。保険料納付期間などとしたのは、他にも足していい期間があるからで、正確には次の期間の合計が25年以上なければならないとされます。
1、厚生年金保険及び 2、国民年金保険料 3、国民保険料免除 4、
共済組合の加入期間 + 納付済期間 + 期間、学生納付 + 合算対象期間
(20歳以上60歳 特例期間、若年 (カラ期間)
未満の期間) 者納付猶予期間
1の厚生年金・共済年金については、保険者・共済組合の方でまとめて支払っているので、加入手続きがあればそのままその期間は、納付済みとして考えられるからです。1.2.合わせて結局、「保険料納付済期間」であるわけです。
これに、3の保険料免除期間、申請をして認められることが前提になりますが、国から認められたものとして、この免除された期間を足すことができます。
さらに、4の合算対象期間があります。通称「カラ期間」といっています。25年の資格の期間の計算には加えることができますが、年金額の計算の計算基礎とはならないため、そう呼んでいます。すなわち、1・2の保険料納付済期間と3の免除期間等が25年に満たないときに、25年を満たすために足してもいい期間であって、年金額には全く影響ない期間ですので、カラ期間とよんでいるのです。
さて、その合算対象期間(カラ期間)ですが、社会保険労務士の受講生の間でも、非常に厄介なというか、いやな部分でもあります。そういう私もそうでした。しかし、年金の沿革から考えて、意味が分かってしまえば、なーんだと思えるところです。再度、勉強してみてそう思いました。
まず、任意加入期間の説明です。これは、任意加入として、国の方で加入してもしなくてもどちらでもいいよといわれた期間です。はじめは、私はそれならば、加入しない者に責任があるのだから、なんでカラ期間にするのか意味がわかりませんでした。しかし、考え直してみると、国の方で入らなくてもいいよと言った手前、そのことが原因で25年の受給資格の期間を満たさなくて、もらえなくなるのは気の毒ですし、本人の責任だけとも言えません。そこでカラ期間での救済となるわけです。次のようなものがあります。
A.昭和36年4月から昭和61年3月までに、20歳以上60歳未満の被用者年金制度の加入者の被扶養配偶者(サラリーマンの妻など)が、国民年金に任意加入しなかった期間
B.昭和36年4月以降平成3年3月以前に、任意加入しなかった20歳以上60歳未満の学生の期間(平成3年4月からは強制加入となっている。)
C.昭和36年4月以降の期間で、国民年金に任意加入しなかった20歳以上60歳未満の間の海外在住期間
Aのサラリーマンの妻の場合ですが、「昭和36年から」というのは、ここから国民年金が創設されたわけです。被用者年金はもっと早くからあったわけです。国民年金の加入が始まったのがこの年からというわけで、期間を国民年金に合わせてあるということです。国民年金・被用者年金ともに期間として計算するのは、同じ36年からということにしているのです。では、終わりの「昭和61年3月まで」というのは、なんでしょうか。翌月の昭和61年4月からは、国民年金と被用者年金が統合され、いわゆる一階部分の国民年金としての基礎年金が、2階部分に被用者年金がという構図ができあがり、サラリーマンの妻(被用者年金の加入者の被扶養配偶者)が3号被保険者と位置付けられ、強制加入となります。「昭和61年3月」というのは、サラリーマンの妻が、任意加入として認められていた最後の月というわけです。20年以上60歳未満というのは、1号被保険者(農業者、自営業者等)がこの年齢の範囲であるため、これに合わせています。もちろん、任意加入して、納付すれば、「納付済期間」となりますので、「国民年金に任意加入しなかった期間」となっているのいです。
Bは、学生の任意加入のところです。ここも国民年金の創設の「昭和36年4月」からになっています。平成3年4月からは、強制加入となったので、終わりの方の期間は、「平成3年3月」となっています。
Cの海外在住邦人ですが、1号被保険者(自営業者等)は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人となっており、海外在住者は日本国籍をもっていても、1号被保険者にはいらないのです。そこでここから除いた任意加入としての海外在住者の期間をカラ期間としているわけです。なお、2号(被用者、サラリーマン等)・3号(いわゆるサラリーマンの妻)については、日本国内に住所があるという条件は付いていないので、強制になりますので、ここでいう海外在住邦人には含めません。あくまでも1号としてお考えください。
これらの任意加入期間の応用・延長として、次のD、Eを掲げておきます。今までの説明でほぼわかると思いますので、説明は省きます。
D.被用者年金制度等から支給される老齢(退職)年金受給権者とその配偶者、障害年金受給者とその配偶者、遺族年金受給者について、国民年金の任意加入であるが任意加入しなかった期間のうち、昭和36年4月から昭和61年3月までの20歳以上60歳未満の期間⇒旧法時代(S36.4~61.3)には、老齢だけでなく障害・遺族も受給権限があれば、国民年金の任意加入となっていたようです。
E.昭和61年3月以前に、60歳になるまでに被保険者期間が25年にならないため、任意脱退の申し出をして承認され、国民年金の被保険者にならなかった期間
<次回へ続きます>⇒ <複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(第2回)>
⇒ <複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(付録)>
<参考> 年金アドバイザー受験対策シリーズ(経済法令研究会編)同研究会発行 より、(1.2.3.4.及び A.B.C.D.E.については、引用)
なお、「被用者年金」は会社等に雇用されている者の年金という意味ですので、厚生年金だけではなく公務員等の共済年金も含んだ意味で使っています。
老齢基礎年金を受けとる資格がある人は、25年の保険料納付期間などがなければなりません。保険料納付期間などとしたのは、他にも足していい期間があるからで、正確には次の期間の合計が25年以上なければならないとされます。
1、厚生年金保険及び 2、国民年金保険料 3、国民保険料免除 4、
共済組合の加入期間 + 納付済期間 + 期間、学生納付 + 合算対象期間
(20歳以上60歳 特例期間、若年 (カラ期間)
未満の期間) 者納付猶予期間
1の厚生年金・共済年金については、保険者・共済組合の方でまとめて支払っているので、加入手続きがあればそのままその期間は、納付済みとして考えられるからです。1.2.合わせて結局、「保険料納付済期間」であるわけです。
これに、3の保険料免除期間、申請をして認められることが前提になりますが、国から認められたものとして、この免除された期間を足すことができます。
さらに、4の合算対象期間があります。通称「カラ期間」といっています。25年の資格の期間の計算には加えることができますが、年金額の計算の計算基礎とはならないため、そう呼んでいます。すなわち、1・2の保険料納付済期間と3の免除期間等が25年に満たないときに、25年を満たすために足してもいい期間であって、年金額には全く影響ない期間ですので、カラ期間とよんでいるのです。
さて、その合算対象期間(カラ期間)ですが、社会保険労務士の受講生の間でも、非常に厄介なというか、いやな部分でもあります。そういう私もそうでした。しかし、年金の沿革から考えて、意味が分かってしまえば、なーんだと思えるところです。再度、勉強してみてそう思いました。
まず、任意加入期間の説明です。これは、任意加入として、国の方で加入してもしなくてもどちらでもいいよといわれた期間です。はじめは、私はそれならば、加入しない者に責任があるのだから、なんでカラ期間にするのか意味がわかりませんでした。しかし、考え直してみると、国の方で入らなくてもいいよと言った手前、そのことが原因で25年の受給資格の期間を満たさなくて、もらえなくなるのは気の毒ですし、本人の責任だけとも言えません。そこでカラ期間での救済となるわけです。次のようなものがあります。
A.昭和36年4月から昭和61年3月までに、20歳以上60歳未満の被用者年金制度の加入者の被扶養配偶者(サラリーマンの妻など)が、国民年金に任意加入しなかった期間
B.昭和36年4月以降平成3年3月以前に、任意加入しなかった20歳以上60歳未満の学生の期間(平成3年4月からは強制加入となっている。)
C.昭和36年4月以降の期間で、国民年金に任意加入しなかった20歳以上60歳未満の間の海外在住期間
Aのサラリーマンの妻の場合ですが、「昭和36年から」というのは、ここから国民年金が創設されたわけです。被用者年金はもっと早くからあったわけです。国民年金の加入が始まったのがこの年からというわけで、期間を国民年金に合わせてあるということです。国民年金・被用者年金ともに期間として計算するのは、同じ36年からということにしているのです。では、終わりの「昭和61年3月まで」というのは、なんでしょうか。翌月の昭和61年4月からは、国民年金と被用者年金が統合され、いわゆる一階部分の国民年金としての基礎年金が、2階部分に被用者年金がという構図ができあがり、サラリーマンの妻(被用者年金の加入者の被扶養配偶者)が3号被保険者と位置付けられ、強制加入となります。「昭和61年3月」というのは、サラリーマンの妻が、任意加入として認められていた最後の月というわけです。20年以上60歳未満というのは、1号被保険者(農業者、自営業者等)がこの年齢の範囲であるため、これに合わせています。もちろん、任意加入して、納付すれば、「納付済期間」となりますので、「国民年金に任意加入しなかった期間」となっているのいです。
Bは、学生の任意加入のところです。ここも国民年金の創設の「昭和36年4月」からになっています。平成3年4月からは、強制加入となったので、終わりの方の期間は、「平成3年3月」となっています。
Cの海外在住邦人ですが、1号被保険者(自営業者等)は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人となっており、海外在住者は日本国籍をもっていても、1号被保険者にはいらないのです。そこでここから除いた任意加入としての海外在住者の期間をカラ期間としているわけです。なお、2号(被用者、サラリーマン等)・3号(いわゆるサラリーマンの妻)については、日本国内に住所があるという条件は付いていないので、強制になりますので、ここでいう海外在住邦人には含めません。あくまでも1号としてお考えください。
これらの任意加入期間の応用・延長として、次のD、Eを掲げておきます。今までの説明でほぼわかると思いますので、説明は省きます。
D.被用者年金制度等から支給される老齢(退職)年金受給権者とその配偶者、障害年金受給者とその配偶者、遺族年金受給者について、国民年金の任意加入であるが任意加入しなかった期間のうち、昭和36年4月から昭和61年3月までの20歳以上60歳未満の期間⇒旧法時代(S36.4~61.3)には、老齢だけでなく障害・遺族も受給権限があれば、国民年金の任意加入となっていたようです。
E.昭和61年3月以前に、60歳になるまでに被保険者期間が25年にならないため、任意脱退の申し出をして承認され、国民年金の被保険者にならなかった期間
<次回へ続きます>⇒ <複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(第2回)>
⇒ <複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(付録)>
<参考> 年金アドバイザー受験対策シリーズ(経済法令研究会編)同研究会発行 より、(1.2.3.4.及び A.B.C.D.E.については、引用)
なお、「被用者年金」は会社等に雇用されている者の年金という意味ですので、厚生年金だけではなく公務員等の共済年金も含んだ意味で使っています。