元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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派遣労働者の施設利用につき派遣先は配慮義務・努力義務があるのだが・・派遣労働者にやさしい派遣先とは

2016-02-12 18:17:57 | 社会保険労務士
 派遣労働者にやさしい派遣先の会社とは<気遣い・気配りのある会社/チェックシート>

派遣労働者が派遣先において仕事をする際に、そこでの福利厚生施設についての利用の制限があったりして、派遣労働者は差別されているとの認識をもち、よく苦情相談として出てくることがあるようです。

そこで、派遣先での福利厚生施設の中でも、給食施設、休憩室、更衣室については、特に業務の円滑な遂行に必要な施設であるので、派遣労働者に施設利用の機会を与えるよう配慮しなければならないとし(派遣法40条3項)、また、その他診療所等の現に派遣先の従業員が通常利用している福利厚生施設についても、派遣職員に利用させる便宜を図るよう努力義務が規定されています(派遣法40条4項)。

繰り返しますと、給食施設・休憩室・更衣室の利用については、派遣先会社への配慮義務であり、派遣先の「会社の従業員が日常利用している施設」に対する利用については、派遣先会社への努力義務であって、施設利用に当たって派遣先の会社に対しては、必ずしも「しなければならない」という義務として規定しているわけではないところです。しかしながら、派遣先会社に対して不十分ながら一定の配慮・努力義務が規定されているところではあります。

 そこで、今言いました法に規定してある配慮・努力義務を含め、勤務条件とまでは言えないちょっとした待遇面まで、派遣先会社側で気が付かない気配り不足というようなこともあるようです。派遣労働者の本音として、布施直春氏は(*1)著書の中で次のような例を挙げています。
 
 1、派遣社員は、社員食堂を利用できない。社員番号がないと、どの福利厚生施設も利用できない。
 2、社員食堂には社員価格があり、派遣職員はそれよりも100円高い。
 3、社員にはロッカーがあるのに、派遣社員にはない。
 4、派遣社員は、派遣先会社で使用する備品、事務用品を自費購入させられる。
 5、派遣職員は、どんなに長く働いても、座席表に個人名を掲載してもらえない。
 6、派遣職員の職場の飲み会への参加が、派遣の契約条件になっている。会費を1回5000円払わされる。
   派遣職員は、料理を皿に取り分ける係、ドリンクの注文係をやらされる。
 7、派遣職員は営業アシスタントで、自費で取引先の接待をしなければならない。

 チェックの結果はいかがでしようか。ちょっとしたことでも、アウェイにいる派遣労働者からはなかなか言い出せないこともあるようです。ホームにいる会社側の社員は、買って知ったる我が家ですから、言われればそうだがというようなことですが・・・ホームグラウンドの優位性から半分は分かっているのか、又は意識的行っているところもあるかもしれませんが、全く気が回らないで行っているところもあるようです。特に5の座席表の件については、気遣いが足りないことからくることかもしれませんね。

(*1)詳解平成27年度改正労働者派遣法p216 布施直春著 ㈱中央経済社発行 

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