マズロー5段階説とハーズバーグの衛生要因<達成感、賞賛・承認、仕事そのもの、成長と向上>
人間は、常に何かを求めている(欲求)いるのであって、ある欲求が満たされると、別のより高度の欲求が出てきて、段階的に次ぎ次に欲求が出てくるという。これを、マズローの5段階説というが、段階的には、①生理的欲求(食べたい、眠りたい等) ②安全の欲求 ③所属と愛の欲求(会社家族など組織への所属欲求等) ④承認の欲求(他人から認められたい) ⑤自己実現の欲求(最終の人としての願望)であって、①が満たされて②③と上がっていき、最後が⑤である。
給与が少ないとして結婚もできないというのは、まさに生理的欲求が満たされておらず、①の段階も満たされていない段階であって⑤の自己実現は到底望めない。しかし、いっぱい給料をもらっている人は、給料的には十分満たされており、職場には十分満足しているといえるのか。
ところが、ハーズバーグは、給料は、不満足要因(それが不十分だと意欲は低下する)とはなれ、十分満たされていても満足要因(十分だと意欲が高まる)とは限らないとした。彼は、給与の他、昇進、上役・部下・同僚との対人関係、責任権限、仕事そのものなどがどのような影響を与えるかを聞き取り面接を行い500例程を集めた。その結果、給料不足等職務不満を導く要因と他の職務満足を導く要因がそれぞれ別のものであることが判明した。不満要因であってその不満要因を十分にやっても、職務そのものには満足しない、すなわち仕事のモチベーションは上がらないという。別の満足する「要因」を与えなければ、職場に満足しないという。
では、その満足要因とは、どんなものがあるのか。達成感、賞賛・承認、仕事そのもの、成長と向上である。これがなければ、仕事のモチベーションは上がらないのである。一方、不満足要因としては、賃金、労働条件、人間関係、作業条件、監督され方であるというので、これが十分にあっても「不満足」とはなっても職場に対する満足要因とはならないのである。
ここで不満足要因と言ってきたが、ハーズバーグは「衛生要因」と呼び、これは予防的であり環境的であるという意味であって、職場に当てはめると、これは従業員の生産能力を増大させることはなく、生産制限などのよる従業員の業績の低下を予防するにすぎないということから来ている。これに対して、満足要因とは、これが不十分であるからと言って、極端に意欲が低下するわけではないが、十分であれば意欲が高まることから、「動機づけ要因」と呼んだ。(「衛生要因」とは、私としてはしっくりこなかったが、そういう意味であると理解すれば、納得。)
先のマズローの5段階説の①生理的欲求 ②安全の欲求 ③所属と愛の欲求 (④承認の欲求の一部も含まれる。)は、ハーズバーグに言わせれば、「衛生要因」である。あくまでも、仕事に対する意欲そのものにはつながらないが、仕事に対する不満足にはつながるということである。
最初に話した結婚も出来ないほどの給与の少なさと言うのは、意欲の低下につながるので、相当の給与を支給しなければならないが、それだけでは、職場に従業員が定着するのは無理で、仕事に対する達成感、承認・賞賛、仕事そのものの面白さがなければ長く務める要因とはならない。成長と向上も「動機づけ要因」であるから、キャリアパス(組織内昇進・昇格の道筋の整備)を作るのも従業員が長く務めることにつながる。
参考 監督者の研修 人事院事務総局編
介護職員キャリアパス構築・運用マニュアル 日本ヘルスケア編 日経BP社発行
人間は、常に何かを求めている(欲求)いるのであって、ある欲求が満たされると、別のより高度の欲求が出てきて、段階的に次ぎ次に欲求が出てくるという。これを、マズローの5段階説というが、段階的には、①生理的欲求(食べたい、眠りたい等) ②安全の欲求 ③所属と愛の欲求(会社家族など組織への所属欲求等) ④承認の欲求(他人から認められたい) ⑤自己実現の欲求(最終の人としての願望)であって、①が満たされて②③と上がっていき、最後が⑤である。
給与が少ないとして結婚もできないというのは、まさに生理的欲求が満たされておらず、①の段階も満たされていない段階であって⑤の自己実現は到底望めない。しかし、いっぱい給料をもらっている人は、給料的には十分満たされており、職場には十分満足しているといえるのか。
ところが、ハーズバーグは、給料は、不満足要因(それが不十分だと意欲は低下する)とはなれ、十分満たされていても満足要因(十分だと意欲が高まる)とは限らないとした。彼は、給与の他、昇進、上役・部下・同僚との対人関係、責任権限、仕事そのものなどがどのような影響を与えるかを聞き取り面接を行い500例程を集めた。その結果、給料不足等職務不満を導く要因と他の職務満足を導く要因がそれぞれ別のものであることが判明した。不満要因であってその不満要因を十分にやっても、職務そのものには満足しない、すなわち仕事のモチベーションは上がらないという。別の満足する「要因」を与えなければ、職場に満足しないという。
では、その満足要因とは、どんなものがあるのか。達成感、賞賛・承認、仕事そのもの、成長と向上である。これがなければ、仕事のモチベーションは上がらないのである。一方、不満足要因としては、賃金、労働条件、人間関係、作業条件、監督され方であるというので、これが十分にあっても「不満足」とはなっても職場に対する満足要因とはならないのである。
ここで不満足要因と言ってきたが、ハーズバーグは「衛生要因」と呼び、これは予防的であり環境的であるという意味であって、職場に当てはめると、これは従業員の生産能力を増大させることはなく、生産制限などのよる従業員の業績の低下を予防するにすぎないということから来ている。これに対して、満足要因とは、これが不十分であるからと言って、極端に意欲が低下するわけではないが、十分であれば意欲が高まることから、「動機づけ要因」と呼んだ。(「衛生要因」とは、私としてはしっくりこなかったが、そういう意味であると理解すれば、納得。)
先のマズローの5段階説の①生理的欲求 ②安全の欲求 ③所属と愛の欲求 (④承認の欲求の一部も含まれる。)は、ハーズバーグに言わせれば、「衛生要因」である。あくまでも、仕事に対する意欲そのものにはつながらないが、仕事に対する不満足にはつながるということである。
最初に話した結婚も出来ないほどの給与の少なさと言うのは、意欲の低下につながるので、相当の給与を支給しなければならないが、それだけでは、職場に従業員が定着するのは無理で、仕事に対する達成感、承認・賞賛、仕事そのものの面白さがなければ長く務める要因とはならない。成長と向上も「動機づけ要因」であるから、キャリアパス(組織内昇進・昇格の道筋の整備)を作るのも従業員が長く務めることにつながる。
参考 監督者の研修 人事院事務総局編
介護職員キャリアパス構築・運用マニュアル 日本ヘルスケア編 日経BP社発行
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