goo blog サービス終了のお知らせ 

元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

年休(年次有給休暇)の買い取りは違法か?

2011-05-07 06:06:46 | 社会保険労務士
「ひるおび」の番組の中から(2)

1 ひるおびの番組の中で、八代弁護士が法律解説していたコーナーの名称を、思い出しました、ジャッジマンでしたね。その第2問です。
  有給休暇がたまって仕方がないので、会社に余った有給休暇の買い取ってもらえるか、というものです。
  年次有給休暇(一般に「年休」年休といっていましが、正式には「年次有給休暇」です。)とは、休日とは別に、心身の疲労を回復させ、労働者の働いていくのを維持させるものなんです。そういった趣旨から、法的に労働基準法でに認められた制度です。しかも、名称上当たり前のことですが、給料を与えながら、休暇を与えられるということです。
 したがって、年休を与える代わりに金銭を支給しても、年休を付与したことにはならず、原則的には違法です。
 ひるおびの番組の中の解答は、ここまでです、これが正解になっています。

2 特に年休の買い上げを予約することは、年休の制度そのものを台無しにすることから、行政としては、厳しく指導してきたという経緯があります。しかしことはそう単純ではありません。どこも買い上げを禁止した法律上の条項はありませんし、残業が一般化し、生活賃金の一部に組み込めれている現状から、労働協約によって定めれた年休買い上げまで無効にすべきではないとの議論もあります。

3 裁判では、半日勤務のパートタイマーに年休を与えていないことから、欠勤した年休について、有給休暇を取得して消化したものとみなし、賃金相当部分の損害賠償を命じたものの他、退職日の使い残した有給休暇について、会社で決めた買い上げ制度により、買い上げたものを有効としたものがあります。(前橋地裁平4、労働紛争解決実務講義「河本毅」)

4 実務的には、次の例外(適法?!)を考えておけば、いいのではないでしょうか。
 ・ 法定の有給休暇以上に、会社として認めているところもありますが、その会社でそれ以上に認めた休暇については、当然に買い上げすることができます。(行政も認めています。)
 ・ 時効(2年)で消滅してしまった休暇については、買い上げ可能。
 ・ 退職予定者がまとめて請求し、引き継ぎもできない場合には、スムーズな事務のためには、買い上げをすることは、可能であると考えられています。
 ただし、原則は、有給休暇の制度上の趣旨から、買い上げは認めていないものであり、法律上の義務はなにもないものですので、どう考えるかは、会社の自由ということになりますので、念のため。


  

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パートは有給休暇が取れるの? | トップ | 辞める前の有給休暇のまとめ... »

コメントを投稿

社会保険労務士」カテゴリの最新記事