ある方から「どうして櫨蝋のワックスを弓に塗るといいのか?」と聞かれました。
それで(あれ?何でいいって思ったんだっけ?)と
最初の頃をつらつら思い出してみると…。
松永重児著「肥後三郎 弓に生きる」という本にあったのでした。
いつも私は弓道場でも何かと櫨の話ばかりしているんですが、
先生が読んでいたこの本に「櫨のことが書いてあったよ!」と教えてくれたのでした。
この本をちょっとだけご紹介すると…
著者松永重児氏は、もともと東京在住の弓造り職人でした。
しかし東京では竹や櫨、ニベ(鹿の生皮を煮詰めた接着剤)の良いものが手に入りません。
良い弓を作りたいという一心で、彼は熊本の球磨川べりに移り住みます。
そして京弓と薩摩弓の特徴を生かした名弓「肥後三郎」を生み出します。
この本は弓造り一筋に打ち込んだ職人の、弓への思いを熱く熱く熱く語った本なのです。
ただ実のところ、やはり弓造りの主役は竹にあり、二番手はニベなのではないかと思います。
その二つの話題だけで、松永氏の頭の八割を占めていたような。
しかし確かに櫨の側木にワックスを塗ると書いてありました。
--------引用
「…昔はロウ仕上げ、クルミ仕上げといって、側木に塗って艶を出していました。…中略…
こうした艶や色を出すのも、弓を育てる一つなんですね。」
--------引用おわり
この一文を読んだ私の先生が、
「和ろうそくを弓にそのまま塗ろうとしたけど、固くて塗りにくかったよ。あれ。」
「先生、櫨のワックスならありますよ。クリーム状になるから塗りやすいですよ。」
それで試しに塗ってみたら、確かに竹弓にみるみる艶が出てきました。
おまけに弓ばかりでなく、固い安土で痛みやすい竹矢の先っぽにも塗ると
艶だし保護になることがわかりました。
そんなわけで、竹弓・竹矢を愛する弓引き用に「櫨蝋のワックス」デビューとなったのです。
私は、このアイディアの示唆を与えてくれた本「弓に生きる」に感謝し
松永重児氏が生み出した名弓「肥後三郎」を相良弓矢製作所からお借りして
7月から始まる「櫨の灯り展」に展示させていただくことにしました。
先日亡くなった水野晴郎氏に倣って言うならば、
「いやあ、弓って、本当にいいもんですね~。」
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それで(あれ?何でいいって思ったんだっけ?)と
最初の頃をつらつら思い出してみると…。
松永重児著「肥後三郎 弓に生きる」という本にあったのでした。
いつも私は弓道場でも何かと櫨の話ばかりしているんですが、
先生が読んでいたこの本に「櫨のことが書いてあったよ!」と教えてくれたのでした。
この本をちょっとだけご紹介すると…
著者松永重児氏は、もともと東京在住の弓造り職人でした。
しかし東京では竹や櫨、ニベ(鹿の生皮を煮詰めた接着剤)の良いものが手に入りません。
良い弓を作りたいという一心で、彼は熊本の球磨川べりに移り住みます。
そして京弓と薩摩弓の特徴を生かした名弓「肥後三郎」を生み出します。
この本は弓造り一筋に打ち込んだ職人の、弓への思いを熱く熱く熱く語った本なのです。
ただ実のところ、やはり弓造りの主役は竹にあり、二番手はニベなのではないかと思います。
その二つの話題だけで、松永氏の頭の八割を占めていたような。
しかし確かに櫨の側木にワックスを塗ると書いてありました。
--------引用
「…昔はロウ仕上げ、クルミ仕上げといって、側木に塗って艶を出していました。…中略…
こうした艶や色を出すのも、弓を育てる一つなんですね。」
--------引用おわり
この一文を読んだ私の先生が、
「和ろうそくを弓にそのまま塗ろうとしたけど、固くて塗りにくかったよ。あれ。」
「先生、櫨のワックスならありますよ。クリーム状になるから塗りやすいですよ。」
それで試しに塗ってみたら、確かに竹弓にみるみる艶が出てきました。
おまけに弓ばかりでなく、固い安土で痛みやすい竹矢の先っぽにも塗ると
艶だし保護になることがわかりました。
そんなわけで、竹弓・竹矢を愛する弓引き用に「櫨蝋のワックス」デビューとなったのです。
私は、このアイディアの示唆を与えてくれた本「弓に生きる」に感謝し
松永重児氏が生み出した名弓「肥後三郎」を相良弓矢製作所からお借りして
7月から始まる「櫨の灯り展」に展示させていただくことにしました。
先日亡くなった水野晴郎氏に倣って言うならば、
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