松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

折れた矢

2007-11-06 22:58:46 | 和弓と櫨
弓のお稽古の日。
まだ私は的前には立てないので…ていうかゴム弓三昧なんですが
先生や先輩方の射を見学していると、
なんと先生の矢が折れるというハプニングがありました。

イヌワシの矢羽根ごと、二つに割れています。
どうやら六本組の非常に高価な矢とのことで、
先生の落胆も端から見て明らかにわかる程でした。
…壊れる可能性のある高価な矢なんて、どうして買うんだろう。
先生にそんなことは言えませんが、ちょっとばかし思った瞬間がありました。

これがジェラルミンの矢なら安価だし壊れることもほとんどないので
自分だったら、竹矢にお金はかけないだろうなぁと思います。
でももし、竹矢に櫨が使われていたとしたら?
怖いことに、私は財布の事も考えず買ってしまうかもしれません。
そう思うと、なんとも複雑な気持ちになりました。

また午後になって、初めてお寺さんから「正徳芯和ろうそく」30号は作れるのかどうか
問い合わせがあったのですが、
値段が合成ローソクの三倍はかかると伝えると、
「うちはたくさん使うから、とてもじゃないけど金額が高すぎる。」と言われました。

櫨ろうそくは仏壇を黒いススで汚さず、美しい燃焼をする。
わかってはいても、金額が折り合わなくてはどうしようもありません。
イヌワシの矢羽根の竹矢は使いやすくて美しく飛び、的に的中しやすい。
わかってはいても、金額の事を思うと安価なものに妥協しなくてはならない時もあります。

価値観は人それぞれですが、櫨ろうそくも竹矢も、世間一般から見て
いわゆる「変わった物好き」が買うシロモノなのかなと思います。
竹矢も櫨ろうそくも、もっと安くなれば「変わった物好き」ばかりじゃなくて、
「ちょっとだけ変わった物好き」が買ってくれるだろうに。

私がやっている事は、それを目指してることでもあるんですが、
道のりは遙か銀河の彼方まで続いていそうな気がします。

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