後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔402〕ついに『小さい水の精』『小さいおばけ』でオルフート・プロイスラー「全踏破」です。

2021年09月28日 | 図書案内
  コロナ禍での楽しみのひとつは今まで読みたくてもその機会がなかった本を手に入れてじっくり読み込むことです。私の「守備範囲」はおもに教育・社会・政治・演劇・文化に関する書籍や、小学校教師だったということもあって児童書にも良く手が伸びます。
  児童書としては日本人作家の作品以外にも外国の作家も好きです。とりわけ贔屓にしているのがミヒャエル・エンデ、ロバート・ウェストール、オルフート・プロイスラーです。 教職についてすぐにはまったのがドイツ作家のエンデとプロイスラーです。2000年頃からはイギリスのウェストール作品を片っ端から読み始めました。ウェストールの「弟の戦争」という児童劇が切っ掛けでした。以前のブログに書いていますので興味のある方は探してみてください。
  この3人の物語は一部を除いてほぼ全作品を読み尽くしました。

  ところがプロイスラー作品で手が出なかったのが10年かけて書いたという『クラバート』でしたが、以前のブログにありますようにこの長編もようやく読み切りました。最後に読み残していたのが処女作の『小さい水の精』でした。近隣のブックオフ巡りをしていたとき目の前に突然現れたのがこの本でした。以前に買っておいた『小さいおばけ』と合わせてプロイスラー「全踏破」と相成ったわけです。
  プロイスラーは小学校の元教師だったこともあり親近感がわきました。さらに、『小さい水の精』の翌年に書いた『小さい魔女』が劇団四季のミュージカル「魔法をすてたマジョリン」の原作と思われるので興味を持って手にしたのを覚えています。余談ですが「魔法をすてたマジョリン」をおそらく初めて演じたのが近隣の清瀬小学校の子どもたちでした。清小の教師集団が潤色し、音楽を採譜して上演し、それが評判となって東京の小学校に広まったのです。
  『小さい魔女』はドイツのブロッケン山の魔女伝説が元になったお話です。『小さいおばけ』は『小さい魔女』の10年後ぐらいに発表された作品です。現在はどうかわかりませんが、小学校3年生に教科書にも掲載されていたということで、多くの読者をもつことになりました。自分の子どもたちに語って聴かせたという『小さい水の精』より遙かにこなれた作品になっています。
  興味深かったのは『小さい水の精』と『小さいおばけ』の翻訳者、はたさわゆうこ(畑澤裕子)さんは清瀬の明治薬科大学でドイツ語の非常勤講師をされているということです。何かの縁を感じますね。
  プライスラーの3部作「大どろぼうホッツェンプロッツ」を再読しようとして孫たちにあげてしまったのを思い出しました。取り返すしかありませんね。嗚呼。

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