エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

三日目である

2012年01月03日 | 日記
三ヶ日と言う言い方があるけれど、そろそろ正月気分を抜くのである。
明日からは平常の感覚に戻って生きる。



今日は風が強かった。

「三ヶ日」という言葉の響きには、生きることへの思いが籠っている。

強い風の中外出も躊躇われた。
従って、今日は色紙の練習をした。
実は、昨日から練習帳を買い求め墨を磨った。
書いた句は・・・。



    たいらかな年のはじめの墨磨りぬ      野 人



である。
穏やかで、心静かに迎えた新年を吟じた。

昨日から、我が家は墨の匂いに満ちている。
良い匂いである。



硯に水滴を二滴落として墨を磨る。
香しい墨の匂いが立ち上る。

使う墨は中国で買い求めた墨である。
古い中国の墨は、食べられる。
かつては非常食でもあった。

良質なもち米と煤を捏ねて形成する。
水も良いのであろう。
と同時に、中国人の歴史の壮大さや息吹が墨の一つから伝わってくる。

良い墨と印泥・・・などの文房具が発達した事が頷けるのである。
筆もしっかりしている。
かすれも良い。
スラッと書きあげられるのである。

今日の染筆葉、五日の句会で賞品となる。
ぼくのような学生時代以降、筆を持ったことのない者の書など、貰った方が迷惑であるに違いない。
しかしながら、500円の賞品を買って持っていくよりは良いだろう!
その思いだけである。

なんたって、雅印は自分で刻したものである。
句会の参加者の中には、書がもっと上手になったら染筆を出す!
と言っているそうだ。

ぼくなどは、後10年もしなければ染筆など書けない。
今がチャンスである。

染筆は、色紙や短冊の裏面に書く。
表面に書くのは「僭越だから」という意味合いである。

それなら、僭越ながらと賞品にしても良かろう。
そう居直ったのである。

明日はもう年が明けて4日目である。



ピラカンサスの赤がやけに鮮明だった。
それだけでも嬉しいではないか。





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 荒野人