エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

病葉

2016年07月14日 | ポエム
わくらば、である。
本来なら、青々として夏の日ざしを謳歌しなければならぬ!

だがしかし、不幸にして蟲に取りつかれたり、病を得た葉のことである。
枝から離れてしまう。
拠り所を失った葉のことである。



何故か、悲しみが溢れて来るではないか。
無常とか、非情とか抗えない悲しみを思うのだ。







「病葉の残されしとき散々に」







ずっと以前、病葉を流れる川に浮かべてしんみりとする歌があった。
その女は、毎日のように病葉を浮かべて悲しみに耽っている。

確か、オキナワ出身の「ナカソネミキ」が唄った。
すこし大柄な歌手であった。



ぼくは、病葉を押し頂くように写真に撮った。
自分の健康だとか、生涯だとか、あるいはまた死生観を思った。



     荒 野人