エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

奄美の休日〜2

2016年07月30日 | ポエム
奄美の山は高い。
谷は深いのだ。
人々は、浜に沿って生活している。
そうした島なのである。



だがしかし、海は限りなく透明に近いブルーである。
そういえば、そんな題名の小説もあった・・・。
芥川賞をとった小説である。

山には、ハブがいる。
ハブが守っている自然である。
奄美の口伝では、山にはケンムンという妖怪がいるのだ。
だから、山は危険な場所として子どもたちに伝えられる。



言い換えれば、ハブのいる場所にケンムンがいるとするのである。
古人の知恵である。

現実に、ケンムンと会ったことのあると言う長老が生存している。
けれど、この数十年ケンムンと出会った人は居ないらしい。
島の文化の風化なのだろうか。
だとすれば、少し寂しい。



関東が梅雨明するころ、奄美の自然は秋の気配が漂ってくる。
とりわけ、高い山の向こう側は秋の気配である。



秋の雲、である。



だがしかし、海からは入道雲。
その二つの季節が、自然に身体の中に入ってくる。

天国の島、と云われる所以である。







「山に沿いぐるり向こうの雲の峰」







野人の休日は、始まったばかりである。
さて、いかほど奄美を紹介できるだろうか。



      荒 野人