エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬夕焼

2017年12月17日 | ポエム
冬夕焼は、あっという間に雲散霧消する。
消えてしまう。
錆び付いて寒さだけが身にしみるのである。

冬夕焼は、だからと云っては下手な理由づけだけれど寂しい。



街の空は狭い。
電線と建家と、人いきれで濁っている。

空を返せ、と云いたいのである。



刹那を愉しむ冬夕焼は、とても大切な時間である。







「街の空電線だらけの冬夕焼」







けれど、冬夕焼は短いけれど美しく儚い。
何も考えず、ひたすら夕焼を眺める。



公園では空は広い。
だがしかし、あまりにも寂しい。

その寂しさに、錆と寂を同意語とする。
それこそが、冬の刹那である。


      荒 野人