魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

引き縄メジマグロの魅力

2012年03月12日 | 魚食生活
引き縄漁の魚

 魚を獲る方法は、網で獲るか、釣るか、大きく分けて二つの方法がありますが、
網でもいろいろな網の仕掛けがあり、釣りにもいくつもの釣り方があります。

 市場に流通する魚は、一般的には釣りものの方が上ものとされ、値段も高く取引
きされています。わたくしたちが市場で魚を買うとき、一見して品質の見分けが
つきにくいものです。分からないといってもいいくらいです。

 市場に慣れてきたら、漁の仕方による品質の違いを知るのも、魚選びのよい
方法です。つまり美味しい魚を手に入れることが出来るようになります。

 先日、引き縄漁のメジマグロを奨められて一本買いました。4kgほどの小さな
マグロですが、アジやサバに比べたら大型魚です。

     

      
 
 早速さばいてみました。

     
 
 色味もとてもきれいで、ねっとりとした身質で、さばいたときに
 身が盛り上がってきます。新鮮で丁寧に取り扱われた証拠です。


 この内臓を見てください。

     

 五臓六腑がしっかりとしていて、プリプリしています。   
 見えているのは、肝臓・胃袋・心臓などです。

 新鮮で美味そうなので、身を食べる前に刻んで食べてしまいました。

     

 美味しかったですよ。

 カマも塩焼きにして食べました。

     

     

 それから身を食べました。

              

 乱暴に取り扱われた魚は、身も緩んでしまい、早く品質が落ちて
しまいます。魚の日持ちがしません。

何より、美味しさが違います。美味しい魚を求めるのなら、市場に
 行って買うことです。

 市場は専門家集団ですから、親しくなればいろいろ教えてくれます。
みんな、わたしの魚の先生ばかりです。

 引き縄のことも、市場の先生から教えてもらって、今日も一つ知恵が
つきました。市場は”魚っ食い”のための学校です。

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芝エビは美味い万能食材

2012年03月10日 | 魚食生活
    芝エビを徹底的に食べ尽くす

横浜中央卸市場に、極上の芝エビの入荷があると必ず買う。
まとめて調理しておくと、美味しく・便利な・万能食材となるから。

 シバエビは、こんな姿をした小さな海老です。
 体長は10cm前後、体重6~10gくらい。

     
 
 卸市場ではこんな姿で店頭にあります。

     

  卸市場では、1kg単位で量り売りしてくれます。
  小売の魚屋さんでは、パック詰め(20~30尾)で売っています。

 
 この海老を、頭を取って背ワタを抜いて、殻を剥きます。
 まな板の上で細かく刻み、すり鉢(当り鉢)でざっとすり潰します。
 その時、塩少々を加えます。

     
  
 小さじですくって、手のひらで小さく丸め、熱湯の鍋に落とします。
 浮き上がったら茹で上がりです。

     
 
 高級な椀種となります。
 茶碗蒸しの具になります。

     

 味噌汁に一つ入れれば、味がぐんとよくなります。
 野菜炒めにも、お好み焼きにも便利です。

 炊き込みご飯によくします。
 お釜に、酒・塩・醤油で好みの味付けをして、
  えびしんじょうを適宜お釜に入れて炊くだけ。
  美味しい炊き込みご飯の出来上がりです。

      

 まだまだ、使い道はいくらでもあると思います。
 いちどに沢山作って、冷凍しておくと重宝します。

     


 隠し技ーその1は、この茹で汁の活用です。
 たっぷりの水で茹でましょう。
 この茹で汁には、たっぷりの濃厚なダシが出ています。
 これを捨ててはいけません。
 瓶につめて取っておきます。

     

  吸い物に、味噌汁に、煮物に、炊き込みご飯の中に、
  上品で濃厚な出汁として使います。

      
 隠し技ーその2
  沢山作った時には、製氷皿でダシ氷をつくって保存します。

     

  このダシ氷を2~3個を鍋に入れ、
  海老しんじょうを2~3個落として、
  水をちょっと加えて火にかけ、
  醤油を加えれば吸い物に、
  味噌を加えれば味噌汁になります。
   いちど味わったら、止められなくなります。

     

 今回は、3kgを一時に作りましたが、これは結構な仕事です。
 はじめは、1kg(120~130尾)くらいで始めるのがよいと思います。

 
 隠し技ーその3 海老のワタヌキ
  背ワタは抜いておかないと、茹で上がったときに黒く目立ちます。
  芝エビの背ワタのとり方は、楊子でとるのが普通ですが、
  キッチンペーパーを使います。

   海老の頭を、手でもぎ取ります。
   ちぎったところに、背ワタの端がのぞいているので、
   そこを、ペーパーでつまんでそおっと引き抜きます。

   その後、殻を剥き尾の付け根を指で押さえれば、身が取れます。


 芝エビをそのまま、塩茹でして冷凍しておいても便利です。
 いろいろな場面で使えます。

     

     

     

     

 芝エビは、こまかいので手間ひま掛かりますが、
 海老の殆んどが、養殖・冷凍・輸入の中で、
 数少ない「天然海老」として貴重です。

  かき揚げ天ぷらにしたら美味しいですよ!!
 
       
 

 最後に、千切りとった頭は茹でてすり潰し、湯がいて漉せば、
 これまた濃厚な出汁が取れます。揚げて塩でも振ったらおつまみ
 にもなりそうな気もするのですが・・・
 
     

     

 こんなことをする人は少ないと思いますが、その気になったとき、
 試してみては如何でしょうか。
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寒サバを食べる

2012年01月31日 | 魚食生活
  寒サバ4尾

 今朝の市場に、小振りだが鮮度抜群の寒サバがあった。(平塚産:朝揚げ)
     


 3枚に下ろす。
     

 
 みぞれ煮を作り、早速いただく。
     


 しめ鯖用にたっぷり塩を振る。
     


 しめ鯖を作る。
     


 塩をして、干物を作る。
 気温が低く(夜はー2℃)、湿度が低いので干物向きの好天だ。
     



 あとの一尾は、照焼きにするか、味噌煮にするか、ゆっくり思案しよう。   1130記
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サクラマス(本マス)を1尾食べ尽くす一週間

2012年01月20日 | 魚食生活
 
 大きな魚を1尾、まるまる食べ尽くす一週間

本マスのはしりが入荷した。
これから春先にかけて、脂が乗ってくる。
青森産の2.2kgの美形、鮮度抜群!!
この姿を見てください。

      


 これを一週間かけて食べ尽くすことにした。

まずは一番大好きなフライから。

   

   サケ・マスは、何にしても美味しいが脂の乗ったマスはフライが旨い。
    芝エビがあったので、楊子を刺してこれもフライにした。
    手数でもこうすると、曲がらずにまっすぐ揚がる。もちろん頭から
    丸ごと食べられる。


翌日、照焼きにする。

   

   漬け汁を煮詰めてかけまわし、盛り付けた。
    焼き葱と黄色のブロッコリーを添えてみた。
    魚の皮はどれも美味いが、マスの皮はパリパリとして
    細かなウロコなぞぜんぜん気にならない。


3日目、マスすしを作ることにした。

   

   中落ちとカマ・頭に一塩して、グリルで焼いて身をほぐした。
    どんなに丁寧に下ろしても、骨周りに多少の身は残る。
    魚が大きいので、これで十分の量だ。
    木鉢にすし飯をつくり、炒り卵・炒り胡麻とともに混ぜ込む。
    もちろん、皮も細かく刻んで混ぜる。
    小どんぶりに盛り付け、焼き海苔を散らした。
    美味い!美味い!を連発してぺろりと平らげる。


4日目、コロッケを作ることにした。

   

   尾っぽに近いところ150gを塩焼きして身をほぐす。
    皮も細かく刻む。
    大き目のジャガイモ2個はレンジにかけてボールに移してつぶす。
    玉ねぎ、にんじんを細かく刻み塩・胡椒をして炒める。
    17個出来た。 8個を揚げて9個は冷凍にする。


5日目、もう一度マスすしを食べたくなった。

   
   
   
   
   


6日目、折角いろいろ作ってきたのだから、ハンバーグを試みることにした。

      

  マスは塩焼きにして身をほぐした。
   玉ねぎ、にんじんを細かく刻んだところに、銀杏も加えた塩・胡椒で炒める。
   パン粉を牛乳で戻し、具をあわせ、溶き卵を加えて練りこむ。
   ほど良い大きさにこしらえて、フライパンで焼く。

  型崩れもせず、きつね色に焼きあがった。
 味わいも食感もふんわり軽く、ヘルシーで美味い。
   こんなに美味しければ又作って食べたい。

  1個分の生地が残ったのでこれはパンにはさんで翌日マスバーガーに。


 さて、生の魚が一週間持つのだろうか。
  軽く塩をして0℃の冷蔵庫に保存し、十分鮮度を保つことが出来た。
  もともとの鮮度と、魚の種類によるが、サケマスの類は保存性が
  よいと思われる。


 ということで、6日かかって1尾の本マスを食べつくした。
 二人きりの食卓では、こうした食べ方の工夫は大いにメリットがある。

 7日目はいつになるか、冷凍にしてあるコロッケを食べる楽しみが待っている。


   

   
    











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”魚っ食い”の食卓に上った魚の種類・・・年間のまとめ

2012年01月01日 | 魚食生活
  魚っ食いの決算
 この一年、魚っ食いはどんな魚を食べたのだろうか。
列挙してみる。

大きさ別に見て
 大型魚  黒鮪(ほんまぐろ) めばち鮪  目鉢鮪  めじまぐろ  めかじき
      ぶり  さわら  かつお  さけ  ます  たら  しいら

 中型魚  あじ  あなご  いさき  かさご  かます  かんぱち  まさば  ごまさば
      さごち  さんま  まだい  太刀魚  飛び魚  なめたかれい  にしん
      ほうぼう  ほっけ  まこがれい  まだい  めじな  めごち  柳かれい

 小型魚  いしもち  いわし  うるめいわし  えぼだい  きす  このしろ  さより
      しこいわし  じんた(豆あじ)

 たこ・いか類  あおりいか  すみいか  するめいか  やりいか

 貝類   あさり  かき

 えび・かに類  さるえび  芝えび  毛がに

  一年間で53種類、毎週週変わりで違う種類の魚を食べていることになる。
  去年もおととしもだいたい50種前後だから、毎週1~2回の市場通いでも
  季節にしたがって、こんなに多くの魚に出会えるわが国は恵まれていると思う。


大型魚
    大きい魚も1本買うから、3kg、5kgときには10kgくらいのときもある。
    その一部は、買ってくださるお客さまのところに行くが、大半は夫婦二人で自家消費する。
    生で、焼いて、煮て食べるが、半分は保存食・常備菜に加工する。
    保存食は、粕漬けか甘辛く煮付ける。煮つけは、角煮・しぐれ煮・そぼろなどである。

    今年は例年になく、めじまぐろ・かつお・たらをよく食べた。
    ふつうは切り身で買う魚だが、一本まるまる買ってさばくのが魚っ食いの醍醐味でもある。

中型魚
    煮ても焼いても、だいたい一匹付けにする魚が中型魚であり、一尾丸のかたちで売られている。
    刺身で食べて美味しい魚が多いが、刺身で売られていることは少ない。刺身で食べるには自分で
    さばくに越したことはない。

小型魚
    さばくに手数のかかるのが小魚だ。その代わりだいた価格も安い。そして美味い。
    特に、いわしはもっとも好むところだ。いわしは何回食べただろうか。

いか類
    いかは大好きで美味しいが、同居人が全く食べられないので、我が家では殆んど禁魚である。

貝類
    春は圧倒的にアサリっ食いに徹する。その他の季節は身が痩せているので食べない。
    冬は牡蠣だが、今年は震災で三陸ものが壊滅的被害を受けたので残念の極みだが、一日も
    早い復旧・復活を心から祈るのみである。


食べた回数ランキング(好み)

第1位 あじ   13回
 2位 あさり  11  *
 3位 さば    7
 4位 いわし   6  *
    かつお   6  *
    たら    6  *
    めじまぐろ 6
 8位 かんぱち  5
    さわら   5  *
    さんま   5
    芝えび   5  *
    さくらます 5  *

13位 しこいわし 4  *
    まだい   4
    やりいか  4
    あなご   4
    かます   4
17位 えぼだい  3
    さより   3
    じんた   3

 *芝えび・・・ランキングが8位だが、惣菜としてこんな重宝なものはない。わたしの
        一番の好みだ。エビしんじょうにして冷蔵・冷凍しておく。
 *印の魚は、特に好みの魚であり、新鮮で品質のよい魚(釣り物・脂の乗りの良さなど)が
  あれば一も二もなく買う。そういう点で見れば、魚種の好みもあるが、それ以上に個体の
  よいものを求めて市場を探索していると言ってよい。


季節別に見て
 1月  あじ ぶり 赤地かれい たら 毛がに さより
 2月  ます やりいか にしん 芝えび さわら かつお めじまぐろ

 3月  ほっけ とびうお いわし あさり しこいわし めごち やりいか さわら
 4月  あさり かます かさご ます かんぱち たい かつお しこいわし
 5月  あじ めじまぐろ まこがれい たい あさり あおりいか かます すみいか
     ます しこいわし

 6月  かんぱち さけ たい あじ いさき このしろ たら いわし
 7月  あなご いわし さば めじまぐろ たら さごち いわし じんた(豆あじ)
 8月  ごまさば いわし じんた やりいか かます うるめいわし さば かんぱち
     するめいか さんま
 
 9月  かつお かんぱち えぼだい さんま いしもち 芝えび
10月  えぼだい かつお たい まぐろ さるえび きす さば めじまぐろ いわし
     たちうお たら
11月  あなご さば かつお なめたがれい さわら しこいわし やなぎがれい あじ
     芝えび たらこ めじまぐろ

12月  かき 芝えび めじまぐろ ひらめ さより いさき さわら たらこ

 一般的に言うところの旬に合っているものもあるが、一見して旬に当たらないものもある。
 温暖化で旬の常識がずれてきているものもある。ことし、一番意外だったのが冬のものと
 ばかり思っていたタラが、一年中入荷していることと、夏のタラが美味いということ。

   
市場に入荷のタラ   ことしはこのタラをよく食べた。

食べ方(料理法)から見た考察は、来年のこととしよう。







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