マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

父が残した工具の処分が思った以上に大変な話

2019-11-04 | 終活(モノの整理、心の整理、社会的整理)
DIYが得意だった父が集めた、数々の工具。
私は、もうDIYそのものをしないつもりでいるので、使えそうなモノだけ残してすべて処分することにしているのですが、これがかなり大変です(苦笑)

残すモノ
父が使っていた工具は、かなり本格的なモノばかり。
一見すると、大工だったのか?と思わせるような、ラインナップです。

その中で、残しておこうと思っているモノが、金づち、小さなのこぎり、スクレイバーです。
この3つは、もしも家の中に閉じ込められるような事態、例えば大きな地震の影響でドアや窓が開けられなくなったときなど、この3つがあれば何とか脱出できそうだと思ったからです。
ドライバーも必要ですが、こちらは常に使うモノなので、出し入れしやすい場所へ収納しています。
金づちとのこぎりは、建具の一部を壊すことができるし、スクレイバーも小さな隙間に入れて使うことができるので、防災用品の認識で所有しておこうと思います。

とりあえず捨てたもの
明日は、家庭ごみ回収日なので、いくつか工具を捨てました。

捨てたモノ

 ・差しがね
 ・錆びたのこぎり(全部は確認していないが、おそらくタイプ別に数本あるはず)
 ・圧着ペンチ(電気工事のときなどに使う道具)
 ・カンナ
 ・錆びたキリ
 ・モンキーレンチ
 ・みの
 ・クランプ
 ・水準器

このほかにも、いろいろありましたが、全部出してしまうと、指定ごみ袋が破けてしまうくらい重たくなってしまうので、本日はここまで。
まだ残っている工具は、金属製のモノとそうではないモノとに分別して、金属製のモノは金属小物のリサイクルボックスへ持っていこうと思いました。
あの重たい工具を、ごみ袋に入れて出したら、回収する清掃員の人にも迷惑がかかりますからね。

でも、もしかしたら工具のほとんどが金属製なのではないかと、思っています。

処分が厄介すぎる工具
家の中の日用品や雑貨を処分するときは、それなりに疲れはしますが、重たいものは家具くらいなので、疲労感はそれなりです。
しかし、金属製のモノが多い工具となると、分別するだけで体力を消耗します。
右から左へ移すだけでも、嫌気がさしてきます(苦笑)

父がまだ元気にDIYをしていたころは、何も感じなかったし、お店では買えないような便利な小型家具を作ってくれたりしたので、むしろありがたいと思っていましたが、DIYができなくなり、父が旅立った後、今の今まで、どっしりと居座っている工具が本当に邪魔でした(苦笑)

私も、DIYは好きな方ですが、正直マンションだと音が響いたり、スペースの問題があったりで、限界があります。
また、最近ではホームセンター内にフリーの作業スペースが設置されているところが増え、材料を切ったり、穴をあけたり、くぎ打ちしたりできるため、わざわざ工具を揃えて、自宅で作業する必要もなくなってきました。

これが戸建てだったら、工具を揃えて自宅でするのも楽しいと思いますが、それはただ単に道具や材料を保管しておくスペースがあるから、気にならないだけで、工具は意外と邪魔なのです。
もし、今からDIYをしようと思っている方がいたら、悪いことは言いません。
家族のためにも、新しく工具を揃えるのはやめてください。
作りたいモノがあれば、ホームセンターの作業スペースで、道具を借りながら完成させてください(笑)

すでに工具がたくさんあるという家庭に提案したいこと
今回、やっと着手した父の工具処分。
気が付いたことは、工具は分別が難しいモノであるということです。

家の中の日用品は、ある程度分別しやすい商品だったり素材だったりします。
しかし、工具となると地域によっては分別が厳しい場合があります。
幸いなことに、私が住んでいる地域では、ホームセンターなどで小物金属を回収しているので、金属でできている工具は出すことができます(のこぎり、みの、カッターなどの刃があるモノやキリなどの尖ったモノは厳重に包んで家庭ごみです)

ごみを分別するという意味では、あまり細かいカテゴリー分けをされていないので、ごみを出す側としてはありがたいのですが、分別を細かくしている地域などは、金属は一切一般ごみには出せないというところもあります。
また、工具の種類によっては、金属にラバー素材がかぶせてあったりするので、それを外してからでないと分別ごみとして出せない場合もあります(私が住んでいる地域は外さなくても捨てられます)

しかし、DIYが好きな人は、どうしても工具を揃えてしまいがちですから、捨てるときのことなど考えずに、必要だと思ったモノを欲望のままに買ってしまいますよね?
気が付くと、セミプロ並みのマニアックな工具が揃ってしまいますよね?

もし、自分以外のご家族も、DIYが大好きで工具を共用しているのであれば、さほど問題ではありませんが、自分以外のご家族がモノづくりを得意としないのであれば、あまりマニアックな道具を揃えないことを提案します。
そして、もし自分も頻繁にDIYをしなくなったら、思い切って工具を処分してください。
家にあったら役に立ちそうなものは、せいぜい玄能の類とのこぎりです。
それ以外は、どうかご自身が旅立ってしまう前に、少しでも減らしておいてください。

もう、はっきり言って、本当に処分するのが大変なんですよ、工具は(苦笑)

もし遺品に工具があったら
すでに、遺品に工具がたくさんあるという方には、次の方法で工具を処分することを提案します。

まずは、もし故人がDIYのコミュニティに参加していた場合は、そのコミュニティに寄付するか、あるいはコミュニティの誰かに譲ることを考えてください。
それが無理なら、フリーマーケットを利用して売却する手もあります(アプリの利用でも実際のフリーマーケットでも、工具は売れるらしいので)
そして、最終的には何も悩まず捨ててください(もちろん地域の分別方法に従って)

その工具が、大切な形見であれば、そのまま大切にしておいてほしいのですが、工具すべてを形見とするのではなく、本当に愛着があっただろうと思われる工具だけを、形見として下さい。
工具をそろえる人は、便利な工具に食いつきがちです(笑)
ただ、それにはおそらく愛着はありません。
便利だから、持っていたら少しかっこいいから、などの不純な動機で買っているだけですので、そういう工具は手放しても大丈夫です。

しかし、自分の手になじんでいる工具は、たとえ古くても使い込んだ跡が残ります。
何度も修理したり、メンテナンスしたりしていた跡が、必ずあります。
ですから、もし形見なのであれば、使い込んでいる道具に厳選してください。
故人も、その方が喜ばれると思いますよ。

それでも私は自分が使うモノしか残さない
まあ、偉そうなことを綴りましたが、私はいざというときの備えとして、3つの工具しか残しません。
形見でもなんでもなく、ただ買わずに済むならラッキー、というだけの理由です(笑)
金づち、のこぎり、スクレイバーのほかにも、ペンチ、コンベックス(金属のメジャー)、ドライバーは、以前から私が利用していたので、それはそのまま持っておきますが、コンベックスに関しては、おそらく中が錆び付いてきている可能性があるので、使えなくなったら捨てます。

DIYに限らず、モノづくりの道具は、子どもに残すことが難しいモノだと思っています。
私の父は、絵を描くことも好きでしたが、私も絵を描いていたころがあり、絵を描く楽しみを知っているので、道具は全部捨てましたが父が描いた絵は全部保管しています。
道具を捨てたのは、工具と同じでマニアックな道具がたくさんあったことと、たくさんある道具の中から、自分が使えそうなモノだけを選別する体力がなかったためです。
実際、今の私は本格的に絵を描く気持ちにはなっておらず、落書き程度しかしませんから、捨てて正解だったと思っています。

また、母は典型的な昭和のお母さんなので、裁縫道具をたくさん持っていて、つい先日までたくさんの糸と針を持っていましたが、私はもう裁縫は最小限しかしないと決めているので、携帯用のソーイングセットで十分。
母は、ときどき必要になるから捨てるな、と言いましたが、実際は白内障の影響で細かい作業はできません。
それに、ときどき必要になるそのときは、服の裾がほつれた程度のこと。
本格的な洋裁をするわけではないので、ソーイングセットで間に合います。
なんだったら、布製品専用の補修ボンドやテープでいいですし、捨てて新しい服を買う方が時短だし楽ですから、ムダに糸がたくさん残っている方が面倒くさいです。

20代のころ、私はミニチュアが大好きで、好きが高じてドールハウス作りにも手を出しました。
しかし、途中まで作ったところで、我が家には完成したドールハウスを飾る場所がないことに気が付きました。
また、そのことに気が付いた時期は、ちょうどドールハウス作りが停滞していました。
そして、ドールハウスを完成させた未来を妄想してみたところ、やはり置き場所に困って、メンテナンスも面倒くさくなって、部屋の掃除をするたびにドールハウスが邪魔になる未来しか見えなくなったので、思い切ってすべて処分することにしました。
ミニチュアの一部は、欲しいという友人に譲って、あとは全部捨てました。

でも、処分を決めた一番の理由は、私が旅立った後これを誰が処分するの?処分する人は、なんて厄介なモノを残したのだ、と嫌な気持ちになりはしないか、という考えが浮かんだから。
自分がその立場だったら、こんなもの残すなよ、と思うはず。
だから、ドールハウスはもう二度と作らないと思ったし、ドールハウス作りの道具も、きっぱり捨てました。

今となっては、ドールハウス作りへの熱意もすっかりなくなっているのですが、もしも、ずっと趣味として取り組んでいたら、と思うと、必要最小限のモノで暮らす老後など、とんでもない理想になっていたと思います。

私には子どもがいませんが、私が旅立てば親戚の誰かが私のモノを処分します。
そのとき、処分してくれる誰かが、私の所有していたモノを喜んで貰ってくれる可能性は、限りなく低い。
自分にとって大切なモノも、自分以外の人にはただのガラクタ、不要品です。
趣味で作ったモノ、道具も、他人にしてみたら全く役に立たないモノです。
ですから、そういったモノは極力残さないようにしたいと思っています。

それでもモノ作りはやめられない人に提案
そんなことを言っても、モノ作りは楽しくて充実感を味わえるからやめられない、という人は、これだけは覚えていてほしいのですが、道具にも人間と同じように寿命があります。
そして、道具は放っておかれたら、思いもよらぬ速さで劣化します。

道具は、使ってあげてなんぼです。
使っていない道具や、たまにしか使わない道具、代替えが効く道具は、早めに手放しましょう。
誰かにあげたり、売ったりして、自分が旅立った後に家族や親せきにぞんざいに扱われる前に、自分で処分しましょう。
その方が、きっと道具も幸せですよ。

そして、作品作りをしている人は、その作品を好きだと言ってくれる人にあげてください。
家族の中に、好きだと言ってくれている人がいたら、そのまま家に残してください。
しかし、家族があまり好きではない様子をみせる作品については、好きだと言ってくれる人に譲ってあげてください。
そして、誰も興味を示してくれない作品は、飾る気がないのならば、まとめて同じ場所に保管しておいてください。
なぜなら、後に残された者が処分しやすいからです。

かなり厳しい提案ですが、これが現実です。
テレビやドラマのように感動的なシチュエーションは、めったに訪れませんし、自分に起こる確率は極めて低いです。
自分の趣味は、自分が元気なうちに完結させましょう。
私も、モノ作りはかなり前に卒業しましたが、収集していた趣味グッズがまだ残っていますから、旅立つ前までに全部処分します!


工具の処分だけを綴るつもりでいたのに、つい語り倒してしまいました(苦笑)
それだけ、工具の処分って心がくじけそうになるくらい、重たいし分別が面倒くさいのです。
もし、今から工具を処分しようと思っている人がいたら、ひとことだけ
「がんばれ!」

本日は、以上です(笑)