マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

母に認知症検査(MRI検査)を受けさせた結果の話

2019-11-15 | 母のこと
本日は、母が月1回通院している内科と、初診で脳神経外科へ行ってきました。

毎月の診察と薬の処方
母は、糖尿病とその合併症による心臓疾患があり、毎月の通院は、薬をもらうためと、経過観察のためにしています。
以前は、母ひとりで通院していましたが、今は一人で歩いていくには少し辛い距離にあるため、私が付き添っていきます。
母の体力や、足腰の衰えが回復したら、また一人で通院できるようになると思うのですが、なかなか良い方法を思いつかないので、仕方ありません。

内科では、毎回血圧を測定して、問診をしたら終了です。
1ヶ月の間に何か異常があれば、私が医師に報告していますが、大体は経過観察と言われて終了ですね。

本日も、最近になってふらつくことが多かったり、歩いていて急に歩けなくなったりする、と報告したのですが、何が原因かはわからず。
かかりつけ医によると、低血糖でもなければ、貧血でもない、とのことなのですが、この原因不明が一番厄介です。
何をしたらいいのか、どこに診てもらえばいいのか、判断に困ります。

変な話ですが、もっとわかりやすい症状が出てほしいと思ってしまいます。
まあ、何もないことが一番ありがたいのですが。

1週間前からの頭痛
1週間前から、母が頭痛を訴えていました。
耳のすぐ後ろあたりが痛いと。
最初は、寝違えだと思っていたのですが、液体シップを塗っても効果は一瞬しかなく、家では対処方法を思いつかず、脳神経外科を受診させることにしました。

この頭痛、母に言わせると、耳の後ろが急に痛くなるらしく、しかも反対側の耳は何ともないらしいです。
今朝も、頭(耳の後ろ)が痛いと訴えていたのですが、不思議なことに外出している間は痛みを一度も訴えませんでした。
最近、急に気温が下がったので、気圧による頭痛かとも思ったのですが、外出している間は何ともなかったということは、関係なさそう。
さて、いったい何が原因で(母が訴える)頭痛になっているのでしょうか。

同時に認知症検査をさせるも、こちらが本件
実は、脳外科へ連れて行った真の目的は、認知症検査を受けさせるためです。

ここ数年、母のもの忘れが激しくて、もはやこれは、いよいよ認知症が始まっているのではないか?と疑っていました。
母の姉(私の伯母)は、認知症を長年患い、亡くなりましたから、姉妹なら似たような脳構造をしているかもしれない、という思いもあって、以前から検査を受けたらどうか、と母に話をしていました。

しかし、高齢者の方はどなたも自分が認知症かもしれない、認知症なのだ、と認めるには、かなりの抵抗があります。
母も例外ではなく、検査を勧めると、まだ自分はしっかりしている、と頑なに拒否してきました。

今回、検査を受けさせることができたのは、母がずっと頭痛を訴えていたことと、先月転倒した際に後頭部を打って救急搬送されていたので、その経過観察に行ってみようという提案をしたことが、母の気持ちを少し軟化させたようです。

認知症の検査を受けさせたいと思ったら
ダイレクトに、認知症の検査に行くよ、と言っても、言われた本人は痛みや不快感があるわけではないので、病院へ行く理由が思い当たらないし、何よりも自分はまだ認知症などにはなっていない、というプライドもあって、連れて行くのはなかなか難しいのが現状だと思います。

しかし、なにか他の理由をこじつけて、一度脳波の検査をしてもらおう、とか、頭痛を放っておいたら、くも膜下出血や脳梗塞になるよ、と言えば、痛みとその先の苦しさを想像して、予防の意味も含めて一度検査しておこう、となる可能性があるのだと、今回の母の件で実感しました。
母の場合は、救急搬送後の事後検査ということも、検査を受ける理由として有効でした。

もし、頭痛などの症状が一切なく、しかし認知症の疑いが強いのであれば、かかりつけの医師に相談して、健康診断の一環として検査を勧めてもらうのも、有効な方法かもしれません。
しかし、もし頭に関係のない痛みや症状を訴えても、いろいろ調べて、脳が原因の症状に当てはまったら、それを話のきっかけにして、検査を受けさせることもできるかもしれません。

巧みな話術があれば、すんなり検査を受けさせることができるのですが、なかなか難しいですよね(苦笑)
最終的なアプローチは、本人が痛みを想像できる“何かの症状”に結び付けられるようにすることかな、と思います。
そのためには、多少面倒ですが、病気とその症状や原因の知識を増やしておくことが、大切なのかもしれません。

検査前のテスト
問診と言えばいいでしょうか。
今回受診した医院は、MRIによる検査をするのですが、その前にいろいろな質問をします。
今日の日付、自分の年齢(生年月日は聞かれなかった)、簡単な暗算(引き算)、モノを見て記憶、言葉の記憶、言われた数字を逆に言うなどです。
神経心理検査というらしいです。
ネットで検索すると、いろいろ出てきます。

この問診、そばで私も見ていたのですが、問診だけなら母は認知症に限りなく近い回答をしていたような気がします。
なにせ、1~2分前に言った言葉は、すっかり忘れていましたし、日常生活においても、直近で起きた出来事や、一度見たはずのニュース内容を覚えていないのですから。

私は、覚悟を決めました。
MRI検査後の結果で、認知症の疑い、あるいは認知症の初期症状だと言われることを。

MRI検査
検査時は、身に付けている金属をすべて外し、検査着に着替えて臨みます。
母は総入れ歯なので、入れ歯も外します。
部分入れ歯の方も、外します。
アクセサリーや、凝り改善の磁気シールも外します。
とにかく、金属でできているモノは、一切検査室へは持ち込めません。

着替えを終えて、待機していると、前に検査を受けていた方が出てきました。
お見受けしたところ、あまり疲れた様子はありませんでした。

いよいよ母の番です。
私は検査室の外で、院内備え付けのテレビを見ながら、母を待ちました。
母が検査室から出てくるまで、30分もかからなかったような気がします。

検査結果
検査が終わって、さらに15分くらい経って、診察室に呼ばれました。
結果が出たのです。

通常、大きな病院でMRI検査を含む様々な検査を受けると、結果は後日聞きに行くことが多いかと思いますが、今回受診した医院は、検査後すぐに結果を教えていただけます。
おそらく、他の検査がなく、MRIに特化しているため、検査結果も早く出るのかもしれません。

診察室に通されると、MRI画像を見せられ、医師の説明が始まりました。
一般的な脳の中は、どのようになっているのか、を説明しながら、今回検査した母の脳と比較する形で、結果を教えてくれました。
そして、検査結果は

「認知症に見られる状態は、全くありませんでした」

淡々と、言われました(笑)

え?
検査前の問診で、ほぼ認知症と診断されるのでは?と思っていたのに、認知症に関しては全く問題がないと?
であれば、母の清々しいくらいのもの忘れっぷりは、一体何が原因なの?
これについては、医師もよくわからないそうです。

その後、MRI画像を見ながら、それまで淡々と説明していた医師が、最後に少し不思議な顔をしながら、半ば苦笑いで

「認知症は問題ないですが、驚くくらい脳の血管が撮影されません」

とのこと。
要するに、血管が細すぎて画像に映っていないのだとか。
むしろ、医師はこの現象が不思議だったらしく、一般的な血管の画像と母の画像を比較して、ひたすら説明してくれました(苦笑)

医師が言うには、血管が細いと、動脈瘤や脳梗塞、くも膜下出血などの危険性があるとのこと。
ただ、現状その傾向はみられないことと、以前脳梗塞を起こした形跡はあるけれど、深刻な状態ではないという説明でした。

結局、頭痛の原因は、血管が細いために起きているのでしょうか?
と質問したところ、それは断言できないそうです(苦笑)
そして、もの忘れに関しても、もしかしたら血管が細いことが影響しているかもしれないけれど、それも断言できないと。

どうも、今回の検査で得た答えは

 母のもの忘れは、ただの加齢

のようです。

もしかしたら、母はただ単に、覚える気がないだけなのかもしれません(苦笑)

これからの過ごし方
認知症の可能性は消え、頭痛の原因も特定できないまま、今回の検査は終了しましたが、脳の血管が細いということは、今は何もなくても、将来深刻な状態が起きる可能性があります。
ただ、現在は糖尿病の薬と、心臓をケアするための血液に作用する薬を内科から処方されているため、その薬をきちんと服用していれば、深刻な状態も予防できるとのこと。
血液に作用する薬は、血管が細くなっていることに対しても、効能があるのだそうです。
ですから、もの忘れに特化した薬は、今回処方してもらわず、経過観察として一年後に再受診することとなりました。

現状、母は認知症ではないし、そうなる可能性もないと判明したので、もの忘れに関しては、違う方向からアプローチしたらいいような気がしています。
どのようにアプローチしていくかは、これからいろいろ勉強して、試してみます。

母が検査を受ける前のこと(参考までに)
今回、検査を受けるまで、認知症の疑いを持っていた私ですが、実を言うと少し違うかもしれない、と思わせる母の言動があったこともたしかです。
どちらかわからないので、はっきりさせるために検査を受けさせたような側面もあります。

母が主に覚えていないのは、

 ・数分前、数日前、数か月前の行動や出来事(結果、話の辻褄が合わなくなる)
 ・繰り返し報道されているニュース(事件や事故や災害)(結果、毎回新しいニュースだと思っている)
 ・ご飯を食べたことと食べたもの(結果、数日前に食べているはずの食事を久しぶりだと言う)
 ・今日の日付と曜日
 ・時間
 ・薬を飲むこと
 ・先の予定
 ・季節感
 ・ごみの分別と出す曜日

書き出していて気が付いたのですが、どうも時系列に関係することは忘れてしまう傾向です。

忘れないことは

 ・母世代の芸能人の名前と顔(最近の若い芸能人は、そもそも知らない)
 ・親戚、家族の名前
 ・親戚、家族の今の状況(亡くなっていることや、どこに住んでいるのかなど)
 ・昔の出来事
 ・連続ドラマのおおざっぱな内容
 ・料理の手順
 ・服の着方
 ・お隣の名前
 ・お付き合いがある同マンションの住人の顔(お互い名前は知らない可能性あり)
 ・道具の使い方
 ・歩きなれた場所の道順
 ・家にカギをかける、開ける
 ・ガスを点ける、消す
 ・電気ポットに水を足す
 ・過去に行った場所
 ・お店での買い物の仕方(支払いなど問題なし)

これ以上ピックアップしていくと、キリがないので止めます(笑)

忘れてしまうことと、忘れないことを見比べると、認知症とは言えない部分が多いのですよね。
しかし、それは認知症なのでは?と思わせる忘れっぷりも、看過できませんし。

テレビのドキュメンタリーや、ノンフィクションの書物では、認知症の場合、物事の順序(工程)がわからなくなったり、服を後ろ前や裏表に着てしまったり、道順を突然忘れてしまったりしています。
しかし、母にはその傾向がありません。
ですから、基準とすべき症状には当てはまる部分と、当てはまらない部分に、こちらが迷ってしまうのですよね。

ただ、私が今回のことを通じて断言できることは

 判断に迷うなら早めに受診させる

です(笑)

もし、自分の家族が認知症かもしれない、と少しでも思ったら、健康診断の感覚で認知症検査を受けてもらうことをお勧めします。
そうすれば、何より自分自身の気持ちが解決しますし、余計な迷いに思考時間を割かずに済みますからね。

今回は、母の認知症検査について書きましたが、少し長くなってしまいました。
結果は、認知症ではない、ということでしたが、母に残っている健康問題は消えていません。
今後のフォローの在り方は、常に考えていかないといけないですね。
老後の健康問題は、他人ごとではありませんから、自分が母の年齢まで生きられたら、どうありたいか?を、改めて考えたいです。