子供の頃、
いや、もっと正確に言うと、生まれて間もない頃。おそらく1~2歳頃。
寝かされた私の頭の上には仏壇があり、横になったまま右を向くと、家族団らんのにぎやかな部屋があった。
私は、まだ生まれて間もないので、夜になるとすぐに寝かされた。
そして、右の方からにぎやかなな話し声が聞こえるので、どうしても頭は右を向く。それに対して私を監視する母がやってきて、頭が右にばかり向くのを強制的に矯正するのだ。その方法として、頭の右に毛布などを詰め込んで絶対に頭が右に傾かないようにする。その結果、私は頭を右に傾けることが出来なくなるので、目玉だけ右に向けることが多くなった。そしてある日、右目だけが「ぐりっ」という感覚と共に気持ちよくなった。(その日以来私は斜視に悩ませれることになるのだが)幼児の身体がいかに順応性があるか、という事が良くわかる事例だ。