FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

いのち

2012-06-23 22:53:19 | 日記
今日は28歳という若さで急逝したクライマーのお通夜でした。
連絡のメールが入ったのは一昨日。
元気の塊みたいな若者だったので、しばらくはその知らせを受け入れることが出来ませんでした。

ランジが得意だった彼。
いつもニコニコして元気で、優しくて働き者で。。。
交通事故でした。

あまりに辛いお通夜でした。
若くして逝った人の葬儀に特有の重苦しい空気感がありました。

若い皆さん、命をいつくしみましょう。
不慮の事故で命を落とさぬように。
逝く順番をたがえぬように。。。

ご冥福をお祈りいたします。

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-06-22 11:39:58 | クライミングレッスン報告
6月3日(日) メンバー:しいちゃん(小6)、りんちゃん(中3)

本来ならば中級のアウトドアのはずだったが、の予報のため中止にした。
かわりにpump2でレベルアップレッスンを募集。
アウトドアに行くはずだったりんちゃんとしいちゃんがレッスンに来た。

午前中は2人のレッスン。

小学生のしいちゃんは、今はもっぱら基本技術をしっかり使えるようにしていくための技術練習が中心なので、1本1本のルートを大事に練習しながら登りこんでいる
ご家庭も非常に協力的なのでレッスンに来る回数も多く確保できるうえに、ポジティブな姿勢でやるべきことをコツコツと努力できる彼女は、ジリジリと、でも順調にその実力をボトムアップしている
今日は前回苦労の末レッドポイントしたツナミの紺■の復習から。安定して登れるようになっている。また一つ問題点を克服して身に付けたね 気を良くして、新たにダイヤモンドの黒×10cにトライ でも、これもまた強敵だったようで見事に跳ね返された 今日は3回トライしたが登れなかった

りんちゃんはお昼をはさんで2時間続きのレッスン。
受験生の彼女はレッスンに来る時間を取るのも一苦労の様子
小学生の時に出た大会で怖い想いをしてからしばらくトラウマにとらわれて、ルートで力が出せなかったりんちゃんだが、昨年あたりからその状況から抜け出すことに成功
年齢的にも体格的にもそろそろトレーニングをして力を強化して行くべき時期に当たるが、メンタル的な成長とともにトレーニングも受け入れられるようになり、その力を伸ばし出している
今日はレッスン時間がたっぷり取れるので、自主練習の時にも可能なルートでのトレーニングを実践してみる。
やり方を覚えて、自分でもしっかりトレーニングしてほしい。
もともと芯の強いりんちゃん。顔を真っ赤にしながらもトレーニングメニューをしっかりこなした
夕方から塾だと言う彼女。
「今日は授業で絶対に寝ちゃうな~」

発達障害のある子

2012-06-20 12:04:17 | 教育論
先日、一人の男の子がスクールを退会しました。
彼ははじめてクライミングをしに来た時から、他の子が怖がったり困ったりするところもスルスルと登り、自分で動ける子でした。
アウトドアやサマーキャンプにも参加したことがありますが、ここでも本領を発揮
バランス力のいる高い岩や、大会で使われる高い人口壁のトップまで、怖がったり動きに迷うことなくあっという間に登ってしまうのです
また、壁の形状を利用した登り方もとても上手で、この子がテクニックを身につけ、メンタル的に成長したら良いクライマーになるな~ と密かに思っていました。

1年経ち2経ち…。
私は彼の「その時」を待ちました。
子どもたちは急にグンと力を伸ばす時があります。
それは、対象に対する気持ちの入れ方が変わり、「上手くなりたい」「技術を身に付けたい」そして「そのための努力を自分はできる」という意識の変化とリンクします

彼は5年生になりました。
そろそろそうした変化が見られても良いころなのですが、なかなか「その時」は訪れません
私のほうも意識を向かせるべく、発破をかけたり、叱ってみたりしましたが変化はさほど見られず。。。
スクールに来ると仲間と些細なことですぐ喧嘩
テクニックを覚えていないので、一つの課題を登るための動きの組み立てが出来ずに登れない。。。結果、つまらない他の子はどんどん登るための技術を身につけて課題にチャレンジしているので、一人おいてきぼりです

スクールも休みがちになり、どうしたものか?と悩む日々が続きました。

そんな時、お母様から退会の旨連絡があり、その時はじめて彼に発達障害があったことを知りました。。。
一見、健常者と全く区別がつきませんでした。
少し喧嘩っぱやくて落ち着きがないくらい。
最後のほうはそれでも少しは「ちゃんと登ろう、登りたい」という意識が芽生えてきたように思えます。基本練習だけは取り組むようになり、小さな成長が見られました

ただ、障害のことを私が知っていれば、対応の仕方を健常者と変えることが出来たかもしれないのに。。。
少なくともそのことを多少なりとも勉強し、しては行けないことだけは気をつけることが出来たでしょう。
健常者だとばかり思っていたために彼には不向きなアプローチをしていたのではないかと悔やまれます


保護者の方にお願いです。入会の時に、気になる点はお知らせ頂きたいと思います。
電話の向こう側で泣いておられたお母様の心中を慮ると胸が痛みますが、保護者と指導者の双方で情報を共有して始めて、適切な対応をして行けるのではないでしょうか。


<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-06-18 15:54:46 | クライミングレッスン報告
6月2日(土) メンバー:あかねちゃん(小3)、たけくん(小3)、ショータ(小5)

6月に入り、2012年も半年が過ぎた。
年始に子どもたちに書いてもらった「今年の目標」。
夢や目標はただ掲げただけでは絵に描いた餅だ。なので、目標に向かって努力で来ているのか?今年中に達成することが出来るのか、それとも修正が必要なのか?を半年たった今、もう一度考え直してもらっている。
さらに今年中に達成可能、と判断した場合はきちんと達成できるよう、段階を踏んで年末までの小目標も考えてもらう。


常に目標を念頭に置いて頑張っているたけくんは、かなり順調ショータとあかねちゃんは時間が足りずに宿題にしたので、お家でちゃんと考えて来てね

レッスンはボルダーから。
ショータとたけくんが6級の同じ課題でセッションとなった
あかねちゃんは、まだ「グレード」というシステムが良く理解できていないようだ。もう少し練習に通うようになると、今の自分の力と目指すべき目標がはっきりしてくるだろうけれど。

ルートはショータがトップロープ・手足限定で5.9を、あかねちゃんがトップロープ・足自由で5.5を登った。2人はルートは1本で「お腹いっぱい」となり終了
たけくんはリード・手足限定で10bを2本完登した

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-06-17 12:03:37 | クライミングレッスン報告
6月1日(金) メンバー:ユイ(高1)、ともちゃん(中3)、しいちゃん(小6)、ユキちゃん(小4)

ガールズのレッスンとなった
金曜のこの時間は翌日が休みとあってか、人気が高い。
今日もマックスなので、基本練習の後すぐにルートエリアへ 
今日はみんなそれぞれ狙いのルートがあるからだ。

さて、ツナミの12aが頭打ちとなっているユイちゃん。
11台の登りこみが足りていないことが理由であることを本人も良く理解している。
で、今日は奥壁の11c黒×を登っておくことにした。
同じサイズのホールドが続くこのルートはトレーニングに結構良い。
今日は2回トライしたが完登ならず やはりベーシックな力をもっとつけるべきだね

ユキちゃんはずっと前にトライして、しばらくねかせておいたダイヤモンド壁の10c黒■に再トライを開始
最近精神的な成長が見られるユキちゃん。前向きにムーブを考えて、トップロープでの練習2回目でノーテンで行けた
忘れないうちにと今度はリードでチャレンジしたが、クリップ動作が入ると地味に悪くなるし、怖さも出る
今日はリードでのレッドポイントはおあずけとなった


マイペースながらクライミングが好きでずっと続けてくれているともちゃん。
「高校になったら、レッスン受けられないんですか?」と聞いて来た。
「小・中学校の頃からレッスンを受けてくれている子は続けてもらえるよ」と答えると、「あー、良かった このままではもったいなさすぎると思って。」
そう思ってくれてうれしいよ
是非、自分で安全にクライミングが楽しんで行けるようになって、大人になっても続けてほしいな~
クライミングを楽しむことは、ともちゃんの人生をきっと豊かなものにしてくれると思うよ
そんな彼女、今日は前回登れなかった100°壁の10a白□を見事完登した

大会参加ばかりがクライミングではない。
クライミングは一つの文化であり、ライフスタイルや価値観と深く関わるものでもある。

子どもたちのクライミング世界でも昨今は大会が過熱傾向にあり、競技クライミング以外は価値を軽んじる傾向もあるように思うが、そういう価値観は自らの世界を狭めかねない。
もちろん、目標を定め、自分の目標に向かって努力を重ねることを学ぶ意味で大会参加は大事である。が、結果優先主義は逆効果を生みかねない。
もっとおおらかに、「楽しむ」スタンスを忘れずに関わることが、その子の人生に実りをもたらすのではないだろうか。。。?

さて、しいちゃん。今日、彼女はこの前5回もトライしたにもかかわらず完登出来ずに涙にくれた、因縁のツナミの青?を倒したい
前回は頑張るつもりで取りつくものの、登りながらも自信と不安が入り混じり、ルートの核心に来ると急に自信がなくなって、「ムリムリムリ~~~張って、張って、張ってぇぇぇぇぇ~~~(泣)」という感じだった。
で、彼女のルート記録ファイルに、「今日はデキル、デキル、ゼッタイデキルノボル、ノボル、ゼッタイノボル」と唱えながらトライしてみようか」とアドバイスを書き込んでおいた。
これは岩崎由純氏が提唱したペップトークの手法の一つである。
それを読んで始めは「え~~」と驚いていたが、なにしろ素直な彼女。実際のトライでは「おまじないのように唱えた」(本人談)せいか、気持ちが揺れることなく、きれいにムーブをつなげて難なく完登した
下りてきて、「先生、努力は報われますよね」としいちゃん。

その通り だからヒトは頑張れるんだよ