今生きている社会が真っ当なものか理不尽と感じる
かは、夢中で生きているものにとってはわからないも
のかもしれませんね。封建時代には、お上の言うこと
は絶対無二のもので、逆らうことはできない。逆らえ
ばそれは死を意味するものだということですね。
「血槍富士」という映画は、そんな時代に生きた武
士とその中間の話です。この映画は、監督の内田吐夢
が中国から復員後第1作目の作品です。戦争経験がこ
の映画の最後の部分で表現されていますね。
主役の片岡千恵蔵は私が子供のころから知っている
俳優です。東映時代劇といえば千恵蔵と思っていたく
らいでした。片岡千恵蔵の実施も出演しています。
この映画の主題は、大酒を飲んで泥酔した挙句喧嘩
になり相手に殺されてしまう。中間の権八が主人の敵
を討つという話です。
出演者は他に月形龍之介、加藤大介、渡辺篤、進藤
英太郎などが共演しています。
音楽は、作曲家の小杉太一郎が初めて映画音楽を担
当しました。小杉太一郎はこの後東映映画の音楽を多
く担当するようになりました。
現代社会でも形は違いますが、ある意味では封建社
会と同じようなところがありますね。まさか直接生命
のやり取りではなくビジネスの上で会社のために、会
社の命令には絶対背けない。