ふたりぐらし

桜木紫乃　著　　新潮文庫　　令和3年　3月1日　

『大人感』の漂う桜木紫乃さんの本、久しぶりに読みました。
元映写技師の夫と、看護師の妻の夫婦。

10編のものを、夫と妻交互の視点で語っている。

いつだったか、『恋』は刺激だけれど『愛』はもっと穏やかなもの。　というのを聞いたことがある。
恋から始まった二人が結婚し、夫婦になるとあの恋人だった時のような刺激はなくなり、退屈で平凡な毎日となっていく。

ま、それでいいんだけど（笑）
結婚して何年もたつのに、いちいち夫にドキドキときめいていたりしたら・・・あたしは心臓病になるに違いない（笑）

二人の結婚生活は決して平凡なものではないけれど、夫婦の形なんてどれがベストかどうかなんてわからない。
恋が愛に移行していく・・・夫婦が夫婦になっていく過程が静かに語られている。

とはいえ、40代の夫と35歳の妻の結婚生活はそんな時代をとおに過ぎてしまった私からすれば、まだまだ若いのねーと言いたくなる（笑）
夫あてのメールや中学時代の同級生だった女性の訪問ですらじくじくと嫉妬するところあたり。
もう、すっかりそういう・・・嫉妬・・・感情すら無くなってしまったから、ここまでくれば夫婦も気楽だね（笑）
あとは、健康でいてくれればいい。。。なんてね。