エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

老いのかたち

2010-05-27 07:03:48 | 
黒井千次著  中公新書 2010年4月25日初版

これは讀賣新聞夕刊の『時のかくれん坊』という連載エッセーをまとめたものらしいので、讀賣購読者さんはすでに読んでおられるものだと思う。

「赤子叱るな来た道だから 年寄り笑うな行く道だから」

まず思ったのはこの言葉。
我々も、今までの道は分かっていて、年下の人たちが・・・例えば主婦だったら、子供ってのはどういうわけか病院がお休みの時に限って熱を出すとか、学校の担任のあたり外れとか・・子供の受験時の親の想いとか、自分が通ってきた道はとてもよく分かって、偉そうにアドバイスできたりもするけれど、 これから進む“老い”への道は想像でしかない。

親と一緒に暮らした期間は大学に入るまでの18年ほどで、結婚してからも周りには同じような夫婦と子供の所帯がほとんどで、ひと世代上の先に“老いる”世代が、そうそう身近になかった。

自分が最近、ど忘れ(だったらいいんだけれど)を繰り返したり、今まで平気だったものが億劫になってきたり、やっぱりなかなか疲れがとれなかったり、恋をはじめとして(爆)いろんな事に対するエネルギーが切れてきているのは感じるけれど、本当に歳を取るという事がいまだ、漠然としている。

なので、この本は予習のつもりで買ってしまった。
というのも、身体が衰えて行くのは自分でもなんとなく分かっているけれど、どうしても心が遅れがちだから。

職場時代に、幼稚園前ぐらいの子供に「おばちゃん、おトイレどこ?」って聞かれた時、おばちゃん、に反応して一番遠いトイレを教えたものだけど(笑) いまや、立派におばちゃん。
そのうち、「おばあちゃん」って言われ出したら、あの若いころのショックみたいのが蘇ってくるんだろうか。

若さにしがみつこうとするから、多分、おばあちゃんって言われたらショックなんだろうな。
「はいはい、私は年寄りでござい」と、年寄りである事をあるがままに受け止めて、立派な年寄りになったら、そんなの何て事ないのかもしれない。

老いは、長生きできるようになってから避けられない事。
身体も頭、心も耐用年数が過ぎてガタガタになるだろうけれど、いろんな事に汲々としないで、仙人みたいな年寄りになりたいよ。
軽妙なエッセイで、すぐに読み終える事の出来るもの。 面白かったりで(笑)

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 特招会 | トップ | 薔薇のサシェ(ley ver) »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。 (エー)
2010-05-27 07:40:56
今朝は、青空がのぞいていますが、あまり気温は上がらないみたいです。
肌寒いぐらいの気候が、一番大好き~♪

母が、初孫が出来て嬉しい反面、外出先で「ばぁ~ば」と大きな声で呼ばれたとき、めっちゃ「恥ずかしかった!」って言っていました。
ましてやよその子どもに「おばあちゃん」って呼ばれるときを思ったら、やっぱり複雑~!
返信する
おはようございます (ippu)
2010-05-27 08:05:54
≪身体が衰えて行くのは自分でもなんとなく分かっているけれど、どうしても心が遅れがちだから≫
そうですよ! でも、私の場合ようやく心も付いて行くようになりました。それも喜ぶべきことでもないですけれど・・・。
返信する
呼び方 (ketty)
2010-05-27 09:34:58
某司会者が、観覧に来てるご婦人に「お嬢さん」と呼ぶのは、違和感ありありでした。
子供が幼稚園に行くようになって、「○○ちゃんのおばちゃん」と言われるのは当然だし、
甥姪に叔母ちゃんと言われるのも当然ですが、
他所の人におばちゃん呼ばわりはされたくないし、ばあばは、孫以外ご法度にしたい(笑)
返信する
はい (ポンチ姫)
2010-05-27 11:10:50
年寄りみたけりゃ、城下にいらっしゃい、小学生の生徒数より、老人会の参加者のが、多いです、参加されてない、より高齢者も( ̄^ ̄)当然見えます…過疎地です
返信する
お返事です (楽母)
2010-05-27 17:35:51
エーさん
どんな風に見えたら、おばちゃんではなくおばあちゃん、と呼ばれるようになるんでしょうかね。 うちの近所には70歳過ぎても、とっても元気でおばあちゃん、というにはこっちが躊躇うような人が多いです。

ippuさん
そうですよね、私もまだ精神年齢が肉体年齢とずい分開きがあって、これが実はしんどいのだと思います。
老けこむというのではなく、心も体も老いに対して素直になる、というのが楽なように思います。

kettyさん
み○さんね、あれはかえって人を見下しているような感じで嫌いです。
なにかの本で、名前以外で女性を呼ぶ時は「奥さん」というように、というのがありました。 なので、ジムで名前を知らない方に話しかける時、「あの、ちょっと」とかじゃなくて「奥さん」って言ったら、「私は奥さんではありません」って。 ずっと独身で来られた方でした。う~ん。

ポンチちゃん
お年寄りは、当然このあたりにもいますが、心の中までは見えません。ただ、ふっと感覚的な物言いをすれば、過疎地の老人の多いところだと、なんか穏やかそうでいいように感じる。みんなが年寄りなら怖くない、って。
返信する
こんばんは (ゆっき~)
2010-05-27 22:16:47
孫ができると、おじいちゃん、おばあちゃん。その呼び名が自分の親に対して自然に出てくるのね。楽母さんも孫ができると若だんなさんにおばあちゃんといわれるはず。そうなると、慣れてしまうかも。
返信する

コメントを投稿