蛮幽鬼を観て

蛮勇記　　蛮憂記　　蛮幽鬼

こういう風に、タイトルが変化します。　それは物語の流れに沿って。

最前列ど真ん中、という素晴らしい席だったというのもあって、夢見心地。
細かい、指先の動きまでよく見えました。
上川さんは場面場面で、メイクも変っていたけれど、堺さんは変わらず。　早乙女君は、ぞくぞくするような女形と、女帝（大君？　大王）の守護役の使い手の剣士とで、当然、メイクも変っている。　稲森さんはさすがにお綺麗。

ひと言で言っちゃえば「そして誰もいなくなった」
復讐とか恨みは・・・それを晴らしたところで何をも生み出さない。
復讐する以前の憎しみや悲しみは・・・消えることなく、ただ空しさが募るのみ。
パレスチナ、あたりをふっと思い浮かべたりしてね。
殺しあいの連鎖は、どこかで断ち切らねば。

いやぁ、それにしても上川さん、やっぱり凄かった。　声のトーンも、動きも、さすがに舞台出身だね。いきいきしてる。　早乙女さんの、あの身のこなしも手慣れたもので、彼の舞台を観たい、と痛切に思いました。
堺さんは、すごいですよ～、立ち回りも多くて、楼蘭の悪魔、とよばれる殺し屋なのに、いつものあの笑顔。　人を殺しまくっているシーンでも、ずっと（最後の最後は違ったけれど）あの・・・とろけそうな笑顔なんですよ。

私ね、新感線に所属の方はまったくと言っていいほど知らなかったんですが、すばらしいです。　ちょい役かなぁと思っていたかたでもすごく踊りが上手だし、日ごろの彼らの鍛錬ぶりが見て取れます。
多分、テーマはとても重いし、暗い話なのに、そこは新感線。　いきなり流れと全く関係なしのコール＆レスポンスもあり～の、現代用語が飛び出してみたり～の、お笑いの要素をちりばめてみたり・・・で、緩急自在っていうのかなぁ、中だるみがまったくありません。

物語のラスト近くになると、さすがに・・・泣き虫楽母は、涙が出始め、ラストでは鼻水啜っちゃいそうな感じ（苦笑）　でも、最前列だし、足元のバッグからハンカチを取り出したくてもそれもできなくて、涙流れるまま。。。
1シーン、ちょっと高いところに、小道具さんだか大道具さんだか分からないけれど、裏方さんが見えたのはご愛嬌。

いやはや、、、、素晴らしくて、、、言葉にできない。
こんな舞台観ちゃったら、来年のあの方の舞台、お値段に合うお芝居っていうと相当ハードル高いぞ！と意地悪にも思ってしまった。　至福のひと時なり。

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