はちの家造りドタバタ奮闘記(・ω・)

私のちょっとした日常や住宅にかかわるニュースなどをつらつらと…

地震で土地の境界がずれたらどうなるか

2016-07-04 10:51:04 | 日記
みなさんこんにちは。

先日お客様と車の話になりました。

その方が私の車の特徴を知っていて「車の話しましたっけ?」とうかがったところ「フェイスブックでみました。」と

あぁ…フェイスブックお酒を飲んでいる記事ばかり…

さて、先の熊本の地震で田んぼが断層でずれている映像が流れ、記憶に残っている方も多いかと思います。

その時に土地の形状はどうなるのかねぇ、など雑談をしていたのですが、ふと思い出したので調べてみました。

法律上、土地の境界は「筆界」と呼ばれます。

従来、筆界は判例で「客観的に固有するもの」(最高裁・昭和31年12月18日)、つまり何があっても動かないものとされてきました。

たとえば地すべりで土地の形が変わっても、それは土砂が動いただけで、筆界の位置は元のままです。

しかし、地震で隣近所が丸ごとズレたようなケースもあるのに、筆界は元のままというのは違和感があります。

そこで法務省は阪神淡路大震災後、「地震による地殻変動に伴い広範囲にわたって地表面が水平移動した場合には、土地の筆界も相対的に移動したものとして取り扱う」という通達を出しました。

これに従えば、隣り合う数軒が同じ方向に同じだけスライドしたときは、現状の境界線が新たな筆界になります。

筆界は不動という原則に、例外が認められたわけだ。

ただ、この通達でも解決できない問題は残ります。

たとえば地割れを挟んで両側の土地が逆方向に動いたようなケースです。

この場合、筆界はどのように考えればいいのでしょうか。

日本土地家屋調査士会連合会理事の土井將照氏は、次のように解説しています。

「土地が複雑に移動したときの筆界について、実体法上決まったものはありません。そのためまずは土地の所有者など当事者間で調整を図ります」

侵食された土地は分筆して所有権移転

具体的な調整法は、土地だけの場合と建物も含む場合で異なります。

農地や更地など何も建物がない土地なら、地割れを掘り返して整地の工事を行い、中間を取るなどして筆界境界を決め直せばいい場合もあります。

問題は、家などの構造物も一緒に移動したケースです。

建物を壊して整地し直すのはコスト面で割に合わないので、普通はやりません。

では、家も一緒にズレたときはどうすればいいのか。

調整案として多いのは、分筆したうえでの所有権の移転です。

地殻変動で、Aさんの土地が家ごと隣のBさん側に移動したとします。

Bさんは侵食された土地だけを分筆して、Aさんに買ってもらうのです。

地震で筆界境界を示す杭まで移動していると、Aさんは自分の家が隣にズレた自覚がないかもしれません。

しかし、いまは人工衛星で基準点を計測しているので、もともとの位置からどれくらいズレたのかがかなりの精度でわかります。

その資料を示すと、納得いただけることが多いそうです。

お隣同士なので細かいことは言わずにそのままにしておこうという対応もあるでしょう。

ただ、代が変わって相続が発生すると、「親同士の取り決めなんて聞いていない」といってトラブルになることもありえます。

お金が絡む大事な問題だからこそ先送りせず、決着をつけておきたいものです。
コメント
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