大城貞俊:著 朝日文芸文庫 沖縄県具志川市文学賞受賞
8才の太一は、無口だけど優しく逞しい父、美しくていつも笑顔の母、かわいい妹、自分をかわいがってくれる祖父母、陽気で楽しい叔父、明るい叔母と一緒にヤンバルの小さな村に住んでいます。畑で野菜を作り、海で魚を獲り、川で川エビを獲る、ほとんど自給自足の生活です。お金を得るのは、山で切った木を南部へ向かう船に売るだけです。決して裕福ではありませんが、何も不足はない恵まれた生活でした。母がナンブチ(ハンセン病)に罹るまでは。村人達から虐げられ、叔父は南洋へ向かい、頼りになる父も戦争に取られ、食べるものもなくなり、米軍の攻撃が激しくなる中、末の妹が亡くなり、そして母も・・・・
沖縄戦とハンセン病、聞いただけで気が重くなりそうです。それでも読後感が絶望的にならないのは、ヤンバルに生きる人達の姿が、清清しく逞しく描かれているからだと思います。
年少のものは年長のものを敬い、年長のものは年少のものをいとおしみ、太陽に感謝し、作物に喜び、獲物に興奮する日々。一日一日を大切に生きる姿に、きっと共感できると思います。
ヤンバルの森と川。ヤンバルクイナを初めとして、めずらしい生物がいっぱいいるらしいです。
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