佐野洋子:著 朝日新聞出版
これは“沖縄の本”ではないのですが、沖縄人の感覚と通じるところがあるように思います。
人はみんな生まれてからずっと、日々成長することを目標に生きているけど、老人になるということは正反対で、日々衰えることを受け入れることです。
若い人は「老人なんだから、そんなの当たり前じゃん」と思うだろうけど、いざ自分がなってみると、それは精神的にかなりキツイものだということを実感します
そういえば、以前に母に、年相応の運動にとどめておきなさいと言ったら、
「あたしだって老人になるのは初めてなんだから、わかんないのよっ
」と言ってたなぁ
銀行ATMの前でモタモタしていると、後ろに並んだ若者が「チッ」と舌を鳴らして、隣の列に移っていきます。あの若者は、昨日までの自分の姿です。効率的・合理的なことが、そんなにいいことか?できる人間は偉いのか?役に立たないことは悪いことか?役に立たない自分は生きている価値があるのかないのか?
そんな日々葛藤している老人に、「いいじゃん、そのままで。老人は役に立たないからいいんだよ。」と言ってくれているような気がします
ただ、ひとつ残念だったのは、帯のキャッチフレーズが、ナンデって感じです。
きっとこれは、若い編集者が書いたんだろうなぁ
佐野洋子の代表作「100万回生きたねこ」何度読んでも、ジワッときます
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