F1 2005年シーズン最終戦 中国GP予選終了

 19戦もあった今年のFormura One GPもいよいよ最終戦である。
 今シーズンは序盤から信頼性の高いマシンを得たフェルナンド・アロンソ/ルノーR25と、壊れさしなければカミソリのような切れ味のキミ・ライッコネン/マクラーレンMP4-20の一騎打ち。結果は先刻ご存知の通り、第4戦までの貯金を生かしたアロンソが2戦を残して最年少チャンピョンに輝いた。

 昨年まで永く栄華を誇ったフェラーリの、予想だにしなかった凋落。ミヒャエルをもってしても表彰台は僅かに4回(2位3回、3位1回、ちなみに郷秋<Gauche>はアメリカGPでの優勝を正当なものとは認めない)。ドライバーズポイントはアロンソの123に対し半分の62。それでもランキングではライッコネンに次ぐ3位はさすがと言うべきか。

 別な見方をすれば、今シーズン最強のチームでありながら、ルノーのフィジケラ、マクラーレンのモントーヤがミヒャエルの後塵を拝すという、なんとも不甲斐ない結果であったとも言えるわけだが、更に視点を変えればそれ程までにアロンソとライッコネンの速さが突出していたということであり、これこそが今シーズンを総括するに最も公正な視点であると言えるのではないだろうか。

 さて、既述のチーム以外のトピックも見ておくことが必要だろう。
 トヨタ。予選の速さを本戦に生かせないままシーズン最後のレースを迎えてしまった。初優勝も夢ではなかった日本GPにおいても、そのチーム戦略の拙さからトップ争いから脱落するなど、チームの若さを露呈するシーズンであった。

 ウイリアムズ。車椅子の闘将、フランク・ウイリアムズ率いるこのチームは、BMWエンジンで戦う最後のシーズンを飾ることは出来なかった。来期はワークスエンジンを失い、久々にフォードV8で戦うことになるが、ワークスエンジンを失い苦しいシーズンを戦うのも長いことではなのもまた、このチームの歴史を紐解けば判ること。フォードV8エンジンは2007年に強力なエンジンを得るまでの「つなぎ」であろうと郷秋<Gauche>は、読む。

 ラッキーストライクB・A・R Honda。明日のレースを最後に消滅、元へ、発展的に解消しオール・ホンダとなる。2004年シーズンの快進撃から今シーズン最も期待されたチームの1つであったが、今年はマイナスのスパイラルから抜けだせないままシーズン最後のレースを迎えることになった。予選ではジェンソン・バトンが時折早さを見せるが、トヨタ同様その速さを本戦まで維持できず、チーム戦略の拙さとあいまって表彰台も霧のかなたの1年であった。2006年、オール・ホンダとなってこの悪しき連鎖を断ち切れるか。

 さて、今年最後の予選の結果を見ておこう。

 <中国GP予選結果>

 1位:フェルナンド・アロンソ / ルノー 1'34"080
 2位:ジャンカルロ・フィジケラ / ルノー 1'34"401
 3位:キミ・ライッコネン / マクラーレン・メルセデス 1'34"488
 4位:ジェンソン・バトン / BARホンダ 1'34"801
 5位:ファン-パブロ・モントーヤ / マクラーレン・メルセデス 1'35"188
 6位:ミヒャエル・シューマッハー / フェラーリ 1'35"301
 7位:デビッド・クルサード / レッドブル・コスワース1'35"428
 8位:ルーベンス・バリチェロ / フェラーリ 1'35"610

青2台がフロント・ローを占領し、その後ろに銀が来るという珍しいスターティンググリッドとなった。フェラーリの2台が表彰台射程位置からのスタートというのも久々のことか。非力なコスワース・エンジンで2台のフェラーリの間に割って入ったクルサードは今シーズンの働き振りを最終戦でも十分にアピールしている。F1仕事人と言っても良かろう。

 明日はいよいよ今年最後のレース。とくと拝見しようではないか。


 今日の1枚は溝蕎麦(ミゾソバ)。タデの仲間ですが、葉の形が蕎麦(ソバ)に似ていること、湿った溝などに生えていることから「溝蕎麦」。その花の形から金平糖花(コンペイトウバナ)と呼ばれることもあります。私はこの花を見るたびに「星の王子さま」の星を思い浮かべてしまいます。
 
[ 撮影:すみよしの森 ]
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