Nikomat FTN + Auto Nikkorが現役!?

 今日の朝日新聞多摩版に掲載されていた写真を見てびっくりした。そこにはAuto Nikkor 200mm F4を装着したNikomat FTNと思しきカメラが写っていたのである。

注:Nikomatは「ニコマート」と読み、1960-1970年頃の普及・中級機に使われた日本光学(ニコン)のブランドである。郷秋<Gauche>の記憶が正しければ、1977年登場のFT3が最後のNikomat。

 記事の内容は、都立清瀬高等学校地学部の生徒が顧問教諭の指導を受け、富士山の立体写真の撮影に成功したというもので、その記事に添えて「撮影した高校生と撮影に使ったカメラ」の写真が掲載されたわけだ。

 Nikomat FTNはF T (1965年発売)の後継機で、1967年に発売になり70年代までの財布の軽いニコンファンに大いに愛用された、TTL露出計を内蔵したSLR(一眼レフカメラ)である。その後、ペンタプリズム部にアクセサリーシューが付いたFT2、FT3などが登場しているが、このシリーズの最盛期はNikomat FTN当時であったと記憶している。

 Nikomat FTNの最大の特徴はシャッタースピードのダイヤルが軍艦部(ボディー上部)ではなく、レンズマウント部にあったこと。シャッタースピードのダイヤルが軍艦部にあると、一度シャッタースピードをセットした後の露出の調整は絞りによる事が多くなる。つまり「シャッタースピード優先」になるわけだが、Nikomat FTNの場合は両手でカメラを構えた状態でシャッタースピードを変更できることから「絞り優先」の撮影も可能となる優れた操作性を備えていたのである。まっ、一般的にはならなかったけれど。

 さて、朝日新聞に掲載されていたNikomat FTNと思しきカメラだ。DSLR(デジタル方式一眼レフ)全盛の今、何故40年前のカメラが登場しているのか。顧問の先生が、Nikonあるいはフィルム方式カメラの熱烈な信奉者ということなのだろうか。あるいは都立清瀬高等学校地学部の備品のカメラがNikomat FTN(だけ)だと言うことなのか。謎である。

 いずれにしても、おそらくは露出計も正常に作動し、モルトも張り替えられた「完動機」なんだろ。2、3年で買い換えなければならないDSLR時代に、まったく貴重なことだ。
 
今日の1枚は、FTNではありませんが、我が家に生息するNikomat、 EL。
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