シーボルトのオランダ語って・・・

 シーボルト(フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト/Philip Franz Balthasar von Siebold 1796.2.17 - 1866.10.18)はドイツ人。そのシーボルトが、オランダ人だと偽って鎖国時代の日本に入国したわけだが、果たして言葉やオランダ人との見た目の違いなどで問題になることは無かったのかと、長い間の疑問だったのだがその疑問が少し解けた。

 今日の神奈川新聞掲載の記事「物語 日本の夜明け前と曙 ~シーボルト 日本を徹底調査」(高橋誠氏)にこう書かれていた。

 シーボルトはドイツ人。オランダ人と偽って日本入国を果たそうとした。通詞が自分より上手なオランダ語を話すのにうろたえたが「オランダ高地出身でその地方の訛りが強いのだ」と釈明、危ういところで国籍発覚を免れた。
郷秋<Gauche>注:通詞とは通訳のこと。

 なるほど。やはり「バレ」そうになったわけだ。オランダに「高地」など無いことは、今どきなら日本の小学生でも知っていそうだが、さすがの通詞も、オランダ語は話せても、そこまでは知らなかったということか。それにしても、当時のオランダ通詞の読み書き能力が高度なものであったことは知られているが、会話能力も相当なものであったということなんだなぁ。

 ちなみに、幕末にはアメリカ船の日本来港を予想した幕府の命によりこのオランダ通詞たちが英語の学習も開始し、ペリー来航の頃には相当の英語力を身につけていたらしい。通詞は世襲の語学プロとして幕府に仕えていたわけだから必至の思いで勉強したのだろうけれど、それにしてもたいしたものである。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、南会津シリーズから、金山町の玉梨牧場の白樺林で撮影した「秋の足音」。
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