更に37年前からの37年分の進歩

 10日ほど前に今から37年前、つまり1986年にはこんなにたくさんの機器が必要だったのに、今ではスマートフォン1台あれば、ほぼすべての用が足せるようになったことについて書きましたが、今日は1986年のさらに37年前、つまり1949年の電子機器はどんな様子だったかというお話。さすがに私が生まれる前のことなので良く分からない部分も多いのですが・・・。

 1986年には既にトランジスタ、IC、LSIの時代になっていたわけですが、1949年は真空管の時代でした。既にトランジスタが発明はされておりましたがまだ実用化はされておらず、例えばSONY最初のトランジスタラジオが登場したのは1955年(TR-55)です。ちなみに世界初のトランジスタテレビSONY TV8-301は1960年5月に発売されています。

 1947年当時に日本のラジオに使われていた真空管はST管と呼ばれた、電球を少しスマートにしたような大きなものでした。上の写真は日本では1950年代以降出回るようになったmT管(注)で、ST管と比べると大幅に小さくなっていますが、それでも大人の男性の親指くらいの大きさでした。

 そんな時代でしたので11月5日の記事の上の写真に写っている物のご先祖様が1947年に存在していたかと云うと、ほとんどの物はご先祖様の前身の欠片もない時代ですね。

 電子手帳などあるわけもなく、紙の手帳の時代でした。動画撮影はフィルムを回すカメラの時代でしたが、個人で購入可能な8mm(フィルム)カメラが出回りだしたのは1960年代以降でしょうか。

 デジタル方式のコンピュータは存在しておりましたが真空管を2万本も使った、30トンもある巨大なものでした。数値を計算する道具としては、日本ではソロバンが使われていましたね。個人が所有するパーソナルコンピュータの概念(製品)は1970年代になってからだと思います。

 有線電話が一般の家庭に爆発的に普及するのが1960年代以降。1947年当時に携帯電話はなかったと思いますが、携帯無線機(ハンディートーキー)はありました。もちろん真空管式です。真空管と聞くと(日本では)100VのAC電源がないと作動しないと思われるかも知れませんが、実は積層乾電池で駆動可能な真空管がありました。アメリカでは1930年代から真空管式のカーラジオがあったようです。

 パトローネに入った35mmフィルムを使うカメラはありましたね。ライカが有名ですが非常に高価なものでした。Nikon 最初のレンジファインダーカメラNikon Iが発売されたのが1948年。一般の人が二眼レフを買えるようになるのは1950年代半ば以降です。

 歩きながら音楽を聴くことのできる機械はありませんでした。1950年に東通工(現SONY)がテープレコーダーを発売しますが、重たくて持ち運びは不可能。そもそも歩きながら音楽を聴くという発想自体が、SONYがウォークマンを「発明」するまでこの世にはなかったと思います。

 以上、ざっと1949年からの37年前を振り返ってみましたが、無かったものが登場して実用化されたと云う意味では次の37年以上の進歩があったと云えます。特にトランジスタの登場。発明からわずか7、8年でトランジスタラジオが登場し、さらにその5年後にはポータブルテレビまで登場しているのは驚愕と云うべきですね。

注:郷秋<Gauche>が自作のオーディオアンプに使用していた6BM8と云う型番の9ピンの真空管(mT管。先に金属管のMTがあったのでmと小文字表記とするのが通例)です。三極管と五極管が一本のガラス管の中に入った複合管で、これが2本あるとステレオアンプとなります。

  横浜の住宅地の中に残された小さな里山の四季移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは10月28日に撮影した写真を6点掲載しております。秋も深まりつつある森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
 二週続けてお休みとなりました恩田の森での撮影と掲載ですが、今週末には復活できそうです。どうぞお楽しみに!

blog「恩田の森Now」
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#1949年の電子機器 #トランジスタの発明 #トランジスタラジオ #真空管 #ハンディートーキー #電子機器の発達史 #科学技術史

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