
役場を出て、近くの「和久」に寄りました。予定では明日の昼食をここでいただくことにしていましたが、「かあちゃんの店」が超満員で入れなかったため、こちらで食べることにしました。
前月に訪れた私を、店主の海野さん夫婦は覚えていて下さいました。会話も前月からの続きの形で盛り上がりました。

この日のおすすめメニューは御覧の通りでした。その日の仕入れネタによって料理を決めています、ということでしたので、おすすめメニューはほぼ毎日変わっていることになります。そして今日は活きのいいヒラメが入荷したということで、ヒラメを使った料理を提供していました。

前回来た時には無かった、ガルパンの劇場版視聴特典の色紙とクリスマスポストカードが飾られてありました。海野さんの息子さんが「ガルパンとはどのようなアニメか」と観に行かれたのだそうです。この点一つとっても、こちらのお店がこれまでのガルパンブームと無縁であったことがうかがえます。

この日注文した品の前に、サービス品としていただいた品です。本日仕入れたタコの刺身、ヒラメの天麩羅です、どうぞ御試食下さい、ということでした。
「これは試作品なのですか」
「まあそんなものです。メニューも色々と試行錯誤してますので」

生タコの刺身です。柔らかいながらもコリコリして活きの良さが口中にも広がってまいりました。醤油をつけずに、添えられた大葉でくるんで食べると、両者の旨味が程よく主張しあって美味しさも深まりました。これが大洗のタコの素の味なのだな、と思いました。

天麩羅は、ヒラメ、ナス、イモの三品でした。定食メニューにも天麩羅は含まれているのですが、その日の仕入れによって内容が変わるため、試作してみないと出来栄えが分からない、という面もあるそうです。しかし、ヒラメの天麩羅って美味しいですね。初めて食べました。

この日の昼食として注文した、海老フライ定食です。前月は刺身、焼魚のメニューをいただきましたので、今回はフライを、と考えてのチョイスでした。

大きな海老が三匹、見た目にもボリュームがありました。

これですよ、これ。こちらのお店の汁物は、個人的に気に入っています。ダシは昆布なので、まったりとしたまろやかな風味が凝縮されています。具は鯛かなと思いましたが、これもヒラメのようでした。定食メニューの汁物はすべてこういう仕上げで提供されているそうです。
「和久」にはその後も一時間ほど居て、店主の海野さんと新メニューの案などについて盛り上がりました。海野さんはとにかくノリノリな方で、女将さんが「それはやめてよ・・」と時々ボヤくほどに、軽い調子でとんでもないメニュー案を持ち出してきたりしました。
「ここんとこガルパンで賑わってるからさ、何かそういうの、いっぺん出したいねえ」
「それなんですけど、大洗名産のタコやシラスって、私らはあんまり食べる機会も場所も無いんですよ。タコは万年屋さんの弁当でしか食べたことないですし、シラスは「かあちゃんの店」か「五十集矢」さんぐらいしか食べられるところがないので、こちらのお店でもやっていただけたらな、と」
「シラスか、確かにこっちじゃあんまり出してる所が無いな、ガルパンメニューで出しちゃおうかねえ」
「ガルパンメニューでいくのであれば、ファンが喜んで笑ってしまうようなのがいいですよ」
「例えば?」
「そうですねえ、他のお店だと戦車寿司とか戦車ケーキとか出してますからね、戦車ものはもう開拓されてる気がしますんで、まだどこもやってないものを出したらいいでしょう。砲弾もどきとか」
「砲弾か。そうだ、それイカを使えば作れるよ。三角のてっぺんでさ、イカにシラスご飯詰めて焼いたりして串にすりゃ、食べ歩きも出来るな。そうだ、それでいこう、イカのガルパン砲弾焼き、いいねえ、これ。間違いなくヒットするな、決まりだね」
「もう決定なんですか、本当にそれやるんですか」
「おう、やるやる、何事もいっぺん試してみたらいいんだ。失敗作の方が多いんだけどもさ、失敗しなきゃ成功も出来ねえよ」
「やるんであれば、タコの方も検討いただきたいんですが。例えば大洗はタコが美味しいって評判ですのに、タコ焼きすらも商店街では出していないという・・・」
「タコ焼きなら、ウチで以前にやってたことあるよ。アクアワールドの方の店でやってたんだ。でも食べ歩きするためのパックはやってなかったな」
「それですよ、こちらで食事メニューに出していただいても良いと思うんですけど、ガルパンファンはだいたい食べ歩きがメインですんで、ちょっと立ち寄ってパッと買って、食べながら散歩する、というメニューがあればな、と」
「それもやってみるかね。タコ焼きも丸いし砲弾みたいだから、タコのガルパン砲弾焼き、いいねえ、これ。いってみようかあ」
「まずは実験的に、あんこう祭や海楽フェスタとかのイベントで限定で出してみたらいかがですか?お客さんの反応次第で方向も決まることでしょうし」
「そうか、なるほど。その手もあるな」
とにかくノリノリな店主さんでした。女将さんが「主人はいつもあんなですから・・・」と苦笑しておられました。

この日の宿はシーサイドホテルでした。今回で四度目でした。何よりも部屋から鹿島灘の大海原を一望出来る点が素晴らしいので、海に憧憬を抱く私としては、何度でも泊まりたい施設の一つです。宿泊料金が大洗でも上位に位置しますが、宿泊特典の多さを考えると、実際の宿泊料金は他の施設と大差が無いだろうと拝察します。

この日の仲居さんは、以前の宿泊時にもお世話になったことがありますので、再会みたいな感じで会話もはずみました。劇場版も視聴されたそうで、アニメはあんまり知らなかったけれどガルパンの劇場版は面白かった、と話していました。
到着したのが17時過ぎでした。そのあと大浴場にて温まってこの日の疲れを癒しました。ロビーで新聞を読み、備え付けのパソコンでインターネットを楽しみ、ガルパンコーナーを見たりしてゆっくり過ごしました。
上図は、この日いただいた夕食です。本来は特典の一つとして戦車ケーキがつきますが、甘いものが苦手なので、今回はあらかじめ予約時に辞退しておきました。その替わりの特典品がつきましたが、思ってもみなかった品でしたので、嬉しかったです。

この日、あちこちでいただいたガルパン公式缶バッジの数々です。全部で30個でしたが、時期柄、謹賀新年バージョンの三種類が多くを占めました。 (続く)