
ステップ6では、左右のフェンダーおよびサイドカバーを取り付けます。私の製作においては、サイドカバーのA4とA5は塗装後に履帯を組み付けてから接着しますので、ここでは仮組みだけしてパーツの合いを確かめました。
このキットにおいては、パーツに反りや歪みがある場合が多いようですが、私が使用した個体にはあまり反りが見られず、歪みも少なかったです。プラスチック製品としての出来具合に個体差があるのがプラモデル製品の常ですから、私が購入したのが、たまたま反りや歪みの少ないキットであった、ということでしょう。

御覧のように、左右のフェンダーC1およびC28には反りも歪みもありませんでした。

取り付けは、前端部の形や表面のモールドをしっかり合わせた上で行いました。まず前半分ほどを接着して様子を見て、問題が無かったので残り半分を流し込み接着剤にて固定しました。
イタレリキットの常として、パーツの取り付け位置が少し分かりづらいところがありますが、仮組みして表面のモールドなどを合わせてみれば、自然に位置がつかめます。このあたりが、全てのパーツがカチッとはめられるタミヤ製品との相違です。

続いて、エッチングパーツの5と6を瞬間接着剤で取り付けました。位置は溝がありますから分かるのですが、角度がガイド指示図からは分かりづらいので、公式設定資料図などを参考にして接着しました。垂直よりも僅かに内側、という感じに見えますので、いったん垂直に付けて、それから0.5ミリほど僅かに内側に向けて固定しました。

ステップ7では、戦闘室部分を組み立てます。箱組みですので、一つ一つ丁寧に取り付けてゆきます。前面のドライバーズハッチは可動に出来ますが、軸部をおさえるパーツがありませんので、ブラ材で追加する必要があります。
またC17には、本来ならばペリスコープが装備されているはずなのですが、劇中車ではペリスコープが明確にみえず、イタレリ製の実車写真集でもそれらしきものが見えません。キットのボックスアートではちゃんとペリスコープが描かれていますが、それと同じ描写が劇中車には認められません。暗い陰の部分ですので、本当はペリスコープがあるのに見えないだけかもしれません。
キットにはペリスコープのパーツはありませんので、ペリスコープを追加再現する場合にはジャンクパーツや他キットのドイツ系車輌のパーツをもってきて、見える部分だけをカットしたうえで上からC17にはめ込むことになります。私の製作においても、いちおうペリスコープのパーツをジャンクから持ってきて準備しましたが、取り付けるかどうかについては迷いましたので、いったん取り付けずに保留としました。

戦闘室部分を構成するパーツ群です。

組み立ては、背面部のC24から始めました。取り付け位置が最もよく分かりますので、これを基準にして仮組みと接着を進めるのが良いと判断したからです。

次に、左右側面板のA22、A23を貼り合わせました。接着剤が乾くまでの間、前面部のC22にドライバーズハッチのパーツを組み付けました。ハッチは可動にするので、C26はC22に接着していません。

前面部のC22を貼りつけました。ズレもなくピッタリと合いました。

ドライバーズハッチの軸部をおさえるパーツがありませんので、そのままでは簡単に外れます。そこで上図のようにブラ材で軸押さえを追加しました。

ガルパン仕様への修正ポイントが一つあります。この前面ペリスコープのある凹み部分の形状が、キットパーツでは上図の状態になっています。

劇中のワンシーンで同じ部分を見ますと、御覧のように斜めに切れ込んでいます。ドライバーズハッチ上端との間が詰まっています。

劇中車の形状に合わせて斜めに削り込みました。問題はペリスコープの有無ですが、前掲のワンシーンで見ても、無いような感じです。キットのボックスアートにみえるペリスコープ上部の段差がハッキリと見えないのです。穴だけが陰の底に見える、という感じです。
とりあえず準備しておいたペリスコープのパーツを見下ろしつつ、しばらく思案にふけりましたが、基本的には劇中車の状態に忠実に合わせる、というのが私の原則です。ペリスコープが明確に見えないのであれば、パーツも取り付けないでおく、という結論に落ち着きます。
念のため、モデルグラフィックやアーマーモデリングのアンツィオチーム車輌特集記事も参照しましたが、いずれもペリスコープまでは再現していませんでした。それで、劇中車の前面ペリスコープは存在しない、と判断し、準備しておいたペリスコープのパーツは不要としました。 (続く)