GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

酔った勢いで

2018-05-07 04:36:13 | BOOK/COMICS
お酒が好きだ。ほぼ毎日飲んでいる。
店で飲むのも好きだし、家で飲むのも好きだ。

夏の暑い日に浜辺で飲むビール。最高だ。
寒い日にコタツに入って湯豆腐つつきながらの日本酒。最高だ。
おしゃれなレストランで女の人と飲むワイン。最高だ。
一人静かにオーセンティックなバーで飲むウィスキー。最高だ。
地方の郷土料理とその土地の焼酎。最高だ。
夜景の見えるラウンジでカクテル。最高だ。

どんなシチュエーションでも、それに合うお酒がある。

家には純米酒、焼酎(麦・米・芋)、ウィスキー(日本・スコッチ・アイリッシュ・バーボン)、ジン、ワイン(白・赤)、テキーラ、カンパリ・・・色々揃ってる。
冷蔵庫の中にはビール、ウォッカ、ソーダ類(炭酸・トニックウォーター・ジンジャーエールなど)、柑橘系ジュースやシロップ(オレンジ・グレープフルーツ・レモン・ライム・すだち・シークワーサーetc)などが常備されてる。

パスタに合わせてイタリアワイン。
麻婆豆腐に合わせて紹興酒。
焼肉に合わせてビール。
珍味に合わせて純米酒。
冷奴にチューハイなんてのもいい。ビーフジャーキーにバーボン、チョコレートとスコッチ、寒い日は麦焼酎のお茶割りなんてのも合う。

そう、お酒は料理や雰囲気を楽しむものだ。かっこよく言えばマリアージュね。
だからお酒を楽しめずにお酒に負けるやつが嫌いだ。

酔いつぶれるやつ。(寝るのは構わない)
他人に絡んだりするやつ。(うざい、しばいてしまう)
助平になるやつ。(本能が出てるぞ)
大声出すやつ。(中年のおばさんおっさんに多い)

飲酒運転するやつなんて言語道断。こんなやつは死刑でいい。酒を飲んで気分良くなるのはいいがルールやマナー・モラルが欠如した状態で車という凶器を走らせてるようなもんだからな。シャブ中に包丁持たすようなもんだ。

酒飲みではなく酒に飲まれたただのあかんたれが大嫌い。

子供の頃兵庫県の西宮に住んでて、阪神電車を使うとき親がよく言ってた。
「青い電車は乗ったらダメだよ」
阪神電車の急行はオレンジ(柿色)で、鈍行(各駅停車)が青(正確には紺)。青色の普通列車は尼崎のセンタープール前とかで停車するのよ。競輪や競艇帰りのおっさんが、片手にワンカップを持って乗り込んでくる。酒くさい息を吐くおっさんに絡まれる。このせいで大人になってもしばらく日本酒は大嫌いだった。

炉端やバーでバイトしてる時も、飲みに行くようになっても店で酔いつぶれたり絡んでるやつはしょっちゅう見た。

これだけは言っておくって呂律の回ってない口調でいつまでも同じ話をしてるやつ。
下心丸出しで女の子にベタベタ触ろうとしてるやつ。
すけべ心を逆手にとって潤んだ目で甘えて誘ってる女。
トイレでビックリオムレツ(俺たちはこう呼んでた)を吐き散らかすやつ。
会計時に財布から金が出せなくてプルプル手が震えてるやつ。

こいつらの常套句が「俺は(私は)酔ってないぞ。
酔っ払いの常套句。
これを聞くたび「酔っとるわ」って突っ込み入れたくなるが、酔っ払いはどうせ認めない。ヘラヘラしてるだけにタチが悪い。

自分ではわからないんだよね。リミッターがどこにあるか。
こんな酒飲みが嫌いだからか、俺は酔いつぶれて道路で寝たこともなければ、絡んだりすることもない。
「酔っ払ってて忘れてるだけじゃないの」って言われることもあるが、それは無い。言いきってもいいそれは俺の美学が許さない。

もともと酒があんまり飲めなかった俺がこんなに飲むようになったのは

1,アメリカに行った時、水(エビアン1本3$)よりビール(バド6本2.6$)の方が安かったから
バドとかクワーズとかミラーなどのアメリカンビールを水代わりに飲んでたら、ビールが好きになってしまった。

2,地方に講習行くようになって、各地で接待されて飲まないとダメだったから
地方の人はよく呑む。それしか楽しみがないのか?ってくらい呑む。熊本・宮崎・高知が圧倒的。でも球磨焼酎と馬刺し、霧島の麦茶割と鶏、ウツボやカツオのたたきと酔鯨なんか合うのよね。ベク杯は勘弁だがこれらの土地の人は陽気に飲む。酔いつぶれたりはしないのよ。

そんなことがあって俺は毎日飲むようになったが、相変わらず酔っ払いは嫌いだ。

静かなバーで明らかに飲んできたとわかる団体が入ってきて「マスタ−,三人だけどいい?」って大声出した途端に帰るようにしてる。(雰囲気ぶちこわししだから)
電車で何の会合かわからない中年のおばさんおっさんの酔っ払い団体が乗ってきたら、iPodのボリュームを上げて無視する。(うるさいって怒鳴ってしまうから)
小料理屋で一人楽しんでるのにやたらと話しかけてくる常連には、言葉が通じないふりをする。(愛想笑いはできないから)
でも、フェロモン丸出しの酔った女の人がご一緒にいかが?なんて誘ってくれたらちょっと迷ってしまうかも。(そんなことはほとんど無い)

酒の席での発言は無礼講ってのもある。
だから会社やチームでの飲み会は極力避けてきた。忘年会、新年会、打ち上げ・・・。今の若者はハナから参加しないらしいがそれはそれでいいのでは無いかね。
酔った勢いで「俺はこう思うんすよね」とか「これって絶対どうたらこうたらでしょ、違いますか」なんて部下に絡まれるのも嫌だったし、上司に説教されるのも嫌いだったからね。
しかも次の日に「昨晩は酔ってたから」なんて言い訳された日にはたまったもんじゃ無い。そっちは酔ってたかもしれないがこっちはおかげで素面だったよって。

朝起きて横に裸の女がいるが全く記憶がなく、女が服を着替えながら「昨日は酔ってたから」なんてことでもあれば嬉しいのだが、残念ながらそんな経験はない。

TOKIOの山口くんがジャニーズ事務所の契約を切られたらしい。
彼が酔った勢いで女子高生を呼び出し、無理やりキスをして訴えられて騒動になったのは周知の通り。もちろん酔ってたからなんて言い訳にもならない。酔った勢いってことにした方が都合がいいこともあるけれど、残念ながらほとんどは通用しないのだよね。

でもねこれだけは言いたい。
酒が悪いのではない。酒に飲まれてしまう奴がダメなのだ。

中島らもさんの「今夜すべてのバーで」

吾妻ひでお氏の「アル中病棟」


ぜひこの二冊は山口くん、いや全国の酔っ払いに読んでもらいたい。