GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

ふるさと納税 泉佐野市は間違ってない

2019-02-10 05:30:08 | Talk is Cheap
ルールをコロコロ変えるからこんなことになる。
本末転倒ってのはこのことだな。
お役所仕事は相変わらずだなぁ。

ふるさと納税。
実際は寄付だが、応援したい自治体に寄付すると、寄付額から2000円引いた額が居住地の住民税などから控除される制度。

元々、過疎化などで税収が落ち込んでしまってる地方都市の税収をなんとかしようとしてできた制度。
自分の住んでるところ(住民票のあるところ)で納める税金を、希望する自治体に寄付する形で収めれるようにした。
上限はあるが、いろんな控除受けれるとともに寄付した自治体から金額に合わせて返礼品が受け取れたりする。

各地方都市は地場特産品・名産品、お店の商品などを返礼品にしてアピール。
人気のある地方都市はかなりのふるさと納税で潤った。

ここまではお役所さんが考えた制度にしてはビッグヒット。
なのに、またもやいつものパターン。
ここにきてこの制度を見直そうとしだした。

理由は簡単。
地方納税が上がったのはいいのだが、都市の税収がその代わり落ち込んできたから。

そりゃ当たり前やわな。
納税者はただ単に取られる(納めさせらる)税金払うくらいやったら、返礼品もらえたりする方がお得感あるもん。
別に地元愛がなければ、どこに納めても一緒だし、地方都市を助けてるって奉仕感覚も得れるしね。
地方都市がふるさと納税で税収アップすると、そりゃ当然都市税収はそれに反比例して減るわいな。
納税者の数や納税額は変わらんのやから当然やわな。
大都市は税収多いし、法人税とかで潤ってるんだから、ごちゃごちゃ今更変えんでもええと思うんやけどな。

地方税制改正の関連法案。

表向きは「加熱する返礼品がルール無用になってきたから」なんて大義名分出してるけどさ。
「ふるさと納税制度の抜本的な見直しが練りこまれ」って、またもやお得意の「想定外」ってやつですか?
プレミアム何ちゃらとかと違って、それくらいシミュレーションしてるやろうに。

返礼品を「調達費は寄付額の30%以内の地場産品」に規制。
バカですか?
アホですか?
ボケですか?
地方都市がなんで税収が下がってるのかの原因こそ抜本的な見直ししろよ。

どんどん高齢化になり若者は町や村を出て行く。
地元には学校や就職先の会社がないもん。仕方ないわな。
で、戻ってきて農業など親の仕事を継ぐ人は稀、
後継者不足で田畑が枯れていき、工場は閉め、商店は寂れて行く。
したがって、この地方都市自治体の税収はどんどん下がっていく。
それに伴い、いろんな福祉に回すお金もない。地場産業を助成したりもできない。修繕や補修費さえカツカツのところも少なくはない。

それを今までは中央(国や政府)、府県などからの予算割り当て・補助金・助成金で賄っていた。
それもかなりの負担。改善の気配がないしどんどん限界。
そこで考え出されたのがこのふるさと納税制度じゃないのか?

そりゃもちろん返納品は地場品が望ましいよ。
でもな、考えてもみろよ。
名産品がないところはどうすればいいんだ?
桃やさくらんぼの新たな品種作って地方ブランド化しろって?
っていうより、その地方の名を冠したブランド商品ってそんなにあるか?
夕張メロン、エチゼンガニ、松坂牛、名古屋コーチン、賀茂茄子、谷中生姜・・・。
あったとしても、大手流通に乗らないってことは生産量がそもそも少ないってことだろ?
それだけで返礼品など対応できるわけないやん。

そして根本的な問題。
もともとそんなの(地場産品)がないからその地方都市は寂れていってるのではないのかね。
人や商店が少なくて、地場産業がたちいかないから寂れていってるのではないのかね。

そんな地方集落に、今更新しく特産品や名産品を作り出せと。
温泉街やスキー場で売ってるようなどこにでもあるような商品に、その地方都市の名をかぶせりゃいいってか?
もしそんなことができてるのなら、どこの駅前もチェーン店ファストフードがならび道路には大手チェーンの量販店スーパーができるなんてことはなかったはずだ。
今まで出来なかったものが、今更できるというのなら、やって見せて欲しいもんだ。

もみじ饅頭、きびだんご、日本全国、ひよこ饅頭や赤福、八つ橋、うなぎパイなどのペチモンが出回るぞ。
下関のふぐ、千葉の落花生、氷見のブリ、明石のタコ、山形のさくらんぼ、宮崎の地鶏、熊本球磨焼酎・・・。
先人たちがどれほど苦労して知名度を上げていったのか、中央はわかっていない。いや、わからない。わかろうとしない。
地方都市の現状を見もせずに、頭ではわかってるつもりでいるから。

奴らが言ってることは、B-1グランプリのように元々地元で愛されてる商品ではなくても、コンテストのためにと同じく返礼品のために開発すればいいだろうと。町おこしのために商品を開発すればいいじゃないかと。
宇都宮餃子、横手やきそば、仙台牛タン、博多水炊き、広島お好み焼き、讃岐うどん・・・。
その地方で長年愛されるソウルフードでも、誰かが考えてそれで根付いたものなんだから、今からでもそれを作れるだろうと。

そりゃ理想論だわ。
でも、正直言って無理。
そのほとんどは不発で終わる。
だって昔から言うやん。
「名物にうまいものなし」って。
あれって、今ポピュラーになってる一部の名産品の陰には、いくつもの他では受け入れられないものがあったってことでしょ。
実際コーレグースとか柚子胡椒でさえ好き嫌い分かれる商品やん。

話がだいぶそれていってしまったが、今更ふるさと納税制度を見直ししてどうする。
地場産業品がないところは家電や商品券でもいいじゃないか。
無理やり地元に紐づけするなら
「この家電は地元何々商店が販売取り扱ってます」
「この商品券のカード会社社員の一人が、うちの村出身です」
でもいいやん。どうせ大義名分なんだからさ。

納税者にしてみりゃ、どうせ払う税金ならどこに納めても一緒だし、どうせならいい返礼品が欲しい。
返礼品にどんな魅力を感じるか、何がもらいたいかで決めていい。
せっかくの機会だからと、どこの自治体がどんな商品出してるのか調べることもするだろう。
それって今まで縁のなかった、旅行とかで行くこともなかった地方都市でも、知ってもらえる、いい宣伝にもなるんじゃないのか。

地場産品ってのには、I・Uターン奨励用の土地や家屋の貸借権利だったりは該当しないのか?
地場産品ってのは、他の地方のもの(例えば近江牛)を加工して商品(冷凍ハンバーグ)にしたのはダメなのか?
どうせそこらへんはグレーだろ。
なら、泉佐野市のamazon商品券だって問題ないだろう。



大阪府泉佐野市はふるさと納税寄付者への返礼品に加え、amazonのギフト券を寄付額の最大20%分提供する「100億円還元(閉店キャンペーン)」を打ち出した。
総務省・石田真敏相はこれについて
「制度の根幹を揺るがし存続を危ぶませる」
なんて言って泉佐野市を名指しで非難。

泉佐野の地場名産品って何?
大阪に住んでる俺でさえ知らんぞ。玉ねぎとかくらいじゃないかな。そんなの返礼品で欲しい人がどんだけいるんかね。

「自分のところだけよければ、他の自治体への影響は関係ないという身勝手な考え」
などと言っとるけど、
泉佐野市は2018年11月の時点でも国(総務省)に名指しで批判され、それに対して
「ふるさと納税寄付額の3割以下の根拠の提示や地場産品が少ない自治体への配慮」
などを求める回答書を提出してる。

その答えに納得いかなかったから、今回のamazon商品券還元キャンペーンに踏み切ったんだろう。
ちなみに泉佐野市は2017年度は全国で最も多い135億円の寄付を集めた。



そもそも「寄付額の3割以下の根拠の提示」もしないまま、そして地場産品が少ない自治体への配慮もせんまま、制度を改正してる方がおかしくないか。
それならせめて今回の泉佐野市の件が、他の自治体にどれだけ影響受けたのかはデータで示してくれへんか。
悪影響なら既に出てるけどな。

三重県鳥羽市は2018年のふるさと納税額が前年(2017年)に比べ2億2千万ダウンした。
昨年までの真珠の返礼品が「地場産品ではなく宝飾品だ」と(総務省に)ケチをつけられて認めてもらえなかったため。
その影響で現時点(2018年11月29日)の時点で7120万にとどまってるそうだ。
鳥羽といえば真珠。観光でタクシーに乗ったら真珠加工所(販売所)に連れて行かれるくらいだ。なのに地場品とは認められない。変なの。



「高額な返礼品は認めない」だとさ。
じゃぁ「黒いダイヤ」って言われてるクロマグロ(大間や戸井)もダメだな。
真珠がダメってことはアワビもダメだね。どっちも養殖の貝やん。じゃぁ、アンモナイトの化石だったらどうなんや?
それに価値があるかないか、高額な贅沢品とか宝飾品とか。判断する基準は何なん?

だいたい「自分ところだけが良ければ他のことは考えない身勝手な考え」ってお前ら省庁が一番そうやん。
自分たちの予算のためにくだらねぇ企画や制度をどんどん作ってないか?他の省庁のことなんか考えてないか?競馬・競艇・競輪でさえ管轄省庁が違うのはなんでだ?

山口県の周防大島町も困惑してる。
ハワイ・カウアイ島の特産品クッキーやコーヒなどの詰め合わせセット。
これが「基準違反」なんだとさ。
クッキーはカウアイ日本文化協会元会長で両島の交流に尽力した山口県出身の日系二世が製造し、カウアイ島郡庁舎をイメージした町の観光施設「グリーンステイながうら」で売る人気商品。なのに地場品ではないんだとさ。
基準がよくわからん。じゃぁ他の自治体でも、他の自治体から材料入れたり中国とかで製造してる特産お土産品は全てダメなんだな。

さらに言えば周防大島町は明治期に官的移民約3900名ハワイに送り出し、1963年にカウアイ島と姉妹島縁組し、文化祭や青少年の派遣や交流をし続け、役場職員がアロハで働いてるくらいなのに認められないってどうなの?
じゃぁ、一体どんなもんが認められるのか基準をはっきり決めてくれないか?

材料から作業・販売に至るまで全て地場物で補えと。そうじゃないと認めないと。
いいかい、それはシャンパーニュのシャンパン、パルミジャーノ・レッジャーノなどEUが定める原産地名称保護制度や、薩摩焼酎などWTO(世界貿易期間)が認める地理的表示認定商品クラスじゃないとダメだということだぞ。日本にどれだけそんな商品があるってんだ?

っていうかその前に総務省よ、泉佐野市を責める前にあのふざけた企画倒れの【プレミアムフライデー】はどうする気だ?
これも改正する気か?もうどうにもならんぞ。
明石市の泉元市長やないけれどかかった予算・費用は「自分のお金で返納しろよ」。
担当者はなんとかしろよ。「それが市民(国民)のためやないか」。

泉佐野市に文句言う前に、まずは制度の本質から見直せ。
それからだ。