海賊っていいよな。
同じ賊でも山賊だと、なんか野暮ったくてガサツで汚らしいイメージだが、海賊はかっこいいイメージだ。
ジョニーデップがカリブの海賊を演じた「パイレーツ・オブ・カリビアン」。この映画を観たのは、ちょうど会社を立ち上げた頃だったからよかった。もし学生の時に観てたら進路希望書に「海賊」って書いてたかもしれない。偏差値教育受験戦争と言われたあの時代にドロップアウトしてた俺は、多分本気で海賊を目指してたかもしれない。
今でも着信音はパイレーツ・オブ・カリビアンのテーマ曲だ。ロッキーのテーマ曲と同じく、聴くたびに元気になるよな。
累計3億冊のコミックスを売り上げてる麦わら帽子をかぶったゴム人間が活躍する海賊漫画。ちょうどこれも少年ジャンプ誌を読まなくなった頃から連載が始まったからよかった。もしこんな漫画を小学生や中学生の時に読んでたら「僕の将来の夢は海賊です」って卒業文集に書いてたかもしれない。残念ながら悪魔の実には出会えなかったから特殊能力は身に付かなかったがね。20代前後の俺はいつも黒いスーツを着てて、いつもタバコを吸ってたから、多分コックとして海賊の船に乗り込んでたかもしれない。
太平洋戦争中ならマレー沖で暴れまわってハリマオと呼ばれたかもしれないし、戦後の混乱期に活躍して某石油会社の社長のように、海賊と呼ばれた男となってたかもしれない。
さてさて、どんどん話が横道に逸れて行くが、今回読んだ本はそんな海賊の話。
村上海賊の娘。
群雄割拠の戦国時代、瀬戸内海で猛威を奮った村上海賊の話だ。
作者の和田竜の作品は、野村萬斎(シン・ゴジラの動きを演じた人ね)主演で映画化もされた「のぼうの城」くらいしか読んだことがなかったんだが、傑作だよこれ。
まるでその場に自分がいるみたいな気になってくるほど描写が細かく多面的。
織田信長VS大坂本願寺。
武田勝頼を長篠の戦いで粉砕した織田信長。長年にわたる本願寺とのケリをつけるべく大坂に攻め入る。当初強気だった本願寺は劣勢になり兵糧支援を毛利家に依頼。鍵を握るのは瀬戸内を仕切る海賊村上。迎え撃つ泉州海賊・眞鍋海賊よりも上杉謙信の動きを気にする小早川隆景。雑賀一族の衆徒のために本願寺側につく鉄砲の名手・鈴木孫市(雑賀孫市)。
この大坂(当時は大坂といえば本願寺のこと)と信長の戦いは有名だが、いつもだいたい「第一次木津川合戦で織田軍は当初本願寺を包囲したが、毛利水軍に負け包囲網を破られた」と「この戦いで信長は鉄製の大型安宅船を建造し、九鬼水軍と手を組み第二次木津川戦争で本願寺を陥した」ってくらいで、いまいち俺もどういった戦いだったのかよく知らなかった。
かなり詳しく史料をもとに書かれてるからリアル。
リアルなんだがリアルすぎて作中の泉州弁(大阪弁の中でも特に大阪弁って感じの言葉)が、関西の人以外はわかりにくいかもしれない。
村上海賊も因島、来島、能島の三家があるのだが、これも広島、岡山、愛媛あたりの人じゃないと地理関係が掴みにくいかもしれない。
ほとんどの人は小豆島は知ってても、その島がどの辺りにあるのかさえ知らない人が多いし、本願寺が今の大阪城があるところだと知ってる人も少ない。
一応ご丁寧に当時の地図、海図も掲載されてるから、まぁそれ見ながら読めばいいんだけどね。三国志だって呉や魏がどこなのか長安や赤壁がどこか知らなくても読めるしね。
主人公は20歳の能島村上頭首の娘、景なんだが、これも醜女(しこめ)って書かれてるから、なんかブスって思ってしまうかもしれない。
登場人物紹介でも、amazonなどの作品紹介でも主人公は醜女と書かれてるから、それだけで「うーん、やめた」って買うのやめた人も多いんじゃないかね。俺も今まで読まなかったのはそのせいだ。だってやっぱり主人公が美女で果敢な戦士ってのなら読みたいけど、ブスで男勝りだってのはなぁって思ってしまうよ。
まぁ誤解なきように書いておくが、この醜女というのは当時の美女基準でのことで、主人公は西洋美人顔だったらしい。
当時は浮世絵でもわかるだろうが、ふくよかで小さく、おしとやかな女性が美人だった。今でいう目が大きく整ったホリのある美人顔は当時はブス。ましてや背が高くて痩せてたらダメ。これは平安時代も、戦国時代も江戸時代も、昭和初期までそうだったんじゃないかな。西洋の映画とかファッション、文化が入ってきて今の美人、べっぴんさんの基準が変わったからね。今、ダイエットに勤しんでたり、小顔になりたーい、目をぱっちりさせたいから整形しようかな、なんていう人は、タイムスリップして江戸時代にでも行けば、モテモテかもしれないよ。
和田竜さんがわざわざなぜ醜女を強調して書いたのかはわからんし、出版社もなぜ宣伝でそこを曖昧にしなかったのかはわからんが、この本を読まれる方は主人公は今の美人顔で、スタイルが良く、それでいて正義感が強く過激な女性って思って読んでくれ。
海上での戦闘シーンもかなりリアルに描かれてるこの村上海賊の娘。
1100ページ以上の大作。
実写映画化されるかな。
同じ賊でも山賊だと、なんか野暮ったくてガサツで汚らしいイメージだが、海賊はかっこいいイメージだ。
ジョニーデップがカリブの海賊を演じた「パイレーツ・オブ・カリビアン」。この映画を観たのは、ちょうど会社を立ち上げた頃だったからよかった。もし学生の時に観てたら進路希望書に「海賊」って書いてたかもしれない。偏差値教育受験戦争と言われたあの時代にドロップアウトしてた俺は、多分本気で海賊を目指してたかもしれない。
今でも着信音はパイレーツ・オブ・カリビアンのテーマ曲だ。ロッキーのテーマ曲と同じく、聴くたびに元気になるよな。
累計3億冊のコミックスを売り上げてる麦わら帽子をかぶったゴム人間が活躍する海賊漫画。ちょうどこれも少年ジャンプ誌を読まなくなった頃から連載が始まったからよかった。もしこんな漫画を小学生や中学生の時に読んでたら「僕の将来の夢は海賊です」って卒業文集に書いてたかもしれない。残念ながら悪魔の実には出会えなかったから特殊能力は身に付かなかったがね。20代前後の俺はいつも黒いスーツを着てて、いつもタバコを吸ってたから、多分コックとして海賊の船に乗り込んでたかもしれない。
太平洋戦争中ならマレー沖で暴れまわってハリマオと呼ばれたかもしれないし、戦後の混乱期に活躍して某石油会社の社長のように、海賊と呼ばれた男となってたかもしれない。
さてさて、どんどん話が横道に逸れて行くが、今回読んだ本はそんな海賊の話。
村上海賊の娘。
群雄割拠の戦国時代、瀬戸内海で猛威を奮った村上海賊の話だ。
作者の和田竜の作品は、野村萬斎(シン・ゴジラの動きを演じた人ね)主演で映画化もされた「のぼうの城」くらいしか読んだことがなかったんだが、傑作だよこれ。
まるでその場に自分がいるみたいな気になってくるほど描写が細かく多面的。
織田信長VS大坂本願寺。
武田勝頼を長篠の戦いで粉砕した織田信長。長年にわたる本願寺とのケリをつけるべく大坂に攻め入る。当初強気だった本願寺は劣勢になり兵糧支援を毛利家に依頼。鍵を握るのは瀬戸内を仕切る海賊村上。迎え撃つ泉州海賊・眞鍋海賊よりも上杉謙信の動きを気にする小早川隆景。雑賀一族の衆徒のために本願寺側につく鉄砲の名手・鈴木孫市(雑賀孫市)。
この大坂(当時は大坂といえば本願寺のこと)と信長の戦いは有名だが、いつもだいたい「第一次木津川合戦で織田軍は当初本願寺を包囲したが、毛利水軍に負け包囲網を破られた」と「この戦いで信長は鉄製の大型安宅船を建造し、九鬼水軍と手を組み第二次木津川戦争で本願寺を陥した」ってくらいで、いまいち俺もどういった戦いだったのかよく知らなかった。
かなり詳しく史料をもとに書かれてるからリアル。
リアルなんだがリアルすぎて作中の泉州弁(大阪弁の中でも特に大阪弁って感じの言葉)が、関西の人以外はわかりにくいかもしれない。
村上海賊も因島、来島、能島の三家があるのだが、これも広島、岡山、愛媛あたりの人じゃないと地理関係が掴みにくいかもしれない。
ほとんどの人は小豆島は知ってても、その島がどの辺りにあるのかさえ知らない人が多いし、本願寺が今の大阪城があるところだと知ってる人も少ない。
一応ご丁寧に当時の地図、海図も掲載されてるから、まぁそれ見ながら読めばいいんだけどね。三国志だって呉や魏がどこなのか長安や赤壁がどこか知らなくても読めるしね。
主人公は20歳の能島村上頭首の娘、景なんだが、これも醜女(しこめ)って書かれてるから、なんかブスって思ってしまうかもしれない。
登場人物紹介でも、amazonなどの作品紹介でも主人公は醜女と書かれてるから、それだけで「うーん、やめた」って買うのやめた人も多いんじゃないかね。俺も今まで読まなかったのはそのせいだ。だってやっぱり主人公が美女で果敢な戦士ってのなら読みたいけど、ブスで男勝りだってのはなぁって思ってしまうよ。
まぁ誤解なきように書いておくが、この醜女というのは当時の美女基準でのことで、主人公は西洋美人顔だったらしい。
当時は浮世絵でもわかるだろうが、ふくよかで小さく、おしとやかな女性が美人だった。今でいう目が大きく整ったホリのある美人顔は当時はブス。ましてや背が高くて痩せてたらダメ。これは平安時代も、戦国時代も江戸時代も、昭和初期までそうだったんじゃないかな。西洋の映画とかファッション、文化が入ってきて今の美人、べっぴんさんの基準が変わったからね。今、ダイエットに勤しんでたり、小顔になりたーい、目をぱっちりさせたいから整形しようかな、なんていう人は、タイムスリップして江戸時代にでも行けば、モテモテかもしれないよ。
和田竜さんがわざわざなぜ醜女を強調して書いたのかはわからんし、出版社もなぜ宣伝でそこを曖昧にしなかったのかはわからんが、この本を読まれる方は主人公は今の美人顔で、スタイルが良く、それでいて正義感が強く過激な女性って思って読んでくれ。
海上での戦闘シーンもかなりリアルに描かれてるこの村上海賊の娘。
1100ページ以上の大作。
実写映画化されるかな。
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